く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<唱歌・叙情歌> ソプラノの岡田由美子さんと一緒に歌う!

2013年03月16日 | 音楽

【早春賦、赤い靴、埴生の宿、蘇州夜曲、みかんの花咲く丘……】

 奈良市生涯学習財団主催の「With コンサート~唱歌・叙情歌を一緒に歌おう」と題した歌声コンサートが15日、奈良市の中部公民館で開かれた。出演はソプラノ歌手の岡田由美子さん。中高年の女性を中心に約200人が参加し、懐かしい唱歌、童謡、流行歌など約20曲をピアノの伴奏に合わせて口ずさんだ。

  

 岡田さんは大阪芸術大学卒で、日伊声楽コンコルソ入選、日本歌曲コンクール第3位などの実績を持つ。東日本大震災支援コンサートや宮城県多賀城市(奈良市の姉妹都市)の市制40周年復興コンサートへの出演のほか、盲導犬チャリティーコンサートなど福祉活動にも力を入れており、奈良県社会福祉協議会会長賞を受賞している。

 コンサートではまず岡田さんが奈良にちなむ「八重桜」「平城山」や東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」など7曲を独唱。続いて来場者と一緒に「早春賦」「春の小川」「赤い靴」など7曲を歌った。松原由香さんのピアノ独奏(リストの「愛の夢」)を挟んで、「埴生の宿」「ローレライ」「蘇州夜曲」「高原列車は行く」「みかんの花咲く丘」「花」などと続き、最後は「故郷(ふるさと)」で締めくくった。この間約1時間40分。歌い終わって参加者の多くが清々しい表情を浮かべていた。

 この日歌った曲のうち「赤い靴」は米国人宣教師の元へ養子に出した薄幸な子どもをモデルに野口雨情が作詞し、本居長世が作曲した。知らない人がいない有名な童謡だが、過去に音楽教材の中で扱われたことがないそうだ。以前読んだ「教科書から消えた唱歌・童謡」(横田憲一郎著)によると、「『異人さんにつれられて』の歌詞が、外国人が女の子をさらうという意味に受け取られ、外国人への差別的ニュアンスがある」(教科書編集者の話)からというのだが……。

 「埴生の宿」の原曲は英国の「ホーム・スイート・ホーム(楽しきわが家)」。明治時代に里見義(ただし)が訳詞をつけ、「ビルマの竪琴」で一躍有名になった。戦時中、激戦地ビルマで英国部隊に取り囲まれた日本兵たちが「埴生の宿」を歌うと、敵・味方なく大合唱になった――。英国発祥の歌にはこのほか「蛍の光」や里見訳詞の「庭の千草」などがあるが、いずれも日本にすっかり定着している。

 この日のプログラムには滝廉太郎作曲の2曲も入っていた。「花」と「荒城の月」。だが時間の都合からか、「荒城の月」だけカットされたのが残念だった。以前、滝が少年時代を過ごした大分県竹田市を中心に、「荒城の月」の音楽教科書への継続掲載運動が展開されたことがあった。「時代感覚に合わない」「歌詞が難解」といった理由で懐かしい唱歌や童謡が教科書から次々に消えてきたが、この「荒城の月」は最近どんな扱いになっているのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする