光海(Gwanghae): the Man Who Became the King - trailer
8月ごろから立て続けに韓国映画を見ていますが、そのなかでお勧めを2本、紹介しましょう。たぶん、この2本なら日本でも劇場公開するでしょうから、ぜひ足を運んでください。で、まず1本目がイ・ビョンホンが主演の「光海-王になった男」です。
じつはイ・ビョンホン、あまり好きじゃなかったのですが、この映画を見て、認識を変えました。難しい1人2役に挑戦しているのですが、その2役も王様と王様の影武者なので、だんだん本物の王様に似てくるという、微妙な違いを表現しなくてはいけない役でして、そのあたり、見事に演じ分けていましたね。
そのうえ、王様の日常生活、食事とトイレがリアルに再現され、こんな時代劇は初めてです。とくにトイレのシーンは大爆笑ですし、宦官とのやり取りも、なるほどと思いました。このようなシーンがきっちりと描写されているので、ドラマに奥行きが出てきます。
また、王様ですので、国民の暮らしについて言及する場合がありますが、この辺、いまの政治のあり方にも重なるところがあるので、印象に残ります。これらの魅力で、あっという間に300万人観覧したそうです。この分で行くと、年末の映画賞をかなり取りそうです。
泥棒たち(The Thieves, 2012)
この映画と年末の映画賞でライバルになりそうなのが、この「泥棒たち」。マカオのカジノから何億というダイアを盗むという単純明快な犯罪もの。この監督、今までに、「犯罪の再構成」「タッチャ」などの犯罪ものを作っているので、期待してみましたが、大当たりです。
とくにアクションシーンはキム・ユンソクだけでなく、キム・ヘスク、チョン・ジヒョンなどが体を張って自ら演技をしていますから、迫力があります。最後のほうに出てくる、アパートの壁づたいに逃げて追いかけるというアクションシーンは、今までの常識を覆す面白さ。これだけでも見る価値はありますよ。
どうやら、アクションシーン(モッブシーンも含んで)は韓国映画のほうが日本映画より、テクニックもアイデアも豊富な感じです。火や火薬の使い方もうまいし。戦闘場面もすごいし。
僕が韓国に来たばかりの90年代のはじめは、アクションシーンはままごとみたいでしたし、今から考えると冗談みたいな作り方でした。(「将軍の息子3」のアクションシーンの撮影現場を見ているので) そんな状況に比べると、韓国がここ10年ぐらいの間に映画製作の面でも、レベルが上がったのがわかります。
まあ、泥棒たちが10人も出てくるので、話がややこしくなったり、説明不測で終わったりするのが常でしたが、今回の映画、そのあたりの交通整理もきちんとされていて、楽しい映画でした。
では、また。
追伸:つぎは音楽かテレビドラマでいきましょう^^