【岡山、神奈川、千葉も虎視眈々、上位進出目指す愛知、福岡】
31回目を迎える全国都道府県対抗女子駅伝は13日午後0時半、京都の西京極陸上競技場をスタートする。この3年間の優勝チームは岡山、京都、大阪と年替わり。大阪の連覇が成るか、それとも優勝回数で圧倒する地元京都が阻むのか。兵庫は社会人から中学生まで選手層が厚く、岡山も3年ぶりの優勝を狙う。千葉や神奈川は社会人が充実、愛知や福岡は強い高校生選手を中心とした布陣で上位進出をうかがう。
【2000年以降の優勝チーム】2000年長崎、01年兵庫、02年京都、03~04年(2年連続)兵庫、05~09年(5年連続)京都、10年岡山、11年京都、12年大阪 【優勝回数】京都14回、千葉・兵庫各3回、大阪2回、鹿児島・神奈川・宮城・熊本・埼玉・福岡・長崎・岡山各1回
コースは競技場を発着する全9区間42.195km。9区間のうち3区と8区の3kmは中学生限定区間で、残り7区間のうち3区間以上を高校生が受け持つ。最長距離は最終9区の10km、次いで1区の6km。準エース区間の1区とアンカーの役割が大きいが、その間を中学生や高校生らがどうつなぐかが上位進出の鍵を握る。
【大阪の中学生・高松望ムセンビの走りに注目、兵庫の中学生も強力】
大阪はダイハツ勢と年末の全国高校駅伝で5位に初入賞した大阪薫英女学院高の選手が主体。アンカーとみられる木崎良子は実業団女子駅伝5区で重友梨佐(天満屋)に次いで2位と好調を保っている。薫英の大森菜月は高校駅伝のエース区間1区で2位、松田瑞生も2区区間賞と強力。さらに注目を集めそうなのが中学生の高松望ムセンビ(薫英女学院中3年)。父ケニア人、母日本人のハーフで、昨年10月には中学女子3000mで歴代4位の9分13秒43を記録、1500mでも歴代3位の記録を持ち、将来の日本中距離界のホープと期待されている。
9年ぶりの優勝を狙う兵庫は小林祐梨子(豊田自動織機)のほか大学生の藪下明音(立命館大)、竹地志帆(仏教大)らがエントリー。藪下は昨秋の全日本大学女子駅伝の2区区間賞で立命2年連続優勝の立役者の一人、竹地は同じ区間で2位だった。高校生も横江里沙や福田有以(ともに須磨学園)ら高校駅伝で活躍した選手がエントリー、中学生も3000m9分20秒台の全国トップクラスの選手をそろえた。
【野口みずきは京都から初エントリー、岡山は天満屋と興譲館高中心】
京都は野口みずき(シスメックス)が初めて京都からエントリーした。所属先の練習拠点が今春、京都から神戸に移ることから「最初で最後の恩返しのつもり」(野口)。この駅伝を走るのは5年ぶりで、アンカー区間に回るとみられる。大阪国際女子マラソン(27日)も控えているが、調子はまずまずのようだ。大学生では久馬悠(筑波大)、高校生では高校駅伝を制した立命館宇治高の池内彩乃、広田麻衣らがエントリー。久馬悠は全日本大学駅伝で最長区間3区で2位と好走した。ただ双子の久馬萌(筑波大)が入らなかったのが残念。
岡山は天満屋と高校駅伝3位の興譲館高の選手が5人ずつエントリー。アンカーとみられる重友梨佐は実業団駅伝で2年連続5区区間賞と復調をアピールした。中村友梨香、泉有花らも控える。高校生では興譲館の川内理江が高校駅伝で1区3位、矢本桜子が2区3位、足立知世が5区4位と強力メンバーをそろえている。
【神奈川、千葉も優勝争いに絡む可能性】
神奈川は吉川美香らパナソニック勢に青山瑠衣(ユニバーサルエンターテインメント)が加わった。青山は実業団女子駅伝で1区区間賞、ユニバーサルの初優勝に貢献した。高校生も秋山桃子(白鵬女子高)や双子の森田香織・詩織(荏田高)、竹内あさひ(秦野高)ら有力メンバーがエントリーされており、優勝争いに絡んでくる可能性もある。
昨年3位だった千葉は今年も上位争いに加わりそうだ。新谷仁美はユニバーサルエンターテインメントのエース。土井友里永(スターツ)は実業団駅伝1区でユニバーサルの青山と激しい首位争いを演じた粘りの走りが印象に残る。津田真衣(立命館大)は全日本大学駅伝3区で区間賞。内藤早紀子(市立船橋高)、市村萌捺美(成田高)ら高校生も強い。
愛知は高校駅伝で一昨年優勝、昨年2位だった豊川高校勢中心の布陣。昨年12月、鷲見梓沙は3区区間賞、関根花観は4区区間2位と好走した。福岡の主将は昨春、立命館大から第一生命に入った田中華絵。高校駅伝で1区区間賞だった由水沙季(筑紫女学園高)、アンカーでチームを4位に押し上げた園田聖子(同)、ぎふ国体少年女子A3000mで日本人トップの3位だった矢野栞理(北九州市立高)ら高校生の活躍も注目される。