はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

新任地へ

2015-05-09 09:11:57 | はがき随筆


 裏山の山桜はすでに葉桜。その右隣のソメイヨシノが例年より早く咲ききった。
 同居していた子が、新しい任地へ発つ四月一日、風もないのにしきりにはららいでいる。子の肩に、はらはらと降りやまないのは、初の離島への赴任を祝ってくれているようでもあり、別れを惜しんでいるようにも母には思えた。
 花びらを背に載せたままの、子の運転で鹿児島南埠頭へ。「フェリー屋久島2」に乗船。七色のテープを弾きながら「蛍の光」の流れる中を出港した。いつまでも手を振りながら……。
  鹿屋市 門倉キヨ子 2015/5/9 毎日新聞鹿児島版掲載

お花がいっぱい

2015-05-09 02:39:23 | アカショウビンのつぶやき

 先日、昌子さん。津代美さんのお二人から、ランチのお誘いがあり、楽しい時間を過ごした。

地域FMのボランティアパーソナリティとして、番組を作り続けて8年あまり…。
去年の12月、私の体調不良のために、惜しまれながら番組を終了したが、その間、多くの方々との出会いがあり、素晴らしい体験をさせて頂いた。

昌子さん、津代美さんも、番組に出てくださったメンバー。
「ちょっと遅くなったけど、番組終了、お疲れ様の気持ちです」
とのお二人のお誘いに、
「感謝するのは、私のほうなのに…」と言いつつ、素敵なレストランでの食事会となった次第。
お二人は、図書館エッセイ教室で学んでおられ、放送したエッセイも印象に残る名文だった。

素晴らしいひとときを有り難うございました。
カーネーションのアレンジもありがとう。



更に、夕方は美代子さんから、クレマチスの鉢が届いた。

私の大好きな薄紫の大輪のクレマチス。
こちらは「遅ればせながら、誕生日のお祝いよ」と。

花いっぱいの幸せ。うれしいなあ。
  
  by アカショウビン


まわり舞台

2015-05-09 02:00:32 | 岩国エッセイサロンより
2015年5月 8日 (金)

岩国市  会 員   吉岡 賢一

 放課後の校庭で遊んでいた私とO君は、先生に呼ばれて300人の保護者が見守る講堂の舞台に立たされた。言われるままアカペラで歌ったのが「おぼろ月夜」。直後に自分の歌声が講堂に流れる不思議を感じた。
 あれが、時代の先端を走る「録音機」導入のデモンストレーションであった。思いがけない小学4年の初舞台。人前で歌う快感と「おぼろ月夜」の歌詞は子供心に焼き付いた。あれから64年。歳月はあの紅顔も美声も純真さも遠くへ押しやろうとする。負けてはならぬ、時は春。小節を回さぬよう心して「おぼろ月夜」を今一度。
 (2015.05.08 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載