く~にゃん雑記帳

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<モモ(桃)> 源平・菊桃・矢口…花モモの多くは江戸時代に作り出された!

2013年03月30日 | 花の四季

【山梨・長野など各地の〝桃源郷〟で桃まつり、大阪城の桃園も見頃に】

 バラ科で日本には古く中国から渡来した。記紀や万葉集にもすでに見える。「春の苑紅にほふ桃の花 下照る道に出で立つ乙女」。大伴家持は越中守在任中にこう詠んだ。花が美しく庭木や切り花として栽培されるものを「花モモ」、果実を食用にする品種を「実モモ」と呼ぶ。日本でモモが食用として栽培され始めたのは明治以降と比較的新しい。

 花モモには1本の木に紅白の花が咲く「源平」(写真)をはじめ、緋色で八重の「矢口」、花の形が菊に似た「菊桃」、八重で緋紅色の「寒緋桃(カンヒトウ)」、白の大輪の「関白」、箒(ほうき)を立てたような樹形の「箒桃」などがある。このうち「源平」は源氏(白旗)と平家(赤旗)が入り乱れて戦った源平合戦にちなんで名づけられた。樹形から「枝垂れ源平」と「立ち源平」がある。花モモの多くが江戸時代に作り出され、江戸後期には200種もの品種があったという。

 「日本一の桃の産地」山梨県の笛吹市では桃の開花に合わせ4月1~21日「桃の花まつり」が開かれる。期間中「川中島合戦戦国絵巻」をはじめ多彩なイベントが繰り広げられる。甲州市では「えんざん桃源郷ひな飾りと桃の花まつり」(4月18日まで)が開催中。花の見頃は4月上旬から中旬にかけてという。「日本一の花桃の里」茨城県古河市では「古河桃まつり」(4月7日まで)を開いている。今年で37回目。会場の古河総合運動公園の桃林を中心に5品種・2000本が咲き乱れる。

 長野県上田市の「余里(より)の一里花桃」は文字通り1里約4キロにわたって2000本が咲き誇る。地元の「花咲じいさんクラブ」が地域おこしのため10年以上かけて植樹した。見頃は4月下旬~5月上旬。関西では大阪城公園内の桃園が名所の1つ。14年前の1999年春に開園した。本数は約200本とさほど多くないが「枝垂れ源平」など12品種と種類が多いのが特徴。大阪市東部方面公園事務所によると「早咲きはほぼ満開で見頃。源平は3~4分咲き」とのこと。

 桃の花といえば思い出されるのが宝塚歌劇の「我が愛は山の彼方に」。鳳蘭、安奈淳の2トップと共演した娘役の大原ますみが歌った「桃の花」が忘れられない。「桃の花、桃の花、甘い香りを漂わせ……」。ふくよかな桃の花同様、実に優しく清楚な歌声だった。この演目が故長谷川一夫の宝塚初演出だったという。あれから、もう……。「源平桃地にも紅白散りみだれ」(鈴木花蓑)。

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