里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

タマネギ「ネオアース」は今年も作柄良好

2024年06月10日 | 畑:土物類

タマネギ「ネオアース」を一斉に収穫し、取り込みました。
種まきは9月4日、植え付けは11月3日。
4条の黒マルチが3ベット、タマネギの植え付け本数は前年とほぼ同じ470本ほどです。
近年、タマネギは「ネオアース」1本に絞って作ってきました。しかし、1ヵ月ほどのブランクが生じるためカネコ種苗の早生種「錦毬(きんきゅう)」を初めて作ってみました。
全体の1割ほどですが、4月下旬から「錦毬」を収穫し殆どMS級で少々物足りない結果となりました。
但し、現在までそれで十分間に合っており、早生種としての効果は確認できました。穫り終わった後の「ネオアース」との境目です。


施肥などもっと工夫しないといけないのかもしれません。
メインのタキイ種苗の中晩生種「ネオアース」は順調な生育経過でした。


しかし、5月早々一部葉色が薄くなりべと病が発生しました。
考えられる要因は二つ。一つは早生種に収穫時すでにべと病が散見されていたこと。
もう一つは中晩生種「ネオアース」にも追肥が十分に効いていなかったと思われること。
生育が進み肥料切れ傾向になった上、雨や雪も少なく適時にうまく効いてくれなかったかもしれません。
5月初めに20年ぶりくらいで薬剤を散布しました。天候も良かったため蔓延することはなく実害はありませんでした。


この品種を作るようになり連続の豊作。越冬時に生育不良の時でさえも結果豊作でした。
昨年はかつてなく生育が進み5月早々に倒伏する株が出始めました。
さすがに今年はそれほどではなく、倒伏が始まったのは5月10日頃からでほぼ例年並です。
欠株は殆どないもののネキリムシ被害で植え替えたものは生育がよくありません。
暖冬のため我が家としては例年より大柄の姿で春を迎えました。その結果、トウ立ちが散見されます。


昔は数%トウ立ちするくらいが最も収量が上がると教わりました。
我が家では記憶がはっきりしないくらい暫くぶりです。10本余りあるでしょうか。大方はすでに穫っています。
但しトウ立ちと言っても5月半ばくらいになって伸びてきたもので、それなりに肥大しています。
今年は近隣でもトウ立ちが結構見られます。立派な姿のものが早くから沢山トウ立ちしたと言う話も聞きました。
また、今年は異常乾燥甚だしく肥大への影響は免れないと推測していました。
5月25日頃にはほぼ100%倒伏しました。


タマネギは倒伏してからも肥大します。「ネオアース」はそれが顕著。もちろん茎葉が健全ならばです。
大玉になるとこのようにマルチがパンパンに膨らみます。


一斉収穫は全ての株が倒れて1週間以上経過を目安としています。
ですから1週間前にはすでに一斉収穫が可能になっていました。
穫り遅れると割れたり肌が悪くなり、茎が枯れてしまうと乾燥のため吊すときに支障を来します。
少し遅れてしまいましたがどうだったか。
まず引き抜いて何カ所かに纏めます。


この後はその場で茎を2、30㎝付けて切り落とします。根は切りません。


作業場の下屋に取り込み、少々雑然としている空きスペースに広げます。


この作業は助っ人に任せました。毎年のことなので要領は分っています。


取り込んだものを見ると今年も大玉が多い。


早生種を作った分、若干少なくなっているものの作柄は例年とあまり変わらないようです。
特大玉も多数見られます。


今年は乾燥が甚だしかったのであまり特大玉は出ないと思っていました。マルチの効果なのでしょう。
特大玉と中玉を比べてみます。
右が平均的な300g級の中玉、左が500g級の特大玉。

中玉と言っても出荷規格だと重さが300gで2Lサイズです。
特大玉を手で持ってみるとビッグさが分かります。


このままの状態でしばし陰干しした後、本格乾燥に入ります。
何と言っても「ネオアース」は貯蔵がメインで来春まで持たせなければなりません。
そのためにはしっかり乾燥させることが大事。
小生は「ネオアース」を最高の品種と評価しています。
今年の条件下でも良好な出来だったのでさらに確信を深めました。
そして、「ネオアース」の長所は肌が綺麗なこと。これから貯蔵中に美しい狐色に変化して行きます。


水墨画「薔薇」

2024年06月09日 | 水墨画:草花
本画仙 色紙
 

バラの季節です。
我が家にあるのは2株だけ。ピンクと赤のバラです。
いつ頃に植えられたのかは定かでありません。ピンクのバラは朧気ながら相当前からあったような気がします。
赤いバラは庭の外れにあり、これは母が植えたことだけは確か。
ですから少なくとも20数年は経っているはずです。母が遺した貴重なバラと言えなくもありません


赤と言っても深紅と言うべきでしょうか。同じ赤でも小生の好きな赤です。
小生は殆ど手を掛けていません。専ら助っ人が剪定をしてくれます。
ブログ上で「小さな森の薔薇」さんの数々のバラを拝見し、堪能させて頂きました。
赤のバラを水墨で描くとき花を薄く描くか濃く描くかで迷うことが多い。
葉との違いを出さなければならないからです。今回は花の方を少し薄めに表現してみました。


 

菜類3種(ターサイ、縮み雪菜、水菜)を盛んに穫る

2024年06月08日 | 畑:葉菜類

5月半ばから間引きを兼ね穫り始めた春蒔きの菜類3種ターサイ、縮み雪菜、水菜。
穫り頃になっています。
ごろ土の悪条件の中播いたのですが、思いのほか良く育ちました。
種播き後に不織布をべた掛けし、未だ掛けたままにしており盛り上がっています。


モンシロチョウが飛んでおり剥ぐわけにも行かなくなりました。幅広の不織布なので問題はありません。
こちらがターサイ。


株間15㎝間隔くらいまでには収穫が進みましたが、やはり混んでいます。
穫ればすぐ株が広がるので常に畝は埋まった状態になっています。


春播きでもターサイらしい肉厚で葉の縮みが出ています。
かなり大株になってきたものもあります。


冬場のターサイのように地べたに広がるようなことはないものの縮み雪菜に比べやはり横に広がります。
1株でも十分な大きさになりました。


ターサイは古種が残っていたため播いたもの。すでに昨年秋から作るのを止め縮み雪菜に一本化しています。
ターサイは好きな野菜なのですが、これが最後になるかもしれません。
こちらが縮み雪菜。


ターサイより生育が早く丈が伸びています。


縮み雪菜はターサイの変異株から育成されたと言われ、初めはよく似ています。
しかし、生長するに従いハッキリと違いが現れてきます。葉は光沢があり縮みが細かい。


ターサイより立っているのが分ります。揃いも良く食欲をそそる姿と言えるかもしれません。


今、当地方の店にはほぼ周年並ぶようになっており、すっかり定着しました。
単に雪菜と表示されることが多くなり、それが一般化する可能性が高い。
一方のターサイは店に並ぶことなく終わりそうです。
こちらは水菜。


発芽も生育も前2種より早く、一度がっちりと間引いています。
5月に入って間もなく間隔を広げながら穫り始めました。
次第に株が大きくなるため畝は常に茂った状態になっています。


水菜は専ら助っ人が好んで穫っています。我が家はあまり穫りません。
穫ってみるとこのくらいの株になっていました。


かつて春播きの菜類は主に小松菜などを作っていましたが、縮み雪菜がメインになる流れでしょう。


サヤエンドウはもう一花

2024年06月07日 | 畑:豆類

今年のサヤエンドウは5月早々から穫れ始め5月中旬が最盛期。
茂りすぎになるかと思いきや、そうはなりませんでした。
当地は4月下旬以降雨が降らず異常乾燥状態。
気温が高かったためサヤエンドウも急速に成り込みました。実の成る作物に起こりがちな成り疲れの状態に。
5月20日頃から咲いている花はなくなり、ほどなくパタリと穫れなくなりました。
一方、5月下旬になりようやく雨らしい雨。
サヤエンドウも息を吹き返し、再び花が咲き出しました。


一気に成り込んだため黄化してはきましたが、まだ余力があったようです。
草丈も人の背丈並になってきました。


5月末から6月早々に2度目の花盛りに。今はほぼ花収まりしてきました。


間もなく穫れそうな莢が多くなってきました。


上段ばかりでなく中段のわき芽の花も咲き莢が肥大してきました。


もう一度サヤエンドウを味わえそうです。


終りかもと思っていたところでのもう一花、サヤエンドウに少々拘りのある小生としては嬉しい。
ところで、この時期になると必ず穫り残しのサヤエンドウが目立ってきます。


特に葉に隠れていた中段に多い。


もちろんこれは絹さやの赤花蔓ありエンドウ、実取り用のエンドウは別種です。
しかし、自家用には十分実エンドウとして使えます。
幼少の頃によく豆ご飯にして食べさせられたのですが、妙に懐かしくなるのです。
今年2回目。結構穫り残しがあるものです。


炊き上がった豆ご飯が半日くらい経つと赤飯のように赤く染まります。
昔は何の感慨もなかったのですが、間違いなく歳のせいなのでしょう。
今肥大している莢を収穫した後は、うどんこ病が蔓延する前に速やかに片付けます。


イネの生育は順調で草刈りと除草剤・抑草剤の利用

2024年06月06日 | 田んぼ

田植えをしてほぼ1ヵ月が経過しました。イネの生育は順調です。


当地、最近こそ不安定な天候ながら5月は一言で言えば高温乾燥。強風もありました。
田植え後の活着は良好。強風による葉先枯れなども殆ど見られません。


田植え後、雨が極端に少なかったため水管理には少々気を遣いました。
茎の分けつも順調に始まっています。
1株の茎数は田植え時の倍くらいになっており、多いものは10本を超えてきました。


最終の1株茎数は25本が目安。
この生育状況ならまずは順調なスタートダッシュと言えるでしょう。
しかし、長い生育期間で何事もなく終わるという年はまずありません。
当地方の一番の関門はヤマセによる低温です。イネにとって一番大事な幼穂が生長するのは梅雨期。
今年のように初期生育が順調なほど、逆にリスクが高まるとも言えるのです。
田植えをあまり早くするなと言われるのもそのためです。我が家は逆に早植えになっていますが。
一方で近年は夏の高温が問題となっています。これも生育が進むほど稔る時期に高温に当たるリスクが高まります。
天候はコントロール出来ないのでコツコツと作業をこなすしかありません。
田んぼの作業は地味な作業が多い。今の時期は雑草の刈り払いです。当地では通称草刈り。
5月25日頃から徐々に進め、ほぼ終了に近くなりました。
刈り払いの作業は普通は年3回。丁寧にやるなら4回です。
早く始めれば草が伸びていないので作業は楽ながら、年4回刈るようになります。
なので小生は3回のパターンで進めます。
当地のような里山では土手や法面が広いため刈り払い面積が多くなるからです。
この程度の土手なら大したことはありません。


刈り払いました。


しかし、何分老体なので目安は正味1日4時間。1週間を見込みます。
雨中でもやります。土砂降りは駄目ですが小雨程度なら刃の切れ味がかえって良い。
今年は気温が高かったため雑草の伸びるのも早いかと思いきや当地は逆。
よほど水分不足がきつかったと見え意外に伸びていません。
これは我が家では唯一野芝主体の畦。管理しやすく気持ちが良い。


作業をしていると色んな植物に出会います。
ワラビが伸びほだになったところ。細ワラビなので採りません。


ウルイ(オオバギボウシ)。栽培ものと比べると大分小振りです。


今年特に目立ったのはハルジオン。高温乾燥を好むのでしょうか。


構わず刈り倒します。


方々に雑草化したフランスギク。


幹線道路の大きな法面は少々厄介。本来は自治体が管理すべきものですが。
当地では側の田んぼの所有者が刈り払うのが暗黙の了解事項。側溝も同様です。
この程度なら可愛いものです。


但し、側溝の際は刈り払いがやりにくく、側溝に雑草を落とすと色んな所に詰まってトラブルの元になります。
そこで際の部分には除草剤を利用しています。これで刈り払いがぐんと楽になります。


刈り払いました。


そのほかに除草剤を利用するのは電気柵の下。以前は全く必要のないものでした。
イノシシが出没するようになって10年余り。昔は想像したこともありませんでした。
電気柵は約750mあり、草が触れると漏電します。下草の管理が大変なので幅30㎝程度に除草剤を使っています。


5月半ばに除草剤を散布しました。これで完璧ではありませんが、作業が大幅に軽減されます。
茎葉処理剤と言われる除草剤で500CC1本で10a程度の除草が可能です。
特徴の違う何種かを使い分けるようにします。これはその一つ。


また急傾斜の大きな土手や幹線道路の大きな法面も刈り払いの作業は厳しい。
しかし、このような所に除草剤は使えません。雑草を枯らすと大雨で崩れやすくなるからです。
そこで利用しているのが抑草剤。


草を枯らさず伸びを抑えます。但し除草剤より少々価格は高い。
場所が場所だけに散布するのも楽ではないものの効果は確かで時間は大幅に短縮できます。
散布するタイミングが大事でこの法面は5月半ばに終えています。少し葉が変色し伸びが抑えられています。


除草剤や抑草剤を利用するのは全体の約2割と言ったところ。しかし、作業量は半減したような感覚です。
雑草の刈り払いも残りはあと僅か、屋敷周りと畑の一部だけとなりました。
今週末は集落の共同刈り払い作業があります。