【高さ5mのジャンボ雛も 地域の高齢者が1カ月がかりで制作】
高取町で開催中の「第7回町家のひなめぐり」では伝統的な五段飾りや七段飾りのほか、ユニークな〝変わり雛〟も多く展示されている。赤鬼・青鬼の後ろでユーモラスな表情を見せたり、わら細工の宝船に仲良く乗り込んだり、輪切りの青竹にずらりと鎮座したり……。土佐街道沿いの2カ所では地域の高齢者たちが1カ月がかりで作った〝ジャンボ雛〟も出迎えてくれた。
清水谷地区の「絆の広場」にそびえる「ジャンボ子供びな」(下の写真㊧)2体は、1月11日から住民15人前後で制作を開始。焚き火で暖を取りながら連日作業に取り組み、2月15日に完成した。今年で2年目。この巨大な雛人形には高齢化が進む中で地域住民の絆を再生したいという願いが込められている。上子島地区の「元気ひろば」に展示されているジャンボ雛は今年で3年目。こちらは干支シリーズで、今年は巳年にちなんで巨大なヘビの雛人形(下の写真㊨)を作り上げた。
季節の草花で飾り立てたものもあった。名づけて〝苔玉雛〟(下の写真㊨)。お内裏様はラナンキュラス、右大臣と左大臣はスイセン、3人官女はプリムラといった具合だ。町家の窓辺に飾られた雛人形の中には20年ほど前、たまたま京都・東寺の弘法市で見つけたという明治時代後期の豪華な〝御殿雛〟もあった。全部パーツが揃っているか不安もあったが、家で数時間がかりで組み立ててみると寝殿、渡り廊下、賢所がそろった畳一畳分にもなる立派な御殿が完成した。