2022年大晦日の、少しの晴れ間を見つけて、木星方向にレンズを向けて日周運動のトレーニング。半月が煌々としている明るさの夜空でも、肉眼ではほとんど見えない星たちが軌跡となって見えてくる。約80枚撮影したものを「比較明合成」処理を行うとこのような輝く軌跡となって現れる。.一番明るい軌跡が木星だが、他はすべて太陽と同じ自ら燃え盛っている恒星なのだ。数知れない太陽たちのどこかに、われわれとおなじ生きとし生けるものを育む太陽があるのだろう。
見えないもの見させてくれたカメラやソフトに感謝しながら、2003年はフルサイズ一眼の力に頼って、さらなる見えないものたちの出会いに努めよう。
年が明けて、このところ「定番」となった「羽鳥慎一モーニングショー」のヘリ中継のお世話になって、富士山に昇る初日の出を拝まさせていただく。例年通り、エビスビールの缶を開けて、かまぼこやお餅をいただきながらという、御利益もなさそうな生活態度による日の出遥拝なのだが、雪を纏った霊峰冨士の初日の出は、聖なるものを感じずにはいられない。2023年のお日様は午前6時50分に現れた。
午前6時55分ころ、ヘリは富士の西に旋回し、「ダイヤモンド冨士」を見させてくれた。今年のダイヤモンドは、クリスマスツリーの一番上に飾る「ベツレヘムの星」やユダヤ教の「ダビデの星」と同じように6角形の星型で写ってくれた。「何かの福音」と受け止めたい。いいことがある年でありますように。
しかし、カメラや望遠鏡のなかった時代のヒトビトが、どうしてこのような星型を考えついたのだろう。水や金属に反射した太陽から星形を考えのだろうが、眼に見える星々が太陽と同じ恒星であると理解していたのだろうか。謎である。
午前9時、わが家の東空に雲の中から、ようやくお日様が現れたのでp950くんで撮影。きれいな星型に輝いてくれなかったが、光線の先がピンク色に輝いて、美しい花のようだ。「星の撮影ばかりではなく、花の撮影もよろしく」とお日様が語ってくれているようだ。
もう三月もするとまた花の季節がやってくる。初日の出遥拝は、お日様のお陰で命を与えられた者たちの感謝を、人間様が代表して行う行為なのかもしれない。