KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC登山部2021.01.27 城山

2021年01月28日 | 香川の里山

二週続けての雪山歩きのラッセルや壺足で意識と違う思わぬ下半身の動きで、

ここのところ調子のよかったガラスの腰が少し重たくなった。

今週も雪山に続けて参加するのは躊躇して自主トレする事にした。

『線で繋ぐ里山歩き』を考えたが藪歩きがあって、朝方まで降る雨の予想で

それもどうしようかと考えていたら、WOC登山部も予定変更になって

坂出の城山を歩くと案内が来た。リハビリにはちょうどいいので

参加する事にして、集合場所の黒岩天満宮まで車を走らせた。

数日前にメンバーのキョウちゃんとゆかりんが新しくできた南側から歩いたコースを

同じように歩いてみようと、急な案内にかかわらず12名の参加者が集まった。




先ずは菅原道真公由来の天満宮にお参り。参道入り口には狛犬ならぬ狛牛

みやさんが頭をなでなでしているが、丑年らしくて何となく縁起がいい。




学業の神様は今日のメンバーにとっては余り関係ないが、学業=頭を使う=ボケないと麺法師さん

こじ付けてお参りしているので、他のメンバーも同じようにお参りする。




参拝した後は参道の石段を下り車道に出て、車を停めた場所から東に少し歩いたところの、

地元の方が整備して新しくできたという取り付きから山の中へ入って行く。

取り付きのスズタケは刈り取られ樹林帯の中を少し登ると、直ぐに凝灰角礫岩が露出した岩肌が現れる。

高瀬茶娘の?ルリちゃんとクーちゃんが前を行く。










今から約1千万年前、現在の瀬戸内海では激しい火山活動があり、花崗岩の上に火山灰などが堆積し、

その上に溶岩が流れた。やがて浸食が進み、浸食に強い固い溶岩が頂上に取り残された山々がたくさんでき、

頂上の溶岩が広く残されてテーブル型となった山の地形をメサ地形

小さく残され、おにぎりのような形となった山の形をビュート地形という。

県内にはメサ地形をした山には、屋島のほか五色台、そしてこの城山などがあり、

ビュート地形では讃岐七富士などのおむすび山があちこちにある。この凝灰角礫岩が露出した岩肌は

何度か歩いた五色台の南側の国分寺のカッパドキアと同じような地質だ。

香川の地質については香川大学の長谷川研究所のレポートがとても興味深い。







岩肌の左上にはビュート地形の郷師山。振り返ると同じようにビュートの代表格の飯野山が見える。

その飯野山の北の裾野には坂出から丸亀の市街地が雨が上がった後で、くっきりと見える。










露岩の道を登って行くと今度は羊歯の道に出る。ここでも羊歯が刈り取られて歩きやすい。




羊歯の道を過ぎると石垣の残る道に出た。地形図では登山道の線はなく、等高線の150mの線に沿った道だが

石垣が残っていると言う事は人の往来があったと言う事だろう。

その道を右にしばらく進むと少し下り坂になって来た。『道を間違えた?』と思って引き返すが

左に進むと郷師山への道になる。YAMAPでキョウちゃんのトラックをダウンロードしていたが

どうにも使い方が判らない。キョウちゃんとゆかりんは郷師山の鞍部に登って城山まで歩いていたのだが、

そのルートが全く頭に入っていなくて、とにかく城山に直登する事しか考えが及ばなく、

道を探して右往左往をするが、取りあえず道から外れて樹林帯の藪の中を直登してみる。

するとまた先ほどと同じような岩肌が現れた。







最初の方は足元は小さな岩屑で滑りやすいが木々もなくスムーズに登って行けたが、

次第に周りの木々の色も濃くなりはじめ、枝を掻き分け進むようになる。

先頭を行く麺法師さんが道を探して度々立ち止まっていたが、そのメンバーから離れて

あっちゃんと二人で藪の中へ突入していく。

まぁ~里山だから上へ上へと登って行けばその内山頂には着ける。













久しぶりの参加の長さんも頑張って登っている。




地形図にも載っている崖の辺りが最後の露岩になっている。普段高速道路を走っっていて

この城山の南側に見えた露岩が以前から興味があったのだが、ちょうどこの辺りだろうか?

今日はWOC登山部に初参加のキヨちゃんも、登山経験者だということで

意外と離れず後ろを付いてきている。







横にいるあっちゃんは目を輝かせて『楽しいわね~!』と言っている。

露岩の最上部にはワニの岩があった?

露岩が終わるとほぼ藪の中の道になる。もちろんテープもなく、枝を掻き分け、膝をつき、

這いつくばりながら登って行く。先ほどの露岩の場所で手袋を履いたが、茨のせいですでに手は傷だらけだ。










我々を見失ったルリちゃんが『お~い!』と呼ぶ声が下の方でしている。

先週、車の屋根にポーチを載せたまま走って、デジカメを無くした代わりにスマホで写真をとっているが、

スマホはロック解除にひと手間掛って、写真を撮るのに少し時間がかかる。

そうこうしている内にあっちゃんはどんどん先を登って行く。

WOC登山部藪こき隊のメンバーに入っても、問題なさそうだ。




やっとのことで登山道らしき道に飛び出した。後ろからひなちゃんも登ってきている。

次々とメンバーが枝を掻き分け道に出てきた。

やもっちの前が白く曇っているのは、寒さではなくて

メンバーが描いた汗が蒸気になって周りを曇らせているのだ。







トップを登っていた麺法師さんが何故か最後に登って来た。顔を見るとかなり疲労困憊している。

藪の中で相当悪戦苦闘したようだ。それでも麺法師さんは登山道からは元気を取り戻してトップを歩いて行く。

途中の展望台でも気持ちよくバンザイ!







この道には至るところに木や石に書いた手作りの標識があった。

その標識がなかなかデザインが良くてセンスのある標識なのだ。








前を歩く麺法師さんに『今日は迷(名)リーダーですね!』とおしゃべりしながら歩いて行く。

石に書かれた目玉の方向に進むと、西に眺望が広がる展望ヶ所になっていた。

目玉で展望を表すなんて、なんて素敵な標識だろう!

展望台からは府中湖の奥に鷲ノ山、さらにその奥には堂山・六ツ目・伽藍・挟箱山が見える。










展望台からしばらく登るとマナイタ石があった。平らに加工された石は

山頂の東側にあるホロソ石と同様に、山城の城門の礎石だと云われているが、

その数が少なく二つの距離も相当離れているため、何のために造られたかは未だ不明だそうだ。




マナイタ石の上であっちゃんとキヨちゃんが遊んでいる。

どうやら『まな板の上の鯉』を演じているようだが、痩せのあっちゃんはどう見ても

『まな板の上のサンマ』に見える。(笑)










まな板の上の石からは山頂への最後の急登が続いている。ただ先ほどの藪こき急登に比べれば

葉の落ちた明るい道は気持ちがいい。いつものように急登で杉さんの喘ぎ声がしている。







山頂には今日も360度の大展望が待っていてくれた。香川県の里山のほとんどが見渡せる雰囲気がする。

山高きが故に貴からずの本来の意味とは違うがそんな気分。里山でも十分に眺望を楽しめる。











広々とした山頂で少し早めの昼食を摂る。その合間で展望台で周りの景色を楽しむメンバー。

風もなく冬晴れの陽を浴びながら気持ちのいい時間が流れて行く。










昼食の後、今日はキョウちゃんに以前に貰ったコーヒーを淹れる。(ごちそうさまです!)







同級生のツーさんとみやさんが景色を見ながら何やら話し込んでいる。




あっちゃんが私のリクエストに応えてくれた。

先ずは離陸前の魔女。




そしてストックに乗って空を飛んでる魔女の宅急便




記念撮影の後はもう藪こきは懲りたので、郷師山への登山道を辿って下りることにする。










郷師山への道は前回も不動の滝から登った時に歩いた道。

落ち葉の積もる静かな道が続き、最後は竹林の中の道になる。










郷師山との鞍部からは、登った事のないメンバーがアタックを開始する。

既登のメンバーはそのまま天満宮への道を先に下って行く。










途中には砕石場のあとと見られる洞窟と、飯野山の山頂にある同じ安養寺の地蔵堂があり、

ここでは中が洞窟になっていて岩壁に石仏が彫られている。

登りで少し迷った石垣の残る道は、麓からこの地蔵堂への参拝の道だったのかもしれない。










地蔵堂から正面に飯野山を見ながら下って行くと黒岩天満宮の参道に出た。

参道に出る手前には梅林があり、気の早い梅の木の何本かが花を付けていた。










今日は藪漕ぎ歩きをやめて参加した城山だったが、結局はプチ藪漕ぎになった。

里山では登山も下山も上に下に歩いて行けばその内に山頂や里に着く。

里山ならではの道外れを楽しめる人もいれば、道から外れるのを嫌がる人もいる。




以前から気になっていた城山南の露岩に今日は少し近づくことができ、

土塁や石塁の遺跡の点在するこの城山山域が面白くなってきた。

登山道から外れて歩いてみると、新しい遺跡を発見するかもしれない。


家でグーグルアースで上から見てみると、第二露岩の辺りに大きな露岩があり、

麓からの道が続いているのも見て取れる。(おそらくこの道が地蔵堂への参道か?)

想像力を刺激される山域をまた日を改めて歩いてみたい。






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