【広場でハンギングバスケット展、通りにも寄せ植えや吊り籠が60点】
連日多くの観光客でにぎわう高取町の「町家のひなめぐり」(31日まで)。土佐街道沿いに展示された美しい草花の数々が、そのイベントに彩りを添えている。作ったのはハンギングバスケット教室の生徒のほか地元の女性たち約30人。見事な寄せ植えや吊り籠が、華やいだ「花の街」に仕立て上げた。
企画したのは「花工房花夢花夢(かむかむ)」。恒例のハンギングバスケット作品展と同時に、今年は町民の参加を得て作った寄せ植えと吊り籠30点ずつを通り沿いに飾った。作品展会場は観光案内所「夢創館」の隣。壁面を花で飾り立てた路地を抜けると、広場の中にも作品が点々と並ぶ。
右手奥には蔵を利用した「くすり博物館」。和の雰囲気が漂う佇まいの中に、洋風に仕立てたハンギングバスケットが癒しの〝異空間〟を作り上げていた。雛人形を飾った町家の玄関口や連子格子窓などにも、今や盛りと咲き誇る草花の寄せ植えや吊り籠。なまこ壁の家老屋敷「長屋門」の門前でも、大きな鉢にチューリップをはじめ色とりどりの花が植え込まれていた。ひと足早く春がやって来たかのようだ。
作品づくりを指導したのは工房を主宰する吉村雅代さん。HPによると、英国王立園芸協会日本支部認定のハンギングバスケットマスターや「日本花の会」花のまちづくりアドバイザーなどの資格を持つ。NHKで「オープンガーデンのカリスマ主婦」として紹介されたこともあるそうだ。受賞歴も目を瞠る。2004年に全国花いっぱいコンクール個人の部で「日本花いっぱい協会賞」、07年には全国花のまちづくりコンクール個人の部で農林水産大臣賞(花のまちづくり大賞)。
町を巡るうちに英国の観光地バース(別府市の姉妹都市)を思い出した。バースは古代ローマの温泉浴場跡「ローマンバース」で有名な世界遺産都市だが、「花の街」としても知られる。広場や公園はもとより街路や民家の窓辺など至る所が美しい花や緑で飾られていた。訪れてから随分経つが、今でも美しい町並みを彩っていた花々が目に焼きついている。