時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

千里眼 優しい悪魔

2008-10-12 | 読書


寝ずに読んでしまいました


スマトラ島地震のショックで
記憶を失ったインドネシア人女性
その莫大な財産を独占しようとする弟が
片っ端からあたった
記憶快復療法の可能性は2つに絞られた

不可能を可能にする
メフィスト・コンサルティング・グループのダビデなる男
そして
千里眼の異名をとる岬美由紀
今ここに因縁の2人の運命が交差する

歴史を意のままに操るダビデの隠された日常と生い立ちが
初めて明かされる
書き下ろし新シリーズ第9弾


前編は
別々のクライアントから依頼を受けた岬美由紀とダビデが
同一症状の心的外傷に対する対処が交互に描かれ
一軒
なんの繋がりもなさそうに思えた出来事が
磁石のように互いを引き寄せあいます

氷山の一角が
徐々にその全貌を明らかにしていきます

いつも通りの展開ですが
毎度のことながら
ハマってしまいました

相変わらず忙しい岬さんですが
臨床心理士として
職務を全うしています
しかも
意外や意外
規律に従って(笑)

ですが
ノン=クオリアと
マインドシーク・コーポレーションの
ジェニファー・レインが絡んできて

とどめは
メフィスト・コンサルティングそのものと言っても過言ではない
クローネンバーグ・エンタープライズの特別顧問・ダビデの登場

四者絡み合って
下巻へ続く




メフィスト内企業
マインドシーク・コーポレーションのジェニファー・レインは
本社から最後通告を突きつけられていた

美由紀を亡き者にしない限り自身の命はない
ジェニファー最後の48時間カウントダウンが始まった!

一方
活発化するノン=クオリアの動きにより
ついにメフィストにも史上最大の危機が忍び寄る

絶体絶命のダビデのとった方策は?
そして美由紀の決意とは?
新シリーズの到達点にして最高傑作


読みの浅い小生は
ダビデと生死をかけた結末になるのかと
安易に考えておりました

全然違っておりました

あろう事か
ダビデと岬がダッグを結んでしまいました

メフィスト・コンサルティングと手を組んだのではなく
あくまでダビデとです!

全編を通して
岬以上に
ダビデの活躍が目覚しい

「われわれと理念を同じくしない者とは手は結べん」
「理念は同じよ あなた個人とはね わたし人道主義と博愛主義をこよなく愛してる
 あなたもそうだと わたしは信じてる」
「呆れた妄想だな きみが私の何を知っている」
「誤魔化しても無駄よ わたし セルフマインド・プロテクションにも慣れてきたの…」

ん~
岬さんあなたは正しい
ダビデは
‘優しい悪魔’でした

「美由紀の正体」
「シンガポール・フライヤー」
「千里眼の復讐」
そしてこのシリーズと経て
岬は自我を取り戻り
原点回帰を遂げました

そして
ダビデによって
与えられていた安息の日々と決別し
メフィストを超越した存在として
岬美由紀さんは
新たな一歩を踏み出しました

解説によりますれば
ダビデの実質的に最後の登場作であり
メフィスト・コンサルティング篇に一区切り…とか?

妄想癖を駆使して
来年の新作を待つとしよう

って
要領を得ない文章になってしまいましたね

本の好みは千差万別なので
小生が
あ~だこ~だ
書かなくても
千里眼シリーズファンの皆様は
既に
読み終えてますわな(笑)

ご馳走様でした


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