ずーっと頭にあるもの。
これはツアー中でも(演奏中は別として)、ずっと離れることはありませんでした。
でも、日々「なんだかなあ」というニュースを数多く目にするので、それを逐一毎日追うのは(=ここに書くのは)、もう物理的に無理だと思っています。でも、僕の立場は、GW前までのブログをお読み頂ければ、分かっていただけていると思いますし、その立場は、いまだ変わるものではありませんし、問題に対する煩悶、心配は、微塵も薄らいではおりませんのです。むしろ・・・・。
まず、もう一度、転載させてください。
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●「雄々しく放射線に立ち向かう」というのが立派なことだろうか?
なにか戦前を思わせる.放射線が人体に害があるというのは国民的コンセンサスなのに、なぜ急変して「我が身を放射線に曝すのが格好いい」となり、「ついでに子供も被ばくさせてしまえ」という自爆主義は許されるのだろうか?
●60の爺さんが「大丈夫」とパフォーマンスをして、その野菜を子供が食べるというのはどういう意味があるのだろうか?
現在のように全体的に汚染されているときには、思い切って汚染地域の農作物は捨てるのが正しい。無理して放射性物質を含む野菜を食べなくても良いのに、なぜ出荷するのだろうか?
●なぜ、給食に地産地消を強調するのだろうか?
子供は給食を拒否できない.拒否できないものに放射性物質を使うのは許されない.食を供給する人は「上司」の命令を聞いてはいけない.単純に子供の健康だけを考えることができる。栄養士は「専門職」である。上司はいない。栄養士の人、立ち上がってください!
●福島が汚染されたのは福島の人の責任だろうか?
福島の人は「福島が汚染された」と言われるのをいやがる。でも、福島を汚したのは福島人ではないのに、なぜいやがるのだろうか?
福島を汚したのは国と東電なのに。
『大人は子供たちを被ばくさせたがっている』
武田邦彦
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ニュースでご覧になられた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、案の定といいますか、扱いが小さいので、もしかしたら、ご存知無い方もいらっしゃるかもしれません。
福島の肉牛が、他県に移送されることになりました。
政府が、全国に「受け入れてくれないか」、と打診していたのを、
『計画的避難区域、牛も集団避難へ 農水省、全国に打診』
多くの県が受けたかたちです。
そして、それと前後して、
『福島・天栄村産の牛肉から規制値超えるセシウム』
『福島産牛肉から放射性物質』
相次いで、肉牛から放射性物質が検出されていました。この段階で、全頭検査をしてるとは思えませんので(立ち入れない場所が多いので)、これは、その一部であることは想像にかたくありません。
そして、いよいよ
『福島第1原発:避難区域内の牛 24都道府県「受け入れ」』
というニュースが。
すでにセリも始まっております。
『計画的避難区域の子牛が競りに 飯舘村などの547頭』
「原発の半径20~30キロ圏内の55頭も追加」
とあります。
『福島の原発避難牛 新ひだかの牧場が購入 妊娠中の16頭』
「福島県南相馬市で飼育され、原発事故後、約40キロ離れた同県飯舘村の牧場に移されていた」黒毛和牛16頭が、すでに北海道に移され、育てられています。全て、妊娠している牛だそうです。
政府が「人が住めない」と判断した土地の牛。
風評被害?
実害被害?
空気、土壌、野菜、魚、がれき、肉。
誰にも答えが出せない問題が、日本人の前に山積みです。
答えは、何年後になかわかりませんが、何らかの形で、出るのですよね。
「ほうら、大丈夫だったじゃない。大人も子どもも誰一人、病気になんてならなかったじゃないか。」
なのか、
「ちくしょう!あの時の、あんな基準緩和のせいで。あんな判断のせいで・・・」
なのか。
神奈川県では給食に、福島産の野菜を使うのだそうです。
『神奈川県横浜市の学校給食、『福島産のキャベツ,もやし,きゅうり,アスパラガス,牛肉』を使用』
アメリカが、福島から80キロ圏内への立ち入りを許可した、というニュースもありませんし、
周辺だけでなく、埼玉や千葉など、関東の野菜も輸入禁止にした措置が解除になったというニュースも聞いていません。
なんで、こんなにずるずる、ないがしろなことをするのでしょう。
何か、皆が「やったー!」って思うような解決でもしたのでしょうか。そんな明るいニュースが、あったでしょうか?
勿論、牛の命も大切。無駄にするようなことは、避けるべきです。
でも。
本来なら、一頭百万円で売れるのだそうですが、今回はその半額以下で取引されたそうです。
それでも、売らなければ、
もしかして・・・東京電力が賠償責任を負わなければならない・・・から?少しでも目の前の賠償額を減らそうとしてる?
などと、勘ぐってしまいます。
(ってか、もしかして・・・今回、この牛を飼うと、政府から特別な助成金でもでるのでしょうか。←これは推測です。まったくの。)
また、これから流通に関するモラルの問題も考えなくてはなりません。信頼できるのか、信用できるのか。
先日のユッケ問題で、牛肉の取り扱いには僕たちの知らなかった事が明るみにでました。
「商品価値があるのだし、もったいないから」と、購入した肉のトリミングをしていなかった。
それだけ、高く売れる肉だけに、過去には、産地偽装もありましたし、似たような例で、以下のような、表示されている産地とは違う産地の牛肉を混ぜて販売した事件などもありました。
『「焼肉酒家傳々」での混入事件』(公正取引委員会のページ)
『「叙々苑」での混入事件』(農林水産省のページ)
野菜にしても・・・です。
先日、千葉の香取市であった、放射性物質を基準以上に含む、出荷制限のかかったホウレンソウが「売りたかった。お金が欲しかった」という理由で出荷され、すでに消費されてしまっていた問題では、あの10軒の農家のうち、1軒は、発覚してニュースになり、国や行政からも厳重注意された後も、また市場に持ち込み、販売したのそうです(販売できてしまうという流通システム、ってのも・・・)。
僕は以前「少なくとも、今年のものは、政府主導で、東電が全て定価で買い取るべき」と書きました。
その気持ちは今も変っていません。そうすべきだと思います。
今の福島のような非常に切羽詰った状態を、なんとかしなくてはならないのは、分かります。
でも、その解決策が、放射能汚染の危険のあるものを食べることだとは(ましてや、子どもや妊婦さんに食べさせることとは)、僕にはどうしても思えないのです。
また、どうしても東電や政府が今すぐには無理、ならですが、・・・いまだ配分方法が決まっていないとされる義援金を、さし当たって、こういう問題の当座の解決の為に使ってはいけないのでしょうか。一部であっても、少なくとも、役立つお金にできるはずです。
「基準値以下ですから大丈夫」といくら言ったところで、ゼロではない以上、
その肉を、野菜を口にするには理由が要ります。今の日本は、それを「かわいそうだから」というくくりでやっているのでしょうか。
「応援」なら、他の形でもいいのでは、と思います。
例えば、外国人は、それを食べにわざわざ日本に旅行に来てくれるでしょうか?
観光は日本にとってとても大切な、大きな収入源であり、同時に、四季豊かな美しい国としての誇りでもあるはずです。
ただでさえ、今、日本が一くくりにされて、九州や北海道でさえ観光客が激減しているのに(がれき処理の問題もそうです)、こういう、自ら
「風評被害だ!安全なのに!と騒いでいるのに、さらにそれ(風評)を拡散しかねない政策」
ともいえるようなことをしてしまっては、特に外からみたら、日本のブランドイメージは、どんどん悪くなるような気がします。
本来求められるべき、「国際的に高い評価を得、日本の信頼を回復に繋がる政策」とは、思えないんですよ。ましてや、こういうがれきや肉の拡散は、「実害の拡散は絶対にしていない」、とは、僕はいえないと思います。爆発してから上げられた「基準値以下」は、もはや基準値としての信頼性を失っています。日本人は、連日の「安全!美味しいよ!」報道で、少しずつ慣らされてしまっているように思います。勿論、僕も含めて。でも、外から見たら、まだ、好転も進展も、してないんですよ。放射能に味はありません。食べられないほど汚染されているものだって、美味しく料理すれば、間違いなく美味しいはずです。テレビでは「うわあ美味しい!これなら大丈夫ですよ」などというレポーターとかをよく見ますが、わざとか、言わされてるのだとしても、国民の知識を甘くみすぎです。あれでは、番組や、テレビそのものの信頼もどんどん落ちるばかりです。
ロシアに輸出した車から放射性物質が出ました。
『中古車が放射線問題で送り返される』
それに対して、経済産業省の役人が、
「東京電力が事故の収束に向けて作成した工程表など見せ、原発の安定化のため、日本政府として全力で取り組んでいることを説明」し、
「輸出前の日本製品の放射性物質の検査も強化している」と言った、というニュースがありました。
『日本製品 ロシアで安全性PR』(NHKニュース 動画あり 近々見れなくなる可能性高)
ロシアの方々の表情の固いのが印象的でした。
この説明で、「ナルホド!じゃあ安心ですね!」となる・・・わけがないでしょう。
微量だとはいえ、放射能に汚染されているとわかっているクルマを買って、家族、赤ちゃん、ペットなどを乗せて、ドライブに行く気になるでしょうか。
本来、ゼロであるべきもの。
基準値以下だからといって、たとえ「安全」だからといって、
人の心は「安心」できはしない、
のですよ。
今の日本の対応は、おかしいと思います。
僕たちの心のある場所と、国の心のある場所が、違うような気がします。
残念ですが・・・
日本は、ひとつじゃない、と思います。
少なくとも、政府と国民とは、一丸になっていませんし、一つのチームにも、なっていないように思えます。なりたくても、なれないんですよ。まったく、納得ができないのですから。
今日の最新のニュースです。
「◇北西側地域の土壌、避難レベル超す
文部科学省は4月、米エネルギー省と共同で航空機を使ってセシウム137(半減期約30年)の土壌蓄積量を調べたところ、原発の北西方向にあたる同県浪 江町、双葉町、南相馬市、飯舘村、葛尾村などで、1平方メートルあたり300万~1470万ベクレルに達した。
旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年) で、住民避難の判断基準とされた1平方メートルあたり55万ベクレル以上という数値を大幅に上回った。」
『<福島第1原発>工程表見直しへ 冷温停止へ課題山積』より、抜粋。
セシウムの半減期は、30年。
30年後、2041年になって、これらの値は、やっと半分になるのです。これから100年~200年経って、それでもやっとチェルノブイリの避難基準まで下がるか、ということですよね(今後一切、新たに加わる汚染が無いとして)。
今回、全国に移動されることにあった牛には、この地域の牛も含まれているのです。
実際の人間、牛、生態系の健康などへの影響の答えはまだまだ先のことでしょうけれども、・・・いわゆる風評というものに関しては、すぐに何らかの影響がでてきてしまうと思います(だからテレビのニュースでは、あまりやらないんでしょうけれども)。やってることが、逆だと思います。
(・・・これは別に蛇足かもですが、写真は、昨年撮ったものです。)
ではー。