里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

トマト連続摘芯栽培'24~誘引と第1基本枝の摘芯

2024年06月20日 | トマト連続摘芯栽培

少し早い蕾の状態で植付けたトマトですが、今年は何れの株も本葉8、9枚で第1花房が着きました。
5月末の開花とかなり遅いものの昨年のように第1花房が飛んだものはありません。
極端な開花のバラツキはないので昨年のような思案投げ首はしなくて良さそうです。
現在、第3花房が開花中と言ったところ。


残念ながら1株が奇形の株でした。手前から2番目ですが、とりあえずそのまま様子を見ています。
奇形の株は別として開花に多少のバラツキがあるのは第1花房と第2花房の間の葉の枚数が一定しないからです。
通常は本葉3枚ごとに花房が着き、花房は一定の方向を向きます。それが4、5枚着く株が近年よく見られます。
それでも例年と同様なやり方の連続摘芯栽培が可能です。
小生の連続摘芯栽培は第1花房までは通常の1本仕立てと同じ。第2花房から変わります。
この株で見てみます。


通常の1本仕立てではこのくらいの樹勢だとやや強すぎると見るのが普通です。
しかし、連続摘芯栽培では花房数が多くなるため樹にかかる負担も大きい。
よってこのくらいの強めの樹勢でちょうどです。他の株もほぼ同様です。
現在、第1花房がピンポン球大くらい、第2花房が着果し、第3花房が開花中です。
トマトを作っている方なら分るように自然に育てると花房のすぐ下のわき芽は非常に強い。
放置すれば主枝を負かすくらいに伸び、このように2本立ての状態になっています。


これはトマトが本来持っている生態的な特性で、連続摘芯栽培はその特性を活かした栽培法なのです。
第2花房のすぐ下のわき芽は掻かずにそのまま伸ばします。これを支柱に誘引止めします。


一方、第2、第3花房の着いている元の主枝は、第3花房の先に葉2枚を付けて摘芯します。これが第1基本枝になります。
大きくなってきた第1花房は、後の樹勢維持を考えて3個に摘果しています。


誘引と摘芯を終えた別の株で見てみます。

第2花房の下のわき芽を伸ばし、支柱に誘引止めしています。
第2、第3花房の先は本葉2枚を残してピンチし、わき芽も整理しました。これが第1基本枝です。


誘引止めすると、第2花房直下のわき芽の方が上を向き、第1基本枝は自然に斜めを向きます。
何れこの第1基本枝は捻枝を行います。
この株は連続摘芯栽培としても樹勢が強いと判断し第1花房は4果残しました。


第1花房は奇形果が出たり梅雨期で灰かびが付いて処分することもよくあります。
今年は今のところ殆どが正常果です。


まだスタートしたばかり、トマトづくりは一筋縄ではいきません。
こちらは番外、庭の外れに植えているおまけの中玉トマト「フルティカ」。


第5花房が咲き始め、第1花房は間もなく色付きそうです。


お盆用トウモロコシの間引きと土入れ

2024年06月19日 | 畑:豆類

昨年は気温が高く生育が進み、お盆の時には大半が終わってしまったので今年は少し遅らせました。
品種は1回目と同じ「ゴールドラッシュ」。
この品種の収穫期までの標準日数どおり逆算しての種まきです。例年は若干早めに播いています。
畝間は広めの1m、株間は30㎝。


種播きは小生我流の直播き法。結果、今回は非常に良好な発芽でした。
タイミング良く降雨があり気温も高かったことが幸いしたようです。
3粒播きにしましたが、殆どが3本とも発芽し、全てが2本以上の発芽で欠株はありません。


生育も順調ですでに本葉7、8枚に達しています。


少し遅くなりましたが、ここで間引きし、土入れを行います。
まず2本に間引きします。引き抜かずに鋏で根元からちょん切ります。


通常は大きなトウモロコシを穫るため1本立てにするのが常道です。
小生は大型のトウモロコシより本数確保優先。中型のトウモロコシを多く穫ることを目標にしています。
そのため、畝間を広くして2本立てにします。
今回は2本立てが100%となりました。7割以上なら合格点なので想定以上です。


この後は土入れです。
移植ベラで根元に周りの土を寄せてやります。


マルチを剥いで土寄せをすれば良いところかもしれませんが、最後まで張りっぱなしにします。


その代わりになるかは不明ながら不定根を増やすことを期待しています。


ここまで気温が高いため想定より進んでいる気がしますが、お盆に上手く合いますか。
こちらは1回目のトウモロコシ。


雄穂が出揃ってきました。


収穫の目標は7月下旬、7月25日くらいを目安にしていますが、早まりそうな気配です。

ピーマンのわき芽を整理し簡易な誘引支柱を立てる

2024年06月18日 | 畑:果菜類

ピーマンは不織布をトンネル掛けして植えた後、20日ほど経ったところで1本の支柱を立てて誘引しています。
さらに半月ほど経過しました。


品種は京みどり。
通常なら収穫が始まってもおかしくないくらいの日数ですが、現在2、3番花が盛んに咲いている状況です。


何分にも本葉12、3枚に達して1番花で、今実が留まっているのが確認できるくらいです。
大概は10枚くらいまでに1番花が着くのが普通ですから遅くなって当然です。
しかし、これはあまり気にしていません。
少し収穫が遅くなるだけでが株がしっかりしているかの方が大事だからです。
その点、わき芽も旺盛に出て樹勢が十分付いているように見えます。
最も気になるエソ系のウイルスもここまで症状は出ていないのでほぼ大丈夫と思います。
草丈は結構伸びてきたため早めに誘引支柱を立てることにしました。
中央の1本の支柱に誘引する際に一度わき芽は整理していますが、また伸びてきました。
一番果が肥大してきたのが分ります。


一番果の下から出ているわき芽は全て搔きます。


これはかなり茂っています。普通花が着いたところで二つに分枝するのですが、これは三つに分枝していました。


このままだと枝数が多くなりすぎるので3番花のところで1本に整理しました。


同様に他の株も整理し、全ての株のわき芽の整理が終わりました。


次に誘引支柱を立てます。
生長するにしたがい枝が垂れ折れやすくなるので早めにやれば間違いはありません。
過去にはピーマンの誘引法も色々試行しましたが、ナスとほぼ同様の方法に落ち着きました。
全て老朽化したパイプハウスを解体した時の廃材利用です。
中央の株を挟んで畝の両側に適当な間隔でパイプ支柱を立てます。
支柱は少し上の方を広げるようにして打ち込み込みます。


この支柱に横に直管パイプをフックバンドで止めていきます。


このようにフックバンドは完全には止めません。これで最後まで十分持っています。


生長するのに合わせて横の直管パイプを上げていきます。
フックバンドを完全に止めないので下から軽く叩くだけで直管パイプは簡単に上がります。
枝は横パイプに誘引止めはしません。
枝がパイプに密着すると枝はあまり動かず垂れ下がりが防げます。
多少の枝折れが出ることはありますが、ピーマンは分枝数が多いので気にしません。
これで簡易な誘引支柱の立て方は終了です。


今月末には確実に収穫が始まります。年々植付け本数を減らしてきましたが、どんなものでしょう。


石垣のサツキを愉しむも花は不調

2024年06月17日 | 

6月の庭で愉しめるのは石垣周辺のサツキ。
石垣にせり出し、自然に増殖したサツキは満開になれば見応え十分なはずですが、残念ながら不調。
5月下旬からポツポツ咲き出したもののピークと言った状況になりません。
近年は沢山の花が咲くことはなくなってしまったようです。
刈り込みが遅れがちなことはあります。しかし、株自体が老化したことが一番の要因かもしれません。
このように苔むした枝も目立ってきました。


全体の姿は小生が幼少の頃にはほぼ出来上がっていたと思います。
他の植木の配置からして、古いものは樹齢100年を越えているはずです。
一番多いのは赤のサツキです。


純白のサツキも相当に古い株があります。

サツキは石垣のすぐ側に植えられているものが多く、それが自然に石垣の間にまで増殖しました。


人の手は加えておらずサツキの生命力だけで定着したわけです。


石垣の隙間にも自然に定着しました。


これもそうです。


最も多い赤に加えて白のサツキも基本になっている株です。


加えてピンクも基本の株。


これらが自然に交雑し繁殖したと思われます。










1、2輪だけの小さな株があるので、今でも少しずつ自然増殖が続いているのでしょう。


ちょっと違った花弁のサツキも見られます。




これは別の場所で比較的新しい。と言っても40年くらいでしょうか。唯一の八重。


野良仕事の一服時、石垣の隙間に根付いたサツキを見ていると自然の力や生命力の不思議さを感じさせられます。




水墨画「そら豆と絹さや」

2024年06月16日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙     


我が家で5月から6月にかけ楽しめる豆類と言えばソラマメとサヤエンドウ。
しかし、ともに同じ食卓に上る期間は長いわけではありません。5月末から半月くらいのものでしょう。
穫ったばかりのソラマメとサヤエンドウを並べて描いてみました。
ところで、記事では作物名を多くはカタカナ表記にしています。
水墨画の題名は様々。普通に見られる表記をメインにしていますが、その時の気分もあります。
ソラマメは漢字なら小生は蚕豆が一番馴染みます。しかし、最近は空豆が一般的らしい。
確かに蚕豆は莢の形が蚕の繭に似るところから付けられた当て字です。
一方、空豆は莢が空を向いて着くからと言うのですが、これは多分新しい当て字でしょう。
着莢したばかりの時は上の方を向いてはいますが、空とつなげるのはしっくりしません。
それなら「そら豆」の方が良さそうな気がします。
サヤエンドウは莢豌豆で異論はないでしょう。そもそもエンドウは実エンドウと莢エンドウに大別されます。
莢エンドウも大莢エンドウと絹莢エンドウがあり、味、香りでは断然絹莢エンドウ。
流通しているのも殆ど絹莢エンドウで、通称「絹さや」で通っています。よって今回は「絹さや」にしてみました。
当地で我々世代から上は専ら三度豆ですが、これではマニアックすぎます。
エンドウにはもう一つ比較的新しいスナップエンドウがあります。
当初、サカタのタネが豆を大きくしてサヤごと食べるスナックエンドウとして発表したのが始まりです。
もともと品種名としてのスナックエンドウだったのですが、普及の兆しを察知した農水省が放置は出来ないと感じたか一般名としてスナップエンドウと定めたのでした。
初めのうちはスナックエンドウしか通用しませんでしたが、次第に慣れてスナップエンドウが一般化、スナックエンドウはスナップエンドウの一品種となりました。