韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

ラムサールCOP11と韓国の4大河川事業

2012-07-07 01:23:06 | 環境問題&有機農業

 7月6日から13日まで、ルーマニアのブカレストで湿地保護の国際条約であるラムサール条約の第11回締約国会議、COP11が行われます。この会議については、ラムネットJのホームページをご覧ください。

 今回の会議には韓国のNGOも参加して、韓国の4大河川事業の環境破壊の様子を参加者にアピールしています。参加しているメンバーはKWNN(韓国湿地NGOネットワーク)の、エココリア、生態地平研究所、韓国水田湿地ネットワーク、iCOOP生協水田湿地委員会、環境と命を守る全国教師の会、ボンハ村田んぼの世界、湿地と鳥たちの仲間の9名で、フェイスブックなどで盛んに情報発信をしています。韓国語ですが、写真もありますので、ぜひご覧ください。

 ナクトンガンを守る人たちのブログ

 キム・ギョンチョルさんのフェイスブック

 イ・インシクさんのフェイスブック

 イ・スンファさんのフェイスブック  

 ブカレストの様子は上のブログを見ていただくとして、4大河川事業の最近の様子について、紹介しましょう。

南ハンガンに作られたイポ堰。堰の上は歩道&自転車道路になっています。この堰には以前、環境運動連合のメンバーが抗議の立てこもりをしたこともあります。4大河川事業の中で一番お金をつぎ込んだといわれています。

堰のうえにある稼動堰用の可動装置。基本的に堰の半分は固定堰、半分は可動堰になっていて、このデザインで観光客を予防というのですから、まあ、どうなることやら。

堰の下の下流部分に、水泳ができるように浅い部分を作りましたが、果たして泳げるぐらいに水質が良くなるのでしょうか?

堰の横には貸し自転車屋が登場しています。

この道の低くなっている部分は、洪水のとき、水を誘導する水路になります。左側が南ハンガン、右側が遊水地。この遊水地にあった村は全部引っ越しました。

ヨジュ堰(だと思います)の小規模水力発電所。この発電設備も4大河川事業のセールスポイントでしたが、水量が少なく、落差も短いので、目的の半分ぐらいしか発電できていません。果たして、経済的な整合性はあるのでしょうか?

後ろの建物が展望台のあるビジターセンター。前の看板は自転車道路のための看板。各堰ごとに、このようなビジターセンターがあり、観光客を誘致しようとしていますが、果たして??

こんなダム、1箇所みたら、もういいですよね。全部、見る人がいるでしょうか?

展望台に展示されていた写真。工事前は下の写真のように汚かったのが、工事のおかげできれいになったと、わざわざイラストで説明されています。どうせなら綺麗になった写真を展示すればいいのに、写真はないのでしょうか?

今回、4大河川事業の現地ツアーに参加されたみなさん。バイタリティーはすごいです!

おなじみ、ヨジュ環境運動連合のイ・ハンジンさん。南ハンガン大橋から破壊された河川敷について説明してます。自然の河川敷をつぶして、わざわざ公園をつくって、その中に池や浅瀬を作って、人工湿地を再生するのがメインになっています。人工湿地の造成で4大河川流域の湿地はむしろ増加したというのが、政府側の説明ですが、湿地というより公園造成といってくれたほうが、分かりやすいです。このあたりの説明のしかた、ソウル市内のチョンゲ川を再生させたという論理と同じです。チョンゲ川も都市部の親水公園であって、川の再生ではありません。

南ハンガン大橋での記念撮影。

南ハンガンの支流の河川敷にある大木の下で、一休み。村の人たちも隣で食事をしていました。

翌日、テグでナクトンガンの現場を見て回りました。これは自転車道路。まったく人がいない。河川敷も公園にするといいましたが、テグの中心地から30キロも離れたところに、だれが遊びに来るでしょうか? 今後、河川敷の公園や自転車道路の維持管理は、地域の自治体が半分以上負担することになっています。後始末は、地元にというわけですね。

ここでも自転車道路の看板。見かける人たちはサイクリングの人たちばかり。一般の観光客は、あまりみませんでした。

展望台の中には、子供の遊び場もありますが・・・。

実はまだ補修工事をしています。詳しくは教えてくれませんでした。

ということで、これからも4大河川事業について、チェックしていきたいと思います。参加されたみなさんは、わずか3年弱でこれだけの土木工事を行ったことに、衝撃を受けていました。4大河川がかつての豊かな自然を取り戻すまで、日本と韓国の環境NGOは協力していきます。ぜひ、みなさんも現場を訪れ、流域の人たちの生活を見て、意見を聞いてください。