言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

「ある地方商店街の小さな一歩」<その14>

2012-02-08 09:30:58 | 繁盛店物語(創作)
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


「ある地方商店街の小さな一歩」<その14>


新理事長や他の役員が決定し、方針が決まったところで時間も相当使ったので、閉会になった。

次回の会合にも本田と前理事長の田島やその他前理事たちは、オブザーバーとしてしばらく出席することになった。

本田は企画や販促のアドバイザーとして、その他は議事進行やその他運営についてその都度アドバイスすることになっていた。

その日は、時刻もすでに夜中に近かったので、お開きになった。


翌日、田島から本田に電話があった。

「本田さん、昨日は、というか、今日は遅くまでありがとうございました」

「いえ、だいたい私が目論んでいた方向になんだか踏み出していくような気がして、ちょっとうれしいですね。少し興奮してよく眠れなかったです」

「はは、自分で爆弾を投げこんでおいて。よく言いますよ」

「いや、あ、まあそうか。そういうことになりますかね」

「ったく。こんなときは関西弁では、ようやりまんなあ、ほんま、とでも感心するところですかね」

「まいりました。田島さん、朝から厭味ですか」

「いえ、滅相もない。ーーーそれで、昨日のお礼といえば聞こえはいいですが、ちょっと今晩は飲みませんか。おごりますから」

お酒の誘いだけではなさそうだ、と本田は思った。

田島の口調の裏には何かあるな、と電話口で感じた。

「わかりました。それじゃ遠慮なくごちそうになります」



「実はちょっと相談があるんだ、本田さん」

生ビールで乾杯をしてからしばらくは、昨日の話題で当たり障りのない話を続けていたが、ちょっと話が途切れたところで田島が急に改まり、本田の正面に向き直って話しはじめた。

すると、どこに座っていたのか、他の、本田からは見えないテーブルに座っていたらしい2、3人が、こちらのほうのテーブルにやってきた。

あらためて彼等を見ると、それは青果店を営んでいる大艸と、鮮魚店の増野、それに雑貨店の村上だった。

いずれも前理事たちだ。

本田は、もしかしたら昨日突然やめさせられた前理事たちのいやがらせか、と一瞬思って身構えたが、彼等の顔つきから見るとそうでもなく、それぞれの顔には微笑があった。

「本田さん、昨日はどうもおつかれさまでした。それにありがとうございました」

田島以外の3人はまだ立ったまま、本田に軽く礼をした。

「あ、いや、そんなこと………ないです」

本田はちょっとうろたえたが、すぐに気を取り直して「いや、あの、もしかしたら、ここでみなさんにとっちめられるのかなって、あちらから立って見えたときには怖かったですけど、顔を見て安心しました」

「わっははははっ」

5人が、その言葉でいっせいに笑い出した。


<15>へつづく。

(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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言葉が浮き彫りされるときが危機だ

2012-02-08 09:24:58 | 販売促進コンサルタントの日記
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

昨夜から北風が強くなり、今朝もまだ強く吹いています。
それにつれて寒くなりました。
次の寒波がやってきたようです。
今朝はまだ雨模様の雲と青空がせめぎ合いをしていましたが、だんだんと青空がそのスペースを徐々に広げてきています。


最近というのでもないんですが、よく「モノづくり」という言葉がマスコミで言われるようになりました。

しかしもともと日本の工業はその「モノづくり」が得意で、さらには、いい技術で工夫をこらした製品を世界に先駆けて作ってきたことで、先進諸国に負けない工業製品を生み出してきました。
でもそういった盛んなときには「モノづくり」なんて言葉は聞かれませんでした。

最近になって「モノづくり」「モノづくり」と、日本はいい製品を作っているんだと声高に言わなければならなくなってきたようです。
そのことは裏を返せば、「モノづくり」が危機的な状況にあるということです。

少し話を変えますが、同じように最近、特に昨年から言われるようになった言葉に「絆」があります。
これも必要と感じるようになったから言われるようになっただけで、ということは、最近ではその「絆」が薄れてきていたということの裏返しではないかなと思ったのです。
昔はもっと、人々とのつながりは地域共同体の中で強固でした。
それがなくなってきたから、あえて口にしないことには、そのつながりが感じられなくなってきたということです。


「日本のモノづくり」にも、同じことが言えるのではないでしょうか。

声高に叫ばなければなくなっていくという危機感が、言わしめている言葉です。
なぜそれほどにも「モノづくり」と言わなければならなくなったのでしょうか。

それは安い労働力を求めて、所得水準の低い国へと製品づくりをシフトしていった日本の経営者の責任です。
そこにはもちろん商品をできるだけ安く販売し、マーケットでの優位性を保とうとする企業の論理が働いていますが。

“ダメになったから言葉にして(助けてくれと)叫ぶ”、単純に考えればそういうことですね。

そうして注意を促すということ、というよりも、悲しい叫びだということもできますね。
そんなことを声高に叫ばなくても中小企業が自身の技術で生きていくためには、どういったことが必要なんでしょうか。

バカなわたしには問題提起はできますが、その解決策は浮かびません。

でもひとつだけ言えることは、いい加減に日本に帰って来いよ、といいたいですね。
海外の安い労働力を当てにしていると、どんどんと深みにはまっていくだけのような気もします。

労働生産性が上がっていくと、その国の所得も上がり、賃金も上がっていきます。
かつての日本がそうであったように。
そうなるとまた水準の低い国を求めていくのですか? ジプシーのように。

それよりも今以上に商品力を強くしていく方向にそろそろ向かうべきではないでしょうか。


それでは今日はこれで。
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あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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