
人生が
天の命(めい)によって
支配されているという思想を基本にすると
‘運命’とは
人間の意志にかかわりなく
身上にめぐってくる吉凶禍福
人間の力を超えた作用
‘宿命’とは
前世から定まっているものであり
かえることはできない
・・・というものらしい
自ら進むべき道を
切り開き歩んでいくことにより
己の未来は
如何様にもかえることができる
そうは思ってみたものの
右往左往しながら思い悩み
自問自答しては我が身を振り返り
切磋琢磨して
日々精進して
やがて終末を迎える
そういう一生をおくること自体が
すでに‘運命’であり‘宿命’なのだろう
今 辛いのも
今 幸福なのも
すべては
最期の時を迎える瞬間に
最終的に完成されるであろう
‘自己’(自分という人間)を
形づくるための過程に過ぎない
と私なりに受け止めている
そしてもうひとつ
‘性分’
これもまた
かえることができないものだ
たとえば
学生時代ついでに職場にも
常に早めに登校出勤してしまう
羽目を外せない
よい子を演じてしまう
つい他人の目で行動してしまう
要領が悪い
人の輪に溶け込むのが苦手
環境に順応するのに時間がかかる
すぐ自己嫌悪に陥る
etc.
これは本当に
昔から
かわらない・・・

で
その‘性分’ってシロモノが
とても 異常に 信じられないほど
厄介なのである
近頃
特にそう実感

人生から何かを省くことができるなら
私は迷わず‘性分’を選ぶだろう
by加見由