韓国映画<マイウェイ>
さて、2012年になりましたが、これからもよろしく。今年最初の記事は大晦日に見た<マイウェイ>という韓国映画の紹介からしましょう。
監督は<シュリ><ブラザーフッド>のカン・ジェギュ。やはりスケールの大きさは並大抵のものではありませんね。もちろん、CG処理をしているところがわかるので、以前のような感動はありません。
<シュリ>では建設中の道路&トンネルを使って銃撃戦のシーンを撮影しましたが、劇場で最初に見たときは、ものすごいショックでした。韓国映画って、こんなにスケールが大きくてリアルなのかと、驚いたわけです。これが1999年(もしかすると、2000年にぐらいに見たのかもしれません)。今ならCG処理になるテクノマートと言うビルの爆発シーンも、ミニチュアによる撮影だったとか。<シュリ>は2000年1月に日本でも公開され18億円の収益を上げると言う大ヒットになり、配給元のシネカノンも有名になりましたね。
そして2004年、つまりわずか5年後に公開された<ブラザーフッド>、これは朝鮮戦争を部隊にした映画ですが、この映画の戦闘シーン、とくに戦闘機が地上に向かって攻撃するシーンを見て、韓国のCGのレベルの高さにショックを受けました。戦闘シーンのリアルさと言うか、残酷さというか、まあテレビでは見ることのできないようなシーンがたくさん出てきましたね。また、避難するシーンでは手弁当(ボランティア)のエキストラが3000人も集まって、スケールのあるシーンになっています。チャン・ドンゴンやウォン・ビンの戦争前の二人の生活の様子もきちんと描かれていて、それなりに物語がきちんとありました。
さて、今回公開された<マイウエィ>ですが、う~ん、この監督、というより戦闘シーン専門監督は、自分の得意は分野のテクニックをより発展させてくれました。ノモンハンやノルマンジー上陸作戦をスクリーンの上に再現したのですから、すごいスケールです。シベリアの収容所もリアルだし、なによりも朝鮮総督府の建物を再現させて見せてくれた植民地時代のソウルの街並みもすごいです。
というわけで、この<マイウエィ>、特撮技術、とりわけ戦闘シーンの映像はすごいですので、お楽しみに。チャン・ドンゴンやオダギリジョーもCGによる合成ではないかと思うぐらいカッコよく、そのうえキャラクターがまったくわからない人物になっています。なぜ、そうなのと疑問だらけで、伏線となるシーンやせりふ、エピソードも少なく、むしろ脇役のほうが魅力ある人物に、ちゃんと血の流れているキャラクターに描かれています。お父さん役の佐野史郎なんて、数シーンしか出ていませんが、職業軍人の父親とおなじような軍人になるのがいやで医者になった実直でちょっと押しの足りない人物、というのがストレートに伝わってきます。
まあ、書きたいことはこのぐらいですね。一緒に見た連れ合いは、テンポが速く、どんどん物語が進行するので、飽きなかったといっていますが、まあ、そんな評価もできますね。それにしても、カン・ジェギュ、どこかで何かを間違えて、映画つくり、物語つくりで大切なものを忘れてしまっていると言う気がしてなりません。(でも、ヒットするといいなと思っていますが)