結構長く、産婦人科病棟に勤務していた。
最後の職場も産婦人科病棟。
分娩取り扱い中止、病棟閉鎖、外来看護師二人を残して全員解雇。
その中の一人がくちかずこ。
それより前にいた産婦人科は医師が三人いたが、その内一人は、夜九時過ぎにお産をとり、
別の診察をして、深夜帰宅、明け方に心筋梗塞で急死した。
事実上の過労死。
その日も一日中、昼間勤務し、夜お産に呼び出され、もしも生きていたら、また朝から、びっしり外来業務の予定だった。
「辞めたい、辞めたい」が口癖だった。
くちかずこは、病棟婦長をしていたが、危うい体制に危機感を強めていた。
ハードで間違いが許されない、
ベテランが辞めるつど、新人と入れ替わる・・・
レベル低下は避けようがない。
自分自身の力不足は、最たる、常なる課題。
医師とスタッフの確執、
スタッフ間の確執・・・
流産、死産に対する医師の対応の非情さに、ついにくちこの怒りが爆発。
危うくなる一方の現場での責任も重すぎた・・・
くちこは、言うべきことを言い、
護るべきモノを護り、そこを去りました。
7ヶ月後に 一人の医師の急死。
くちかずこの手元に「まだ、辞めれません」と一筆入った年賀状を残して。
しばらく、産科を離れたものの、また別の病院に復帰。
それは、産科が好きだから、だったんだな。
自分の経験を社会に返したいと思ったのもあるし。
産婦人科の現状は 長くなるので次回にしますね。
ご清聴ありがとうございました。