今日は、30年以上地元で活動を続けている演劇グループ「劇団かんな」の公演を観に行った。
鹿屋は日本一規模の大きな特攻基地があった地。しかし薩摩半島の知覧特攻基地ほど全国的には知られていない。このたび、劇団かんなを主宰するY氏が、時間をかけて資料を掘り起こし感銘深い作品に仕上げておられた。
「散る桜 残る桜 残る桜も散る桜…」
疑い迷いつつも、ただお国のためにと若い命を捧げたあまたの特攻隊員。しかし中には出撃しながら、いろいろな理由で生きて戻ってきた隊員もあったという。「一億火の玉だ」のスローガンを掲げていた当時のこと、その後、彼らが、どのような運命をたどったかは想像に難くない。
特攻慰霊祭に参加した元上官と、特攻の真実を知ろうと訪ねてきた大学生グループ、さらに悲劇の特攻隊員の弟がひょんなことから、ともに焼酎を酌み交わしつつ、次第に真実が明かされていく。生きて戻ってきた隊員に過酷な出撃命令を下した元上官。良心の呵責に責められつつ、生きねばならぬ人生だったのだ。
戦後64年、日本は憲法九条に守られ、平和を享受してきた。しかし地球上のあちこちで、いまも悲惨な戦争が繰り返され、おびただしい難民、貧困…とどまるところを知らぬ復讐の連鎖。
地に平和よあれ! と、ただ祈るのみ。