呉服太物商でありながら
呉服仲間を追われ
呉服商いを断念することになった
五鈴屋江戸本店
だが
主人公幸や奉公人たちは
新たな盛運の芽生えを信じ
職人たちと知恵を寄せ合って
これまでにない
浴衣地の開発に挑む
男女の違いを越え
身分を越えて
江戸の街に木綿の橋を架けたい
そんな切なる願いを胸に
試行錯誤を続け
懸命に精進を重ねていく
両国の川開きの日に狙いを定め
勝負に打って出るのだが
果たして
最大の危機は
最高の好機になり得るのか
五鈴屋の快進撃に胸躍る
シリーズ第十弾!!
兎に角
最初に言いたい!
いえ
書いておきたい!
シリーズ10巻目にして
初めて
ハッピーなシーンで終わり
私は嬉しい
先ずは
商いの才覚は元より
先見の明がある
最強の女子(おなご)
菊栄が
江戸やって参りました!
のっけから
本領発揮の菊栄
型彫師・梅松と
型付師・力蔵が開発に成功した
藍染めの木綿生地の試作を見た
菊栄は
幸が
五鈴屋と地続きの隣家で
提灯屋を営む三嶋屋主から
家屋敷を買って欲しいと
話しを
持ちかけられていたことを知るや
私が三嶋屋を買い上げます
え"ぇ"
ですわ
当然の事ながら
前々から考えていたことです
大坂と違うて
江戸には女名前禁止の掟がない
私の名で家持になれます
江戸へ出たらます
家屋敷を用意しようと決めてました
と菊栄が言えば
商われるのはさほど場所を取らない簪
あれほど大きな店が要るとも思えませんが…
と幸
すると
勝算がおますのや
幸の言う通りあの店は
今は大き過ぎるように思わるかも知れんけど
いずれ器に合わせてみせます
と返した菊栄
しかも
お代はすぐにお支払いしますが
引き渡しの方は
何ぼでも待たせていただきまひょ
こちらは急ぎませんよって
来夏でも宜しおす
(『第五章 菊栄の買い物』131頁以降より一部抜粋)
明け渡しは『来夏』?
かと思えば
試作品の鈴と鈴緒を超える
図柄が出来ず長いこと
スランプに陥った賢輔に
自身も
簪の図案で苦労したことのあると
気晴らしに外に連れ出し
気分転換と的確なアドバイスを…
これを機に
賢輔復活!?
幸が五鈴屋の指揮官なら
菊栄はまさに五鈴屋の参謀
最強コンピの誕生です
そして
もう一人
忘れちゃ~いけない
型付師の梅松が
その才能を認めた
型彫師の誠二です
白子を飛び出しようやく
江戸へ来てくれました
型彫の中でも
錐彫りを得意とする梅松
型付師の力蔵に
道具彫りを得意とする誠二が加わり
賢輔は
紙問屋・千代友屋の協力を得て
入手困難な大きな地紙に
鈴と鈴緒 団扇 柳に燕
大胆で斬新な図案を
いくつも描きあげていきました
五鈴屋は
『買うての幸い、売っての幸せ』
五鈴屋が代々
守り抜いてきた商いの基を
江戸の地に根付かせ
花開かせんがため
藍染めの木綿生地の
作成と量産に励み
帯結びの教室に続きと
一徳一心
知恵を出し合い
切磋琢磨の日々を過ごしました
そして
坂本町の呉服仲間から
ハブられ
呉服を店内で売ることが
出来なくなってから
二年の歳月が流れた
皐月二十八日 両国川開き
五鈴屋が
多くの人たちの力を得て
用意した浴衣は五百着
両国川開きの涼船二十艘に乗り込んだ
湯屋仲間総勢五百人が
揃いも揃った
藍地に白抜きの花火文様の浴衣を纏うさまは壮観!
川開きに来ていた
江戸っ子の心を鷲掴みにします
翌日から
話題は『湯屋船の浴衣』
何処に行けば手に入る!?と
地団駄踏んだ江戸庶民
その夕刻
男たちは仕事上がりに
女たちは夕餉の片付けのあと
向かった湯屋で☆#%&!?
江戸中の湯屋の店番が
纏っているではないか!!!!!
好きなだけみてくんな
何処で売ってるって?
浅草田原町にある『五鈴屋』てぇ店せさね
引き札を撒くより
読売に頼るより
遥に早く確実に
浴衣と『五鈴屋』の名が
広まっていったのです!
大逆転です!
当然
多くのお客様が
五鈴屋来店
在庫はあるのか?
間口の狭い店で対応できるの!?
とお思いのあなた!
思い出してください!
菊栄が
以前買った地続きの家屋敷
三嶋屋のことを!!!
流石
五鈴屋の参謀
江戸にきて
幸や五鈴屋で働く奉公人の
才覚・技量・人となりを
江戸の街の仕組みや気質を
何より
力蔵が染めた施策の藍地をみて
浴衣地が江戸中の巻き込んで売れると見込み
他の者の手中に渡れば
同じ条件で
五鈴屋が買い上げるのが
難しくなると見越して
最も相応しい場所(三嶋屋)として
購入していたのです! … 事の顛末(詳細)が気になる方は
『第九章 機は熟せり』227頁以降一読下さい
それだけではありません!
お店を拡張した五鈴屋の一角で
五鈴屋の太物生地を用いた団扇を作ったりして
小間物を商をはじめます
本業の商い(簪売り)については
私の考える簪は
細工が細かいさかい数が揃うまで時がかかる
幅広いひとに受けるものでも
飛ぶように売れるたちの物とも違う
簪の商売は再来年の冬になりますやろ
(『第九章 機は熟せり』231頁より一部抜粋)
だそうで…
大坂出身の女商人の胸の内には
幸に負けず劣らず壮大な計画が
あるようです … 気になる方は
『第十一章 昇竜』267頁4行目以降一読下さい
『合流編』では
本両替商・蔵前屋の店先で
五鈴屋四代目店主の前妻・菊栄と
両替商井筒屋三代目店主・保晴こと
五鈴屋五代目徳兵衛こと総次が鉢合わせしています
かつて
兄嫁と義弟だった二人が
赤の他人の振りして
平然と初対面の挨拶する下り
笑える
でも
その場にいた
幸の心中を思うと…
犬猿の仲だった二人が
今や
五鈴屋のいや幸の
強力な後ろ盾的
存在になっているから
不思議です
今回
表だって
登場することのなかった
本両替商・音羽屋忠兵衛と
その妻
日本橋音羽屋女店主・結ですが
何の創意工夫もしている様子はないと言う
菊栄の見立てによると
十二支の文字散らしは
確かによう出来た柄だすが
売り出しから三年
もう新味はおまへん
『流行り廃り』は世の常だすよってになぁ
ようよう精進せな
商いは頭打ちになりますやろ
否
もう既にそうだすな
(『第七章 羽と翼と』169頁より一部抜粋)
だそうです
木綿のことなら
五鈴屋の皆よりも馴染みがあります
少しはお役に立てるんやないかて思う
姉さんを手伝わせてください
以前
幸にそう言っていた結でしたが…
今の結は
おそらくもう太物に気持ちを寄せることもないだろう
音羽屋忠兵衛と共に歩む人生を選んで以降
結が抱くのは
ただただ
五鈴屋を我がものにすると言う
執着のみではないか
(『第一章 秘すれば花』21頁より一部抜粋)
五鈴屋の大逆転により
心理的ダメージ
相当受けたハズです
当然
11巻では
音羽屋忠兵衛と結が
何か仕掛けてくると思われます
が
自身のお店が傾いている事にも気づかず
商売の何たるかを忘れている結と
金に物を言わせて
人の気持ちを顧みない忠兵衛に
起死回生はないと見た!
本両替商・音羽屋
呉服屋・音羽屋の衰退・末路
見ものです
間違っても
手助けしないでよね幸!
最後になりましたが
型彫師の梅松さんと
大坂から菊栄と共に
江戸に来て
五鈴屋の奥向きを引き受けていた
お梅がやっと
夫婦になれそうです
呉服仲間を追われ
呉服商いを断念することになった
五鈴屋江戸本店
だが
主人公幸や奉公人たちは
新たな盛運の芽生えを信じ
職人たちと知恵を寄せ合って
これまでにない
浴衣地の開発に挑む
男女の違いを越え
身分を越えて
江戸の街に木綿の橋を架けたい
そんな切なる願いを胸に
試行錯誤を続け
懸命に精進を重ねていく
両国の川開きの日に狙いを定め
勝負に打って出るのだが
果たして
最大の危機は
最高の好機になり得るのか
五鈴屋の快進撃に胸躍る
シリーズ第十弾!!
兎に角
最初に言いたい!
いえ
書いておきたい!
シリーズ10巻目にして
初めて
ハッピーなシーンで終わり
私は嬉しい
先ずは
商いの才覚は元より
先見の明がある
最強の女子(おなご)
菊栄が
江戸やって参りました!
のっけから
本領発揮の菊栄
型彫師・梅松と
型付師・力蔵が開発に成功した
藍染めの木綿生地の試作を見た
菊栄は
幸が
五鈴屋と地続きの隣家で
提灯屋を営む三嶋屋主から
家屋敷を買って欲しいと
話しを
持ちかけられていたことを知るや
私が三嶋屋を買い上げます
え"ぇ"
ですわ
当然の事ながら
前々から考えていたことです
大坂と違うて
江戸には女名前禁止の掟がない
私の名で家持になれます
江戸へ出たらます
家屋敷を用意しようと決めてました
と菊栄が言えば
商われるのはさほど場所を取らない簪
あれほど大きな店が要るとも思えませんが…
と幸
すると
勝算がおますのや
幸の言う通りあの店は
今は大き過ぎるように思わるかも知れんけど
いずれ器に合わせてみせます
と返した菊栄
しかも
お代はすぐにお支払いしますが
引き渡しの方は
何ぼでも待たせていただきまひょ
こちらは急ぎませんよって
来夏でも宜しおす
(『第五章 菊栄の買い物』131頁以降より一部抜粋)
明け渡しは『来夏』?
かと思えば
試作品の鈴と鈴緒を超える
図柄が出来ず長いこと
スランプに陥った賢輔に
自身も
簪の図案で苦労したことのあると
気晴らしに外に連れ出し
気分転換と的確なアドバイスを…
これを機に
賢輔復活!?
幸が五鈴屋の指揮官なら
菊栄はまさに五鈴屋の参謀
最強コンピの誕生です
そして
もう一人
忘れちゃ~いけない
型付師の梅松が
その才能を認めた
型彫師の誠二です
白子を飛び出しようやく
江戸へ来てくれました
型彫の中でも
錐彫りを得意とする梅松
型付師の力蔵に
道具彫りを得意とする誠二が加わり
賢輔は
紙問屋・千代友屋の協力を得て
入手困難な大きな地紙に
鈴と鈴緒 団扇 柳に燕
大胆で斬新な図案を
いくつも描きあげていきました
五鈴屋は
『買うての幸い、売っての幸せ』
五鈴屋が代々
守り抜いてきた商いの基を
江戸の地に根付かせ
花開かせんがため
藍染めの木綿生地の
作成と量産に励み
帯結びの教室に続きと
一徳一心
知恵を出し合い
切磋琢磨の日々を過ごしました
そして
坂本町の呉服仲間から
ハブられ
呉服を店内で売ることが
出来なくなってから
二年の歳月が流れた
皐月二十八日 両国川開き
五鈴屋が
多くの人たちの力を得て
用意した浴衣は五百着
両国川開きの涼船二十艘に乗り込んだ
湯屋仲間総勢五百人が
揃いも揃った
藍地に白抜きの花火文様の浴衣を纏うさまは壮観!
川開きに来ていた
江戸っ子の心を鷲掴みにします
翌日から
話題は『湯屋船の浴衣』
何処に行けば手に入る!?と
地団駄踏んだ江戸庶民
その夕刻
男たちは仕事上がりに
女たちは夕餉の片付けのあと
向かった湯屋で☆#%&!?
江戸中の湯屋の店番が
纏っているではないか!!!!!
好きなだけみてくんな
何処で売ってるって?
浅草田原町にある『五鈴屋』てぇ店せさね
引き札を撒くより
読売に頼るより
遥に早く確実に
浴衣と『五鈴屋』の名が
広まっていったのです!
大逆転です!
当然
多くのお客様が
五鈴屋来店
在庫はあるのか?
間口の狭い店で対応できるの!?
とお思いのあなた!
思い出してください!
菊栄が
以前買った地続きの家屋敷
三嶋屋のことを!!!
流石
五鈴屋の参謀
江戸にきて
幸や五鈴屋で働く奉公人の
才覚・技量・人となりを
江戸の街の仕組みや気質を
何より
力蔵が染めた施策の藍地をみて
浴衣地が江戸中の巻き込んで売れると見込み
他の者の手中に渡れば
同じ条件で
五鈴屋が買い上げるのが
難しくなると見越して
最も相応しい場所(三嶋屋)として
購入していたのです! … 事の顛末(詳細)が気になる方は
『第九章 機は熟せり』227頁以降一読下さい
それだけではありません!
お店を拡張した五鈴屋の一角で
五鈴屋の太物生地を用いた団扇を作ったりして
小間物を商をはじめます
本業の商い(簪売り)については
私の考える簪は
細工が細かいさかい数が揃うまで時がかかる
幅広いひとに受けるものでも
飛ぶように売れるたちの物とも違う
簪の商売は再来年の冬になりますやろ
(『第九章 機は熟せり』231頁より一部抜粋)
だそうで…
大坂出身の女商人の胸の内には
幸に負けず劣らず壮大な計画が
あるようです … 気になる方は
『第十一章 昇竜』267頁4行目以降一読下さい
『合流編』では
本両替商・蔵前屋の店先で
五鈴屋四代目店主の前妻・菊栄と
両替商井筒屋三代目店主・保晴こと
五鈴屋五代目徳兵衛こと総次が鉢合わせしています
かつて
兄嫁と義弟だった二人が
赤の他人の振りして
平然と初対面の挨拶する下り
笑える
でも
その場にいた
幸の心中を思うと…
犬猿の仲だった二人が
今や
五鈴屋のいや幸の
強力な後ろ盾的
存在になっているから
不思議です
今回
表だって
登場することのなかった
本両替商・音羽屋忠兵衛と
その妻
日本橋音羽屋女店主・結ですが
何の創意工夫もしている様子はないと言う
菊栄の見立てによると
十二支の文字散らしは
確かによう出来た柄だすが
売り出しから三年
もう新味はおまへん
『流行り廃り』は世の常だすよってになぁ
ようよう精進せな
商いは頭打ちになりますやろ
否
もう既にそうだすな
(『第七章 羽と翼と』169頁より一部抜粋)
だそうです
木綿のことなら
五鈴屋の皆よりも馴染みがあります
少しはお役に立てるんやないかて思う
姉さんを手伝わせてください
以前
幸にそう言っていた結でしたが…
今の結は
おそらくもう太物に気持ちを寄せることもないだろう
音羽屋忠兵衛と共に歩む人生を選んで以降
結が抱くのは
ただただ
五鈴屋を我がものにすると言う
執着のみではないか
(『第一章 秘すれば花』21頁より一部抜粋)
五鈴屋の大逆転により
心理的ダメージ
相当受けたハズです
当然
11巻では
音羽屋忠兵衛と結が
何か仕掛けてくると思われます
が
自身のお店が傾いている事にも気づかず
商売の何たるかを忘れている結と
金に物を言わせて
人の気持ちを顧みない忠兵衛に
起死回生はないと見た!
本両替商・音羽屋
呉服屋・音羽屋の衰退・末路
見ものです
間違っても
手助けしないでよね幸!
最後になりましたが
型彫師の梅松さんと
大坂から菊栄と共に
江戸に来て
五鈴屋の奥向きを引き受けていた
お梅がやっと
夫婦になれそうです