【京都府立山城郷土資料館と奈良県立民俗博物館で開催中】
京都と奈良で、昔の生活道具を集めた企画展が開かれている。京都府立山城郷土資料館の「暮らしの道具いまむかし」展(3月31日まで)と奈良県立民俗博物館の「大和の昔のくらし」展(2月3日まで)。展示されているのはちゃぶ台や箱膳、かまど、ブリキのたらいと洗濯板、回転こたつ、氷冷蔵庫、手回し洗濯機、謄写版、五右衛門風呂……。電化製品が出現する前の生活道具にも温かさと暮らしの知恵がいっぱい詰まっている。
【京都府立山城郷土資料館】
ちゃぶ台は食卓にも子どもの勉強机にもなり、足が折り畳めるためスペースを取らないスグレモノだった。4人分のお膳の中で主人の膳だけ脚が高い。氷冷蔵庫(上の写真左㊦)は上の棚に氷を入れ、下の棚に食料を入れて冷やす。五右衛門風呂は釜茹でされたという石川五右衛門にちなむ。手でローラーを回して脱水する電気洗濯機が懐かしい。
【奈良県立民俗博物館】
回転こたつ(写真左㊤)は足で蹴ったりしても火入れが常に上を向くように工夫されていた。熱源が炭火という炭火アイロンもあった。箱膳は1人分の食器が中に納められており、食事のときにはふたの上に出して使う。「ユネコ」(写真右㊦)は戦時中の湯たんぽ。漢字では「湯猫」と書くらしい。