久しぶりに韓国で公開された日本映画を見ました。かなり期待して見たのですが、結論から言うと、物足りないというか、フラストレーションがたまる映画でした。
まず、結末がモヤモヤです(以下、ネタバレありですので、ご注意を)。
あれじゃあ、一生日陰者の暮らしじゃないですか。実の親に「痴漢は死ね」という習字を送ったって、仕事仲間の奥さんにカレの浮気をばらしたって、晴子から「たいへんよくできました」のはんこを貰ったって、青柳として生きることができないなら、意味ないんじゃないのかな。だって、車の免許もだめになるわけだし、住民票もないわけだから、どうやって生きるの? アパートも借りられないよ、と突っ込みたくなります。
いくら巨大だとしても、自分を陥れた権力に対して、やりかえさなきゃ。やられたら、やりかえせ、でないのでフラストレーションがたまったわけです。信頼とか人との繋がりとかいうけど、普通の学生さんたちの適当なお遊びサークルで培った信頼とか繋がりなんて、そんなに重要なのかしら? 本当の信頼とか繋がりというものは、そんなに簡単に出来るもんじゃないよ、と言いたいですね。
ストーリーも不満があるけど、映画自体のテンポもけっこうゆったりとしています。あんまり、必死に逃げているという感じがしません。最近の韓国映画と比べると、のんびりしているぐらいに感じました。銃を撃つシーンやカーチェイスにしても、韓国映画のほうが上だな。ナ・ホンジン監督の「チェイサー」やチャン・フン監督の「義兄弟」なんかを見て下さい。
チェイサーHP
義兄弟HP
というわけで、久々の映画の話題でした。それにしても、平日とはいえ、映画館はガラガラでした。「ゴールデンスランバー」も韓国ではズッコケそうです。なかなか日本映画が韓国でヒットしませんが、一度ちゃんと分析する必要がありそうです。