ごっとさんのブログ

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認知症患者増加で日本はこれからどうなるのか

2025-03-01 10:32:46 | その他
私の身近なところでも認知症はかなり一般的でした。私の母や女房の両親は皆認知症を発症してしまいました。

母は80歳になるころから軽度の認知症となり、徐々に進行していきましたが、89歳で亡くなるまでそれほど重症化はしませんでした。それでもしっかりしていた母が徐々に壊れていくのを見るのは辛いものがありました。

最後は急な発熱などがあり、医師も自宅では危険という事で入院しましたが、認知症患者を自宅でというのは難しいのかもしれません。

さて日本は人口減少が進む中で、認知症患者は増加しています。これにどう対処すればよいのかは難しい問題といえるようです。身体機能や認知機能の低下が現れ始める状態を示すフレイル(虚弱)の増加が懸念されています。

身体を動かす機会が減ることで、徐々に歩行が困難となり階段を少し上がるだけで息切れしたり、靴下を自分ではけなくなったりします。他人と会話する機会が激減することで物忘れが激しくなるケースもあります。

こうなると外出する意欲そのものがなくなり、ますます状態が悪化していきます。スポーツ庁の体力・運動能力調査(2020年度)によれば、体力の向上が続いていた高齢者(65~79歳)の平均値はすべての年齢階層で前年度より低下しました。

東京大学高齢社会総合研究機構のデータによれば、外出自粛生活の長期化で加齢性筋肉減弱現象(サルコペニア)が進行します。緊急事態宣言に伴う外出自粛要請の前後で比較すると、筋肉量が低下した高齢者は24.3%、歩行速度が低下した高齢者は27.3%でした。

日本認知症学会が2020年5〜6月に専門医を対象に実施したアンケート調査によれば、認知症の症状悪化を多く認めるが8%、少数認めるが32%で、何らかの悪化が認められた患者が4割を占めました。

症状としては認知機能の悪化が47%、BPSD(行動・心理症状)の悪化が46%、合併症の悪化が34%でした。認知症の患者数は、コロナ禍とは関係なく高齢者数の増加に伴って増えると予想されています。

厚生労働省の資料によれば、糖尿病の有病率が上昇した場合、団塊世代が75歳以上となる2025年に730万人で65歳以上の5人に1人(20.6%)、2040年には953万人で4人に1人(25.4%)が該当すると推計しています。

認知症患者の想定以上の増加は、社会保障費の増大につながります。内閣官房などの推計によれば、2025年度に最大140兆6000億円、2040年度には190兆円に膨らむとしています。

これに対処する方法はありませんので、事実を受け入れるしかないのかもしれません。