里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

春ダイコン「春の都」を穫り始める

2024年06月05日 | 畑:根菜類

春ダイコンを5月末から穫り始めました。
種播き後2ヵ月弱です。
種播き後、マルチの上から不織布をべた掛けし、未だ掛けたままにしています。例年ならとうに外しています。


モンシロチョウが飛来しているためダイコンにも付きそうで外せないでいます。
ダイコンの葉で持ち上がっていますが、幅広の不織布なので大丈夫です。


品種は「春の都」と「新春蒔総太り」の2品種。何れも青首で、トウ立ちのしにくい晩抽性品種。
春ダイコンで時に問題になるのが低温に遭遇してのトウ立ち。両品種とも全く見られません。
昔は3月上中旬播きのトンネル栽培などもやりましたが、今は無理な早播きはしません。
今年は4月の気温も高く、不織布のべた掛けもそれなりの効果があるようです。
こちらがトーホク種苗の「春の都」。


発芽良好で欠株はありません。生育も順調です。
穫り始めたのがこちら。「新春蒔き総太り」はまだです。
これまでと同じで数日~1週間ほど生育も根の肥大も早い傾向にあります。
今年は気温が高いため例年より数日早まったかもしれません。


収穫を早めに開始しないと後に穫り遅れのものが出てきます。
したがって適期よりも少々早めから穫り始めるようにしています。目安は種播き後50日過ぎあたりから。
今年はとりわけ青首が綺麗に感じます。


穫り始めはやや細身で尻太りがイマイチですが、次第に尻太りもよくなってきます。
穫ってみました。


こちらが「新春蒔き総太り」。


こちらも発芽、生育とも順調です。ちょっと見には「春の都」と区別がつきません。
しかし、よく見ると「春の都」に比べ葉色が濃く葉の切れ込みが細かい。
全体的に生育は「春の都」より数日遅れのように見えます。


根の太りも数日の違いがあるようです。ただ、ずれが出るのはむしろ収穫の幅が広がるので歓迎です。
間もなく穫り始めることになるでしょう。
収穫した「春の都」を洗ってみました。


尻の方が少し硬い感じがするのは過乾燥の影響と思われます。
青首が特に鮮やかに感じます。
今や昔の細身で辛い春ダイコンのイメージは一新され、青首でなければダイコンにあらずの時代になってしまいました。
確かに大根おろしで食べてみても瑞々しく甘い。


ピーマンのわき芽を整理し支柱に誘引

2024年06月04日 | 畑:果菜類

ピーマンの植え付けをしてからほぼ20日経過しました。
当地の植付け適期より早い植え付けになったので、不織布をトンネル掛けしています。


品種は「京みどり」。
花芽がごく小さい苗でしたが、気温が高かったためそのまま直ぐ植付けました。
今年は度々強風が吹き、不織布の効果が十分に発揮されたと言えます。
丈が延び不織布に着くくらいになりました。


被覆期間が想定以上に長くなってしまいました。さすがにここで不織布を剥ぎます。


気温が高く不織布掛けが長引き軟弱に育つ懸念がありました。しかし、しっかりした姿に見えます。


本葉は12、3枚に達してようやく1番花。まだ蕾が白くなってきたところで開花に至っていません。


それでも数日中には咲き揃うと思います。
葉色も良く姿は伸び伸びしており、2番花も沢山見えます。
少し収穫が遅くなるだけで気にしなくて大丈夫でしょう。
わき芽も大分伸びてきたので整理してから支柱に誘引することにします。
1番花の下から出ているわき芽は全て搔き取ります。


掻きました。


ごく小さいわき芽は搔いたつもりでも再生するので、楽に掻けるわき芽だけを取りました。
全ての株のわき芽を掻きすっきりしました。


そして支柱を立て誘引。


ピーマンは花芽が着いたところで2本に分枝し、ねずみ算式に次々と枝が増えます。
さらに生長した後は、株の両側に廃材を利用した支柱を立て簡易な誘引と整枝をして行きます。


花芽のごく小さい苗を植付けましたが、今月中には穫れるでしょう。
まずは体を作ることが大事。収穫は急ぎません。
ピーマンで一番気になるのはエソ系のウイルス。潜伏期間があるのでまだ安心はできないものの大丈夫そうに見えます。




ソラマメの収穫は例年より1週間早い

2024年06月03日 | 畑:豆類

5月末からソラマメを穫り始めました。例年より1週間は早い。


暖冬だったため不織布を外した時点で想定を超えて伸びていました。
そこで簡易な方法で早めに誘引しました。
今年はしっかりしたパイプ支柱を立て横2段にテープを張り支えにしました。
これで倒伏することはありませんでした。


枝は弱いわき芽を整理し7、8本確保されています。莢の整理はしていません。
丈が結構伸びたので腰の辺りでピンチしました。但し、節間が伸び最終的には胸の辺りに達しています。
品種は中晩生の河内一寸。一方、当地方の主力品種は中早生の打越一寸です。
打越一寸は3粒莢の比率が高いので3粒莢の価格が高い市場出荷には有利です。
河内一寸は2粒莢が多い。その分粒が大きいので自家用向きです。種も少し安い。


昨年に引き続き5月末からの収穫となりました。
当地で河内一寸が穫れるのは通常6月になってからで5月から穫れるのは稀。
越冬時の生育が進み、春の気温も高く想定以上に早まりました。
例年、成りがいいのは下部3段くらい。5、6段になると着莢がぐっと悪くなります。
今年はかなり上段まで着莢しています。


但し、春の過乾燥による肥大への影響はありそうです。
昨年少し見られたモザイク症状のある株は今年は見られません。
穫り頃になると莢が膨らみ照りが出てきます。


やはり触ってみるのが確実。粒のところにしっかりした手応えが感じられるようになります。
莢の向きが下向きになると穫り頃とも言いますが、これははっきりしません。
目安になりやすいのは縫合線(筋)で、筋が緑から少し黒褐色に変わり始めた頃が穫り頃です。


筋が冴えた緑色では未熟、すっかり黒くなれば過熟。但し、これも穫り進めると次第に変わってきます。
穫ってみました。乾燥続きだった割りには手応えのある莢が多いようです。


むき身にしたもの。


豆の端の爪のところが通称お歯黒。熟すると黒くなるのでそう呼ばれます。
同様に穫ったつもりでもこのくらいの違いがあります。


むき身にして初めて分ることですが、未熟なうちはお歯黒は緑、次第に黒ずんできて完熟すると真っ黒になります。
市場の卸会社の方からはお歯黒が黒くなる前に穫るよう言われることが多い。
2分茹でてみました。河内一寸は粒の大きいのが取り柄。


茹で時間は個人の好みにより1分半から3分程度。未熟気味の場合は短く、過熟気味の場合は長くです。
お歯黒部分が少しだけ黒ずんだ頃が丁度。未熟でも過熟でも風味が落ちます。と言うのは簡単でも実際は難しいもの。
いずれにしても穫ったらすぐ茹でるのが一番。


水墨画「さやえんどう」

2024年06月02日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙

サヤエンドウは少々思い入れのある野菜で、5月から6月にかけ心ゆくまで味わうことが大きな楽しみです。
水墨画でも何度か描いています。水墨画の題材になる野菜は多いもののサヤエンドウを取り上げる方は稀でしょう。
サヤエンドウの実は大概の方が知っていると思います。
しかし、花や莢がどのように着いているのか知る方は少ないかもしれません。
おそらく実際に作っていなければ見ることも難しいのではないでしょうか。
サヤエンドウの全体の姿は実に複雑です。
葉には茎に付く大きな葉とその葉の裏から伸びた蔓に付く対の小さな6枚の豆葉があります。
その豆葉の先には巻きひげが伸び、これを支柱に絡めながら生長し昇っていきます。
花は大きな葉の付け根から花梗が長く伸び2花着きます。そしてこれが莢に生長します。
花には赤花と白花があり、我が家のは赤花です。
全体像を描くのは至難ながら、初めての掛軸作品はサヤエンドウと決めていました。
実は小生もじっくりとサヤエンドウの全体像を観察したのはこの時が初めてです。
ちょうど季節なので、虫干しを兼ね床の間に掛けてみました。
作品名は「豌豆」。


もう一昔ほどにもなります。稚拙さは拭えませんが再掲してみました。




春播き長ネギを植付けたっぷり敷きわら

2024年06月01日 | 畑:葉菜類

春播き長ネギを植付けました。
種播きは3月末。以前はもっと早く播いていましたが、今はあまり早播きはしません。
品種はホワイトスター。


種播き時はポリトンネル掛け、その後不織布に掛け替え5月半ばに外しました。
育苗中は異常乾燥状態でしばしば灌水しました。追肥は灌水を兼ね液肥を数回。
薄播きにしており、間引きはほんの一部厚いところを間引いただけです。
若干混んでいますが、まずまずの苗でしょうか。


苗は十分すぎるほどあるので、良い苗だけを選んで植えます。
畑の方は全面に苦土石灰を入れて1度目の耕耘、元肥を帯状に散布し2度目の耕耘、植付け前に再度耕耘しました。
多少手直しをした後、植付け溝になるところに目印線を付けます。


畝間は昨年同様に幅広の120㎝。
管理機の畝立てロータで土をはねあげ、植付け溝を作ります。


鍬で少々手直しをして植付け溝を整えます。


以前は白根(軟白部分)40㎝以上の長ネギを穫ることを目標に深さ30㎝ほどの溝を立てていました。
しかし、強粘土質のため水が抜けにくく根腐れを起こしやすいことから、今は深さを20㎝くらいの浅めの溝にしています。
それでも畝間を広くし土寄せすることで大分カバーできるようです。
植える時は小さいものは除外し、出来るだけ苗を揃えて植付けます。


植付け間隔は数㎝。直立に植えないと根元が曲がるのですが、あまり気にしないことにしました。
植付け後に、苗から少し離して粒状の殺虫剤と化成肥料を少々バラまき。


最後に鍬で少し土を掛け整えます。


これで植付けは終わりました。


さらに、乾燥防止と土の締まりを抑えるためたっぷりと敷きわらをします。


切りわらは昨年秋から堆積しておいたもので、腐っている部分もあります。
この作業は強粘土質の畑には必須。これが次第に腐れて土がほどよい状態になります。
土を少し埋め戻しわらを落ち着かせます。


これで植付け完了です。


苗は沢山余りました。当分の間補植用に取っておきます。
10月早々からの本格収穫を目指したい。