はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

10年ぶりの開花

2015-05-06 19:20:06 | アカショウビンのつぶやき


 ランの鉢植えを頂いても、1年きりで次の季節に花を咲かせたことがない私。
どなたに頂いたかも忘れてしまったランが10年ぶりに花を咲かせた。

そのランは一回きりの花を見たあと、数年鉢植えのまま育てたが、根詰まり状態になったので、友人の薦めで、フェィジョアの幹に水苔を巻き付けて植え付けてみた。
「来年はきっと花が咲くよ」と言われたが、やっぱり咲かず…。
 
次第に水苔も少なくなり、最近はやっとフェイジョアの幹にすがりついてる状態に。
みっともないので、捨てようかなあ…と思いながら、よくよく見ると、なんと花芽らしきものがある。
どんな花だったか、名前も忘れていたが、昨日開花した。
それはピンクのデンドロビウムだった。

あまり手入れもしてもらえず、忘れられたデンドロビウム。
たった一輪の、それもいびつな形の花をいとおしく眺めている。

by アカショウビン



郵便ポスト

2015-05-06 09:27:31 | はがき随筆

 酒屋の前の郵便ポストがなくなっていた。
 「ローソン」にあると聞き、ぼちぼち歩くことにした。店に入りきょろきょろしていると「ここよ」とコンパクトなポストが迎えてくれた。薄型で高さ1㍍足らず。投かん口には黒いふたがあり、手で開閉するものだ。
 一瞬「これ?」と思い、しばらく眺めていた。
 通信手段も多用になった今、ポストの役目もこれで十分なのかもしれない。
 でもやっぱり店の前にでんと立っていた郵便ポストの方が存在感があったように思う。
  鹿児島市 竹之内美知子 2015/5/6 毎日新聞鹿児島版掲載