韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

韓国4大河川整備事業は、いま…

2010-07-05 02:49:36 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 先週の土曜日、ソウル市役所前の広場で4大河川事業反対の大きな集会が行われました。

MBCニュース

 日本でこのニュースが見られるかどうか、ちょっと分りません。日本でも見ることができたら、書き込みお願いします。

 翻訳すると次の通りです。

「民主党など野党5党と市民団体で作られた4大河川事業中断連席会議(日本での共闘会議)は昨日(3日)の夕方、ソウル市庁広場で汎国民集会を開き、国民の意思を受け入れ即時に工事を中止しろと要求しました。
 この集会は、集会法の改正案(夜間集会の禁止などを含む)が不成立となってから初めての夜間の大規模な集会で、参加者は四大河川事業は多くの絶滅危機種と貴重な文化遺産を破壊していると主張しました。
 連席会議は、来る10日に大規模なキャンドル集会を行い、つづいて17日に第2次汎国民集会を行うことにしています。」

 と以上のような内容です。

 そろそろ、4大河川事業中止を求める具体的な行動が、あちらこちらで始まっています。韓国の市民団体「川再生ネットワーク」と日本の「全国水環境交流会」や「NPO多摩川センター」などが7月2日から5日までの予定で、ナクトンガン、クムガン、ハンガンなどの現場を訪れているそうです。

 オーマイ・ニュース(韓国語版)

 僕が活動しているラムサールネットワーク日本も韓国の湿地NGOネットワークと共同でナクトンガンを中心に、7月9日から11日まで現地調査を行います。

 テレビなどでも、4大河川の問題点などを指摘するニュースが、以前よりは多くなった気がします。とくに、梅雨に入って、河川敷に野積みにされている浚渫土をどのように処分するのか、もし大雨が降って、その浚渫土が流れ出したら川が汚れるのではないかという指摘があります。

 また、4大河川事業のモデルになっているチョンゲ川の生態系の復元についても、問題点が指摘されています。青瓦台の裏にある北岳山を源にするチョンゲ川はハンガンと合流して海に注いでします。そんなチョンゲ川に南のほうの川にすむ魚を意図的に放流して、川に棲む魚の種類が増えたとPRをしたそうです。川の魚は水系ごとに違うのに、これを無視して他の水系の魚を放流することは、生態系の破壊につながる行為です。もし、ソウル市のこんなやり方が4大河川事業でも踏襲されたら、韓国の生態系はめちゃくちゃになります。4つの川に同じようなダム(堰)を作るだけでなく、どこの川の魚も同じになってしまうかもしれません。
 4大河川事業のもともとの原案の大運河構想は4つの川をつなげてしまおうというものですから、水系による生態系の違いなど、まったく配慮していないのは明らかです。どうも4大河川事業が謳っている河川の生態復元とは、それぞれの特徴や違いを考慮しない画一的なものでしかないようです。ちょっと、この点については今度の日韓視察団で調べてみます。