日の出が6時半となり、春の夜明けは考えていた以上に早くなってきた。いつものように5時半に家を出て海岸に向かう。東の空がかすかに明るくなり、山の稜線が黒い影を見せてくる。水平線の漁(いさ)り火がそのうち色あせ、春のあけぼのである。次第にあたりが明るくなり、渚に寄せる波の音がやさしい。
長い冬が終わってようやく春になりうれしいが、人生の残りがもう少ない。それでも、いのちの行方を見つめながら、必死に生きてみたい。せっかく美しい春を迎えたのだから……。そして春を彩る花を愛してゆきたいものである。
志布志市 小村豊一郎(82) 2008/3/24 毎日新聞鹿児島版掲載
長い冬が終わってようやく春になりうれしいが、人生の残りがもう少ない。それでも、いのちの行方を見つめながら、必死に生きてみたい。せっかく美しい春を迎えたのだから……。そして春を彩る花を愛してゆきたいものである。
志布志市 小村豊一郎(82) 2008/3/24 毎日新聞鹿児島版掲載