韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

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パルダン有機農地が危機に直面しています!

2010-08-11 03:28:40 | 環境問題&有機農業
 皆さんもご存知かと思いますが、いま韓国では4大河川事業という大規模な公共事業が全土で行われています。そのひとつにハンガンのパルダン地区での整備事業がありますが、ここでは河川敷に該当する国有地を借りて30年以上にわたって有機農業を行ってきた地域です。そのため、来年には世界有機農大会を開催する予定にもなっている場所です。

ところが、4大河川事業の一部に河川敷の整備が盛り込まれていて、このパルダン地区での農作業を認めず、かわりにサイクリング・ロードと生態公園を作るという計画が農民たちの反対を押し切って、強行されています。

この地域はソウルからも1時間半ぐらいで来られるところで、主権で一番近い大規模な有機農業地区で、年間15万人以上の人たちが体験農業にやってくるところです。もちろん、野菜や果物などを中心に出荷もしています。

今回、ここの強制収用のために保証金が裁判所に供託をしたというニュースが飛び込んできましたので、紹介しましょう。



<以下、新聞記事の翻訳>

強制撤去だけ残ったパルダン(八堂)有機農地

[ハンギョレ新聞] 2010年 08月 06日(金)

ソウル国土庁、補償金供託強行…来月執行


農民たち 「1年以上争ったが…放棄できない」
韓国有機農業の発祥の地の京畿道パルダンの有機農地が事実上の「死刑宣告」を受けた。政府が4大河川事業に組み込まれたパルダン有機農地域に対する強制撤去のための最後の手続きである供託を強行したためだ。

6日、ソウル地方国土管理庁(ソウル国土庁)とパルダン農民たちの言葉を総合すると、ソウル国土庁は先月29日、4大河川事業のハンガン(漢江)第9工区の南楊州市チョアンミョン(鳥安面)ソンチョン地区とジンチュン地区に対する農地収容補償金を議政府地方裁判所に供託した。ソウル国土庁は、1ヶ月ほど農民たちが供託金を受け取る期間を設けた後、来月ごろに強制撤去を意味する「行政代執行」を行う方針だと明らかにした。

最期まで対話を通して解決を期待したパルダンの農民たちは「死刑宣告を受けた心情」と言い、がっかりしている。パルダン地域の農民たちは去年の6月、「農地保存及び親環境農業死守のためのパルダン共同対策委員会」(パルダン共同対策委員会)を作り、19日間の断食座り込み、青瓦台まで三歩一拝(サンボイルベ)、汝矣島まで徒歩巡礼など農地を守ろうとすべての合法的な方法を動員して争って来た。

ユ・ヨンフン、パルダン共同対策委員会委員長は、「去る 1年余り、農民と市民団体、環境団体、聖職者たちが参加して、差し迫った思いで有機農地保存と上水源保護を訴えて来た」と述べ、「4大河川事業に対してパルダン地域の文化と生態、有機農がひとつに調和した発展的代案も提示したが、政府は見向きもしなかった」と激しい怒りを吐露した。ソンチョン
里の草原の祈祷所で170日間のパルダン有機農地保存のためのリレー断食祈祷をしているキム・ソング、ヨンジン教会のキム・ソング牧師は「今、少しの間追いやられるとしても、パルダンの命の価値を最後まであきらめることができない」と言った。

これに対してソウル国土庁のウィ・ソンブン9工区チーム長は「農民たちと何回も対話を試みたが、進捗がなくて法手続きによって補償金を裁判所に供託し、撤去しない農作物と施設物に対しては来月頃に行政代執行をする計画」と述べた。

今回の件より以前に、国土海洋部は去る4月、南揚州のジンチュン・ソンチョン地区の農地 18万8000㎡を対象にして中央土地収容委員会(中土委)に強制収容の裁決を申請した。中土委の収容裁決決定に農民たちは二度の異議申立をしたが受け入れられないため、行政訴訟を起こす方針を検討中だ。

現在、南楊州のジンチュン・ソンチョン地区には 16世帯が補償に応じていない状態で、ヤンピョン(楊平)郡のトゥムルモリ地区まで含めばパルダンの有機農家 46世帯の中 27世帯が補償に応じていない。

http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?articleid=2010080620142439923&linkid=4&newssetid=1352