冬晴れ、といっても、本州の太平洋側のような冬型の高気圧のせいではなく、日本列島の冬の形が崩れた時の合間を縫って晴れがもたされるかのようで、丁度内地の日本海側のようなものなのかも知れないが、内地と違って、冬といっても太陽が輝くと気温が24度近くになって、まぶしすぎて帽子が欠かせず、風が吹いても、半そでで丁度よい。
走らなければ、汗ばみもせず、p900を片手に持っての海岸線の散歩は何と心地良かったか。
グンバイヒルガオ、ハマアズキ、ハマナタマメといった砂地のつる性植物たちも、うれしそうに虫を誘っているし、ハマナタマメにいたっては、大きく硬い莢(さや)を実らせて、子孫をどこの浜辺に旅させようか、思案しているようでもある。
磯辺の河口には、見慣れない四羽の「鴨」!カモって普通、川や沼にいるのでは。家に帰って図鑑で調べたら、「ツクシガモ」といって、冬季に不定期に渡ってくる「迷鳥」に区分されていて、珍しい仲間のようだ。どこから飛んできたんだろうか。八重山の海はさぞかし暖かいだろう。汐が満ちてくると、プカリと浮いて、どっかにいってしもった。サギ君がうらやましそうに見つめていた。
浜辺には、いつもの愛らしいシロチドリ君や、ムナグロ君たちが、汐が満ちてきたので、休息のポーズ。夜、また汐が引いたら行動するのだろうか。
ツクシガモ君たちとともに、今日新たに、仲間に加わったのは、「ナカオレツユムシ」君という名前のキリギリスの仲間。葉っぱとよく似た翅を持っていて草の中に居たら分からないで通り過ぎただろうが、コンクリートに下りちゃったので、簡単に捕まえられそう。オイラも指で翅をつまめめたが、余りの軽さとはかなさに、すぐに離してやった。「野鳥に食われず、生涯全うしろよ」と、思わず激励したくなるほどの軽さとのんびりとした動きではあった。
晴れの日の午後、2時間少しの散歩ではあったが、未知の仲間にも出会えたし、彼らの生態のあまりに不明なことも自覚できたのであるから、これから暇さえあれば、(いつも暇なのではあるが)野に山に、浜に磯に出かけようぜ。