はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

鹿児島県お母さんコーラス

2009-10-24 21:12:37 | アカショウビンのつぶやき
第32回合唱祭











お母さんコーラスが終わったー(*^_^*)

参加団体54、県内の女声コーラスのほとんどが参加する、一大イベント。
それぞれの団体が趣向を凝らし、耳だけでなく眼も楽しませてくれる。

素敵なコスチューム、もんぺに下駄履きスタイル、赤ちゃんをだっこして歌うヤングまま。猫のマスクをつけ「猫の二重唱」を歌ったグループなどなど…。

そしてそして私たちは、まずアカペラで童謡「とんぼのめがね」。
2曲目は難易度の高い、サトー八チローの詩に信長貴富さんが曲をつけた「私は歌に思い出をたどる」。

すばらしい詩とメロディーなのに、なかなか歌の気持ちを出せなくて苦労したが、本番はまあまあだったかな。

直前に主要メンバー三人が欠けた今回のステージは、一人一人の力を出し切って頑張るしかない…と悲壮な覚悟で臨んだ私たち…。
少し悔いも残るけれど、まあまあのできってことにしよう。
来年こそは、自信を持って歌えるようにしたいなぁ! 
確か、そのセリフは去年も言ったような…。

レベルの高いグループの発表を聴ける機会はそう多くはない、今年も良い勉強をさせていただきました。感謝!



約束のジュース

2009-10-24 09:52:12 | はがき随筆
 「おいしい?」。濃摩でまろやかな酸味の、夫の好みのジュースを手に夫に語りかける。
 22年前のハワイでクルーズのフラダンスを楽しみ、夕焼けの空を眺めながら飲んだ美味な生ジュースは最高だった。
 後年、グァバの苗木が育ち、赤い実を付けたが、気付くのはいつも落果の後。来年は作ると約束するが駄目で、夫に笑われていた。     
 今年こそと早朝に実を取りジューサーを使用。三温糖を入れ加熱。2日かけて完成。やっと約束を果たした。体調の悪さも暫時忘れる程うれしかった。
  薩摩川内市 上野昭子(80) 2009.10.24 毎日新聞鹿児島版掲載

母ちゃん床屋

2009-10-24 09:36:32 | はがき随筆
 退職してから理髪店に行ったことがない。妻が散髪してくれるからだ。妻は子供たちが小さいころ、電気バリカンとハサミを購入し散髪してくれていた。見よう見まねで覚えたらしい。
 私が退職すると「散髪代もばかにならない。私が散髪してみようか」と言い出した。私はそう言う妻に不安を覚えながらも、失敗したら坊主頭にするだけと腹をくくり臨むことにした。はげて毛の少ない頭は約30分で終了。恐る恐る鏡に向うと、なかなかの出来である。
 私の気性からして、短時間で仕上がるのがよい。かあちゃん、これからもよろしくな。
  鹿児島市 川端清一郎(62) 2009/10/23 毎日新聞鹿児島版掲載

夜明けの断思

2009-10-24 09:33:09 | はがき随筆
 早起きの身にとって夜明けが遅くなるのは何よりつらい。
 4時前に起き、新聞に目を通し5時過ぎ、車で4㌔離れた海水浴場に行ってみた。
 志布志の海も埋め立てられて渚はそこしかない。残念なことである。車を降りると風が冷たい。東の空に眉月が光り、星が一つ、寄り添うように光っている。海はいさり火もなく闇。秋の寂しさをしみじみ感じる。砂を踏むと、かすかに波の音が聞こえる。
 ひとりになって8ヵ月。再び冬を迎える思いは切ないが、必死に頑張って、夜明けを待ちたい。
 志布志市 小村豊一郎(83) 2009/10/22 毎日新聞鹿児島版掲載

半分ずつの幸せ

2009-10-24 09:32:58 | はがき随筆
 冷蔵庫の中をかき回していると1本、冷凍とうもろこしが出て来た。暑い7月の午後「タヌキに食われた」と畑から帰って来た家人が言う。「いいよ。食べさせて」。私も十分に食べた後だし、タヌキにやられることは2人して重々承知していた。
 それ鉄砲だ、やれわな掛けろと物騒なことを言わないで済む幸せ。世に食べ物があふれ、がつがつしなくてもいい幸せ。虫と半分、動物と半分。そんな気持ちを持てるのも幸せ。
 お互い、同じ大地のほんの隅っこで生きている。
 もうすぐお月見。名残の夏のこの1本、お月様に。
  鹿屋市 戸高昭子(65) 2009/10/21 毎日新聞鹿児島版掲載