言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

「ある地方商店街の小さな一歩」<その15>

2012-02-14 10:45:09 | 繁盛店物語(創作)
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信で、明日はちょっと時間がないので今週は火曜日の配信です)


「ある地方商店街の小さな一歩」<その15>


「いや、まあね。ちょっと腹が立ったときもありましたよ、実際のところ」

村上が言った。

「この野郎、勝手なことを、ってね」

「でも本田さんの言う通りなんだよ」

大艸がその後を継いで言った。

「俺たちも、心の中じゃ何となくわかってたんだけどなあ。でも第三者に言われて、なんだかやっと目が覚めたっていうか、覚めさせられたっていうか。自分の心の中を誰かに言ってもらって、ちょっとはほっとした部分もあったし………」

「ああ、その通りだな」

3人も相づちを打った。

「さてそれはまあ、今度の新しい役員さんたちにまかせておいて。なあ増野さん、こないだからちょっと話してる例のこと、今から本田さんと練ってみようよ」

やっと本題に入りそうだ。

すでに本田の腹の中には、ビールがたっぷり入っていた。



「何でしょう」

「うん。ほら本田さんが以前ちょっと話してたことがあったろ? 店同士が集まって、もうひとつお互い扱ってる商品を持ちよることができる店を作るって」

「ああ、はい、あれですね」

「そうなんだ。俺たちちょっと考えてみてさ、本田さんがお弁当屋さんをやったらどうかって言ってくれた時があったろう。今まで自分たちが扱ってきた商品を持ち寄って作るわけだから、まったく新しく店を作るよりも、予算をつぎ込まなくていいんじゃないかって」

「ええ、コラボ弁当屋さん、のことですね」

「そう、そのコラボ弁当!」

「具体的に聞かせてくれないでしょうか」

田島が身を乗り出していった。

「以前もどこかの講演で話をさせていただいたんですが、空き店舗、それも飲食店を以前にやっていたところをですね、そこをまず借りることですね。
みなさんたちだったらみんな知り合いですから、そういったことでは簡単ですよね。貸す方も、みなさんだったら安心だということもあるわけですから」

「1軒、心当たりがあるんだ」

増野が言った。

「2年ほど前まで洋食屋をやっていた店なんだけどね。その店の清さんという人が、店やめたくなかったんだけど、倒れちゃったんだよ。本人は治ってからも再開したいようだったけど、やっぱりこのご時世だろ。いったんやめちゃうとね、なかなか………」

「その店が空いているんだ」と田島が言った。

「清さんも愛着があるから、今でもきれいにしてあるんだよ。それでね、こないだ本田さんのこともあって、ちょっと清さんに聞いてみたんだ。そしたら俺たちに使ってもらえるんだったら、うれしいって言ってくれてね、それで」

「それで、じゃあやろうよってことで、具体的に進めたいから、本田さんを呼んだわけさ」大艸が後を引き取った。

「清さんもアドバイスぐらいはできるし、自分の名前があるとほら調理師免許が活かせるし、って。もうトントン拍子に話が進んじゃってさあ」

どうだろ、と全員の視線が本田に向いた。

本田も頷いた。



新生満天通り商店街の歴史は、ここから、もしかしたら始まるのではないだろうか。




                                     おわり



(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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「船中八策」から

2012-02-14 09:50:03 | アイデア・事例
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

今日は、もう私などには縁のあまりないバレンタイン・デーですね。
でも朝から曇っています。
目が覚めたときにはまだ雲があったのですが、陽も射していました。
しかし今はもう空はグレー一色です。
予報では昨夜雨か雪が降るということでしたが、どちらも降りませんでした。
今日の予報は夕方から雨ということです。


さて昨日は橋下大阪市長率いる「大阪維新の会」が発表した“船中八策”がマスコミを賑わしていました。
今朝のニュースショーでもその話題で持ち切りです。

その「船中八策」ですが、これはもちろんそのニュースなどでもその度に報じられているように、坂本龍馬が大政奉還後の日本をどのようにしていくかという、長崎から今日へ向かう「夕顔丸」船中で考えた大綱のことです。
坂本龍馬ももちろん考えだしたことですが、彼がそれまでに出会ったさまざまな人たちの考え方を自分なりにまとめて出てきたものです。
その内容は下記の通りです。

一、天下ノ政権ヲ朝廷ニ奉還セシメ、政令宜シク朝廷ヨリ出ヅベキ事。
一、上下議政局ヲ設ケ、議員ヲ置キテ万機ヲ参賛セシメ、万機宜シク公議ニ決スベキ事。
一、有材ノ公卿諸侯及ビ天下ノ人材ヲ顧問ニ備ヘ官爵ヲ賜ヒ、宜シク従来有名無実ノ官ヲ除クベキ事。
一、外国ノ交際広ク公議ヲ採リ、新ニ至当ノ規約ヲ立ツベキ事。
一、古来ノ律令ヲ折衷シ、新ニ無窮ノ大典ヲ撰定スベキ事。
一、海軍宜シク拡張スベキ事。
一、御親兵ヲ置キ、帝都ヲ守衛セシムベキ事。
一、金銀物貨宜シク外国ト平均ノ法ヲ設クベキ事。
以上八策ハ方今天下ノ形勢ヲ察シ、之ヲ宇内万国ニ徴スルニ、之ヲ捨テ他ニ済時ノ急務アルナシ。苟モ此数策ヲ断行セバ、皇運ヲ挽回シ、国勢ヲ拡張シ、万国ト並行スルモ、亦敢テ難シトセズ。伏テ願クハ公明正大ノ道理ニ基キ、一大英断ヲ以テ天下ト更始一新セン。

                   (出典:ウイキペディアより)

要は、天皇制のもと、民間から志の高い人を広く登用し、民主政治をすること。外国とは対等につき合おうということ。などなどですね。

さてと、なんで「船中八策」を今日取り上げたかというと、上記にはほとんど関係ありません。
「船中八策」と聞いて思い出したのは、何とこれです。
   ↓


そう、日本酒ですね。
こういうお酒が高知にはあります。
もちろん坂本龍馬の「船中八策」からそのまま借りたネーミングです。

考えごとをするときは、このお酒でも飲んでリラックスして考えてほしいとでもいうところでしょうか。

ずいぶん前になりますが、高知に旅行に行った人からお土産としていただいたので、よく頭に残っていたのです。
お酒そのものをあまり晩酌として飲まない自分ですので、ちょっと飲んだ後、もったいないことに料理に使ってしまいましたが。


さて話はこれからビジネスの話になります。
その「船中八策」を自社の日本酒にネーミングとして採用したとき、果たしてその人は、今のこの「船中八策」ブームを予感したでしょうか。

坂本龍馬を主人公としたドラマや映画が作られるときに少しはそのネーミングは広まるでしょうが、それ以外はやはり基本的にはその地域で飲まれ、ちょっとしたお土産品として旅行客に買われていくだけでしょう。

しかし今の世の中、ひょんなことからその名前が喧伝されることがままあります。
今回の騒動はまさにそれですね。


ネーミングというのはとても大事です。

人の名前にしてもそうですが、名を付けられることによってそれが存在を始めるわけで、名がないということは、逆に言うと存在していないのと同様です。

「言霊」という言葉があります。“言葉の魂”とでも言うんでしょうか。
名前を付けられるとそのものに「言霊」も入ります。

その「言霊」によって、そのものの行く末や最期が決まるというのは極言ですが、ある意味そういったこともあると思います。
ネーミングはそこまで考えてつけるべきものです。

この「船中八策」という日本酒のネーミングをつけた人は、地元の偉人坂本龍馬の偉業をたたえ、自ら生み出した商品にその名を冠したのでしょう。
その魂が、あるときこうして意外なところから実を結んだのではないでしょうか。

果たして大阪維新の会による「船中八策」と日本酒の「船中八策」がそのまま結びつくとは思えませんが、インターネットで「船中八策」を検索すれば、必ずこのお酒も検索されます。
そうして気がつくと、日本中から注文が殺到するということもあり得るわけです。

そういう僥倖もなきにしもあらず。
あなたも自社商品のネーミングをつける場合は、そういった地元の偉人の業績も参考にしてみませんか。


さて今日はバレンタインデーで、チョコレートが飛ぶように売れるでしょうが、どうして「バレンタイン」というネーミングのチョコレートがないでしょうか。

あまりにもベタ過ぎる?
バレンタインデーにしか売れない?
いや、そんなことはないと思いますよ。


それでは今日はこれで。
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あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。
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