【前季最下位のNECが首位、岡山も好位置で折り返す】
バレーボールV・プレミアリーグ女子は27日レギュラーラウンドの第2レグ最終戦が行われ、前半戦が終了した。順位は1位NEC 2位久光製薬 3位岡山シーガルズ 4位東レ。前季最下位で降格の瀬戸際に立たされていたNECが、新外国人の活躍や若手の成長で見違えるほどの試合巧者ぶり。唯一の市民クラブチームの岡山も栗原恵の加入で攻撃陣に厚みが加わり、初優勝を狙える好位置で前半を終えた。
前半戦の順位と得失セット数
①NEC12勝2敗(得38、失19)②久光製薬11勝3敗(得38、失23)③岡山10勝4敗(得37、失20)④東レ9勝5敗(得33、失24)⑤デンソー6勝8敗(得25、失33)⑥トヨタ車体5勝9敗(得24、失33)⑦JT2勝12敗(得17、失37)⑧パイオニア1勝13敗(得17、失40)
総得点ランキング
①カナニ・ダニエルソン(トヨタ車体)272点②栗原恵(岡山)257点③福田舞(岡山)251点④イエリズ・バシャ(NEC)234点⑤長岡望悠(久光製薬)230点⑥荒木絵里香(東レ)212点⑦泉岡未来(デンソー)211点⑧近江あかり(NEC)210点⑨浅津ゆうこ(パイオニア)198点⑩ヤネヴァ・エヴァ(JT)194点
【NEC 新外国人期待通りの活躍、ベテラン・若手の歯車も噛み合う】
NECはトルコリーグに在籍していたイエリズ・バシャの加入に加え、23歳のサイドアタッカー近江あかりや20歳ミドルの島村春世、大野果奈ら若手の成長がチーム全体に活力を与えている。イエリズは総得点でリーグ4位、近江も8位、島村はアタック決定率で6位。ベテラン勢も杉山祥子がブロック決定本数(1セット当たり)で7位、アタック決定率で9位にランクされるなどチームを支えている。今季はフルセットとなった5試合のうち4試合をものにするなど、ここ一番での勝負強さも目立つ。
元日本代表セッターの中田久美が新監督に就任した久光は12月の全日本選手権決勝で東レを破り、3年ぶりの優勝を果たしたばかり。前半戦ではアタック決定率、アタック決定本数(1セット当たり)、サーブ効果率がいずれもリーグ1位と、攻守のバランスの良さが光った。とりわけアタック決定率では2~4位に平井香菜子、長岡望悠、岩坂名奈の3人が並び、中でも開幕からスタメン起用された21歳のサウスポー長岡は総得点でもリーグ5位に位置するなど活躍が目を引いた。
【岡山 栗原の加入が活気を呼び込む 山口も2カ月ぶり戦列復帰】
8チーム中唯一外国人がいない〝純和製チーム〟岡山にとっては栗原の加入が大きい。チーム一の得点源だった福田舞に栗原が加わったことで攻撃に厚みが出てきた。総得点で栗原はリーグ2位、福田が3位。栗原はブロックやサーブでも定評通りの活躍を見せ、サーブ効果率ではリーグ2位にランクされている。栗原の活躍は総得点257点の内訳(アタック223点、ブロック18点、サーブ16点)が如実に示す。
その結果、前季7位だったチームのアタック決定率は2位に、最下位だったサーブ効果率は5位に上がっている。チームにとっては左足首故障のため2カ月間戦列を離れていた山口舞が後半戦を前に復帰してきたのも朗報。ブロード攻撃を得意とする山口の復帰で、後半戦ではさらに多彩な攻撃が可能になりそうだ。岡山の過去の最高順位は4位(2007~08年と11~12年)だが、今季は混戦の中で初優勝さえ現実味を帯びてきた。前半2戦2敗だった東レ戦が今後のカギを握りそうだ。
【東レは木村の退団、デンソーもデラクルスの退団が響く】
東レはチームの要だった木村さおりが抜けたことによる戦力ダウンは否めない。アタック決定本数はリーグ5位、バックアタック決定率は6位にとどまる。その中で奮闘しているのがベテラン荒木絵里香。総得点ランクで6位、アタック決定率とブロック決定本数ではリーグトップになっている。デンソーも前季の得点王デラクルス(ドミニカ共和国)の退団が痛い。
泉川正幸が新監督に就任したトヨタ車体ではハワイ大学から新加入したカナニ・ダニエルソン(米国)が総得点でトップを走る。竹下佳江が抜けたJTは新セッター山口かなめにとって試練が続く。パイオニアは開幕10連敗の後1月19日のJT戦で初勝利を上げたが、その後また3連敗。ただフルセットに持ち込んだ試合も5ゲームあり、後半戦の奮起が期待される。