ごっとさんのブログ

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日本が患者不足に陥る意外過ぎる未来

2025-01-12 10:31:24 | 時事
日本の少子化は大きな問題となっており、このブログでも色々と取りあげています。昨年1年間の出生数が70万人割れになるかもしれず、大きな話題となっています。

ここでは医師と患者という観点からこの少子化問題を取り上げてみます。職業として見た医師は、いつの時代も人気職種です。社会ステータスは高く、得られる報酬も多いというのが多くの人の受け止め方でしょう。

患者数をマーケットと呼ぶことには違和感がりますが、あえてビジネスという観点で医療を捉えると、2024年までに人口ボリュームの大きい団塊世代が75歳以上となるのに伴い、大病を患う人が増える見込みです。

表向きは有望な産業に見えますが、内実を調べるとそうでもないようです。政府は国民の高齢化に伴って患者が増えるとの予測から2009年以降、医学部の入学定員枠を段階的に増やしてきました。一部の地域や診療科で医師不足が露呈していたためです。

その結果いまや医師は毎年3500〜4000人ずつ増加し続けています。しかし地域偏在や診療科偏在は簡単には解消せず、地方の中には医師不足の状況がむしろ悪化したところも少なくありません。

日本全体として考えると、人口減少下で医師の養成数をこれまでのペースで増やし続けることは難しくなっています。総人口の減少と共に患者数が減っていくからです。医療現場に立つ医師を養成するのには長い年月がかかるため、タイムラグが生じてうまく調整できないのです。

患者が多い時には養成が間に合わずに医師不足が続き、ようやく医師数が増えたころには人口減少で患者も減り、医師過剰というよりも患者不足になっているのです。患者不足は地方圏ほど早く訪れます。

2025年から2040年にかけて21県で65歳以上人口が減り、75歳以上の人口の減少は17府県となっています。厚生労働省は患者不足時代の到来を裏付けるデータを公表していますが、入院患者数は高齢者人口が最高値に近づく2040年にピークを迎えます。

入院患者数を高齢人口の医療圏別に見ると、2020年までに89カ所の二次医療機関でピークを迎えたと見込まれ、2035年までに260カ所でピークとなるようです。

外来患者についてはすでに減少している医療圏が多く、2020年までに214カ所でピークを迎え、全国で計算しても2025年にピークとなると推測されています。このように医療問題は難しいのですが、患者が集まる医師がどういうものかよくわかりません。

私が毎月いっているクリニックは午前中だけで70人も患者を診ており、典型的な3分診療となっています。しかし待合室はいつも満員で、かなり人気があるようです。

幸い自宅近くにはかなりクリニックがありますので、変えてみるのも良いのかもしれません。