里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

長ネギを曲がりネギ風に変える

2023年12月16日 | 畑:葉菜類

長ネギが一段と充実してきました。


我が家としては上々の出来ですが、一部を曲がりネギ風に変えてみます。作業したのは一昨日。
ここ2年ほど同様のことをしています。今年はさすがに遅すぎますが。
今年の長ネギは畝間を十分にとったので、満足できるような土寄せが出来ています。
それでもこれが目一杯で、土寄せは限界に達しています。


低温下でもネギは次第に生長するので分岐部まで完全に軟白するのは困難です。
そこで曲がりネギ風にしてみようという訳です。
「曲がりネギ」はネギを真っ直ぐに伸ばさず、あえて湾曲させたもの。
当県には伝統的な「仙台曲がりねぎ」があります。発祥の地は仙台市の余目地区。
地下水が高い悪条件下、軟白部を伸ばす時にヤトイという作業を行う栽培法です。
ネギを掘り上げて寝かせて植え替え、土を盛り長い軟白部を作るのです。
寝かせたネギが生長して上に伸びる時に曲がりが生じます。
曲がるときにネギにストレスがかかることで軟らかく甘味も増すと言われます。
当地方では「曲がりネギ」は旨いネギの代名詞となってきました。
昔は当地のような粘土質の湿害の起こりやすいところでも行われていました。
手作業で土を高く盛る作業が難しかったこともあります。
今は管理機で溝上げや土寄せができるようになり、長ネギが一般的になりました。
本来の曲がりネギは軟白を始める段階でヤトイの作業をします。したがって時期もずっと早い。
長ネギの土寄せをした後でヤトイの作業をするということはありません。ですから小生独自の変則法です。
植え替えする溝はすでにネギの収穫の終わった畝を利用します。


このようになっているネギを一旦掘り上げます。


掘り上げやすいように畝を崩してつつ、均しながら植え溝を作ります。
右手前側が収穫の終わった畝で、ごく緩い傾斜になるように作ります。


そこにネギを寝かせて並べます。手前側が掘り上げた畝。


緩い斜め植えになっています。左向かい側が掘りあげた畝です。


分岐部まで土を数センチの厚さに覆土します。


この後、生長すると次第に葉は垂直に伸びてきます。そうすると自然に曲がりが生じます。


伸びてきたら、そこに土を盛っていきます。ネギは湾曲しながら軟白される訳です。
収穫するのは2、3月の予定ですが、本来の「曲がりネギ」のような姿は無理というものでしょう。
ただ、防寒の効果もあるので厳寒期には傷みが軽減されます。


長ネギが一段と充実してきた

2023年12月15日 | 畑:葉菜類

長ネギが一段と充実してきました。
出だしこそ少し遅れたものの、我が家としては上々の出来。


今年は猛暑で作柄が良くないという話しをよく聞きます。
我が家の畑は強粘土質土壌なので、植付け時にたっぷりと敷き藁を入れます。
それが今年の干ばつ条件下では奏功したと言えそうです。
品種はホワイトスター。


9月20日頃から抜き取り収穫を始め、10月半ばから本格的な収穫に入りました。
今年はネギの価格が高かったことから収穫の進度を速め、4割くらいを穫り終えました。


長ネギでは軟白が一番の問題です。
我が家も昔は白根(軟白部分)40㎝の長ネギを穫ることを目標に深い溝に植付けていました。
しかし、度々湿害に悩まされたため今は植え溝は浅くしています。その分長い軟白は難しくなります。
それでも今年は畝間を120㎝に広げたので十分な土寄せが出来ています。


10月12日に管理機で4回目の土寄せをしました。通常はこれで土寄せは終了です。
今年はその1ヵ月余り後、さらに追加の土寄せをしてみました。
管理機は入れないので少し水分が多めのところを見計らって、クワで土を盛りました。
それなりに効果はあったようです。


気温が高く経過しており、丈も太さも一回り大きく生長しています。


気温が高いとは言え、氷点下の日も出るようになり、美味しくなってきました。
穫ってみました。


調製してみました。


長さ、太さ、軟白とも充実してきました。
かつて目標とした40㎝級も出てきました。
我が家としては近年では一番良さそうです。
まだ良くなる余地があり、今後さらに期待できるでしょう。


サヤエンドウとソラマメに越冬対策をする

2023年12月14日 | 畑:豆類

サヤエンドウとソラマメに越冬対策をしました。
11月は全般に気温が高く、想定以上に生育が進みました。
12月早々に12月下旬並の低温がありましたが、予報を確認し一時的なものと考え対応しませんでした。
あまり生育を進めたくないのと多少は低温に当てないと耐寒性が付かないからです。
依然気温は高く経過しているものの、風の強い日が多くなっています。
そろそろこの時期になればと判断し、越冬対策を講じました。
これがサヤエンドウ。


10月末の種播き。品種は蔓あり赤花絹莢えんどう。
1カ所3粒播きしました。発芽率はほぼ100%。
半月前ほど前に間引きをし、全て2本立てにしています。
生育は順調、と言うより進みすぎですが、抑えようがありません。


小生は無農薬栽培ではないので、防寒対策の前にまず害虫対策をします。
株元に粒状の殺虫剤を施します。


不織布で覆いをすると外から来る害虫予防にはなりますが、内に虫がいるとかえって増殖を助長します。
豆類ではアブラムシがウィルスを媒介するので越冬前に付いていると厄介。
通常なら次は追肥ですが、今年は控えます。
これ以上生育が進みすぎるのもまずいですし、この場所は前作がキュウリで肥料が残っている可能性が高い。
蔓ぼけにならないようにしないといけません。
次に土寄せ。
管理機は用いず鍬だけで行いました。土の状態が良く楽に出来ました。


特に根元が風でぐらつかないようしっかり土を寄せます。


次は防寒対策。
不織布(パオパオ)をべた掛けします。
掛ける時期の目安は最低気温0℃が続くようになる頃です。
当地に近いアメダス地点の平年値では12月10日頃。例年はそれより少し前にしています。
しかし、今年のように伸びすぎの時は早く掛けるとますます徒長するので、遅らせたのです。
ある程度寒さに当てないと耐寒性が付きません。氷点下になっても極端な低温や連日でなければ大丈夫です。
すでに何日か氷点下まで下がっていますが、日中気温の上がる日が多い。
不織布を掛ける時には、ピンと張らずに余裕を持たせて緩く張ることが大事です。


エンドウは不織布の中で徐々に生長します。緩く張っておかないと支障があります。


これまで、周りは土で止めていましたが、今年はマルチ止めを使ってみました。途中問題があれば土に変えます。
トンネル掛けに比べ不織布のべた掛けは非常に楽。風や雪も気にする必要がありません。
昔は笹やわらなどで防寒対策をしたものですが、それでも欠株や芯止まりが出ることが多かった。
不織布のべた掛けをするようになり、そのようなことは殆どなくなりました。
こちらはソラマメ。


10月21日に直播き。
品種は河内一寸。
当地方のメインの品種は打越一寸で、河内一寸は3粒莢が少なく2粒莢が多い。
ただ、、河内一寸は粒が大きく種子が安価なので自家用向き。
株間40㎝の1粒播きです。種数の関係で数株だけ2粒播きし間引きました。
発芽は良く、欠株はありません。
生育も順調で想定より伸びています。すでに2、3本分枝しています。


直播きではあまり遅くすると、気温が下がり発芽率が悪くなるリスクがあるので、これ以上遅くするのも難しい。
株元に粒状殺虫剤を施します。


ソラマメはエンドウよりもさらにアブラムシが付きやすくウイルスにも弱い。
昨年、2、3株エソ系のウイルスが付きました。
追肥は緩効性肥料を畝の両肩に少ししました。


根元がぐらつかないようしっかりと土寄せ。


不織布をべた掛け。


やり方はサヤエンドウと同様です。


昔から当地方が秋播きソラマメの北限とされています。
ソラマメはエンドウよりも寒害に弱く、昔は欠株や芯止まりがよく出ました。
雪腐れと言われていました。実際には強い北西風で傷がつき雪などで雑菌が入るのが原因だったようです。
不織布のべた掛けをするようになってからは大きく改善されました。
主枝が凍害で駄目になったことはありますが、分枝が多く実害はなくて済んでいます。

縮み雪菜とチンゲンサイは旺盛で収穫盛り

2023年12月13日 | 畑:葉菜類

今年から葉物軟弱野菜の品目を絞り込みました。
長らく作っていたターサイと水菜を止め、縮み雪菜とチンゲンサイだけにしました。
気温が高いため10月初めまで種播きを遅らせたものの以後の気温も高く想定以上に生育が進みました。
こちらが縮み雪菜。


ターサイの変異株から育成されたと言われるだけに似ています。
しかし、ここまで生育すると違いがハッキリしてきます。
ターサイよりも葉が長めで、葉が立っています。


葉の縮みはターサイよりずっと細かい。


葉は濃緑で艶があるため見栄えが良く栄養価も高そうに見えます。
ターサイは厳寒期になると艶がなくなってきます。
バラ播きしたものを株間10~15㎝に間引きしました。
そして、11月半ばから抜き取り収穫をしながら間隔を広げてきました。
最終株間の目標は30㎝くらいなのですが、それにはまだほど遠い。
平均すれば20㎝といったところでしょうか。


草丈で見れば正に穫り頃です。
収穫すれば周りの株がすぐ広がるため隙間はたちまち埋まってしまいます。


今年はターサイを止めたのでその分縮み雪菜が増えています。さすがに少々作りすぎました。
せっせと穫る以外にありませんが、相当数が穫り残しの茎立ち菜になる可能性が高そう。
穫ってみます。


ボリューム十分になってきました。
ターサイほどには横に広がらないため扱いやすく、収穫後の調製もしやすい。
食べてもターサイと似ており、小松菜などよりも肉厚で旨味があり美味しい。
当地方の店ではターサイは見かけず、出回るのは殆どが縮み雪菜になってしまいました。
ターサイは小生の好きな野菜でしたが、残念ながら時流に乗ることとなりました。
こちらがチンゲンサイ。


小生はいわゆる中国野菜の中ではチンゲンサイよりターサイが好みでした。
しかし、チンゲンサイは売り場でも完全に定着しており、我が家郎党間でも一定の評価があります。
縮み雪菜の半分ほどながら作り続けることとなりました。
縮み雪菜と同様バラ播きしたものを株間10~15㎝に間引きしました。
その後、最終株間30㎝くらいを目標に抜き取り収穫をしてきました。


やはりまだ密植ですが、大分目標の間隔に近づいてはいます。


株間が広くなったところは、大きな株になってきました。


チンゲンサイは元々青味が薄く明緑色ですが、低温に晒されると少し黄ばんできます。一方、甘味は増します。
穫ってみました。正に穫り頃です。


これから厳寒期に向かうので縮み雪菜もチンゲンサイも一層美味しくなるでしょう。



種播き晩限を越えて播き直した早生ハクサイは完全結球

2023年12月12日 | 畑:葉菜類

ハクサイは11月半ばから中晩生種を収穫しています。
本来は10月中から早生のハクサイを収穫しているところでした。
例年なら12月に入っても早生種の収穫が続いていることが多い。
ところが、今年は早生ハクサイがシンクイムシ(ハイマダラノメイガ)で壊滅しました。
これがその時のもの。

虫は拡大してみないと分らないくらい小さい。


おかしいとは思いながらも初めての経験なので、気付くのが遅すぎました。
当地のハクサイの種播き晩限は9月初旬。それも冬囲い用に8分結球程度のハクサイを播くくらい。
と言っても我が家で9月に入ってから播いたことはありません。
こんな状況の中、9月11日に早生ハクサイの播き直しを試すこととなりました。
小玉になるのは承知の上で、結球しやすい早生種を選択。
早生種なら一定の枚数が確保できれば気温に反応し結球するからです。
種が残っていた「錦秋60日」を使用しました。
種播き後はずっと気温が高く、11月に夏日を記録したほどです。
中晩生種を穫り始まった頃には6、7分結球まで進んでいました。
しかし、ミニ白菜よりは大きいもののさすがに小玉に見えました。
その後も一時氷点下の冷え込みはありましたが、総じて気温が高い傾向は続き、ここまで生長しました。


ここ1ヵ月ほどで一回りも二回りも大きくなり、想定以上の姿です。


播き直し当初は1㎏以上になれば結球するだけで良しくらいに思っていました。
今は通常の早生種の収穫期と変わりない姿になっています。


殆どのものが完全結球に達しています。


大半が2㎏以上の結球になっているようです。


但し、早生種なので外葉は小さく何時までも外に放置はできないでしょう。
こちらは11月半ばから穫っている「郷秋80日」。


全体が7、8分結球くらいの時から結球の進んだ株を収穫してきました。
今は殆ど完全結球状態で大球になっています。
これは4㎏はありそうで、助っ人も手を出しかねているようです。


右が中晩生種「郷秋80日」、左が早生種「錦秋60日」。


この早生種を穫ってみます。


例年の早生種と変わりません。重さは2.6㎏ありました。


半分に切ってみました。


黄芯系ハクサイらしい美味しそうな色合いになっています。
今年は一にも二にも天候が一番で、特殊年と考えるべきでしょう。
しかし、まずはやってみることが大事と言うことは確認できました。
当地ではこれから冬囲いの時期に入りますが、もっと冷え込まないことには早過ぎます。