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鳥は圧倒的な運動能力を持ち、肥満や病気になり難い

2025-02-21 10:34:27 | 自然
私は鳥をペットとしてかったことはないのですが、30年以上前に子供が生まれたての雀のひなを拾ってきて育てたことがあります。

虫を探して餌にするなど結構苦労しましたが、何とか大きくなるまで育てました。ほぼ大人になったぐらいで自然に返そうと外に出しましたが、しばらくは帰ってきていました。そのうち他の雀と一緒になってから帰ることはなくなりました。

さて鳥類の運動能力は、生物の中でも飛びぬけて優れています。鳥は哺乳類などとは別次元のスーパーミトコンドリアを持っているためのようです。

この形質は約2億5千年前に起きた大絶滅後の低酸素という強力な選択圧のもとで、原始的な爬虫類から獣脚類が進化する過程で生み出されました。ヒトとアネハヅルの低酸素での運動能力には、超えられない大きな差があります。

鳥類の運動能力は、生物の中でも別次元のものです。この理由は、鳥が優れたミトコンドリアを持っているからです。これは哺乳類の物とは全く異なり、スーパーミトコンドリアと呼ばれています。

スーパーミトコンドリアは、哺乳類のミトコンドリアと比較して、酸素消費が高く、活性酸素の産生が低く、脂肪の合成が低くなっています。鳥は細胞がスーパーミトコンドリアで満たされているため、活性酸素を作らずに、常にフルパワーでエネルギー基質を生産することができます。

スーパーミトコンドリアの出現による酸素消費の増加は、気嚢システムの装着による酸素供給の増加とセットで理解する必要があります。酸素の需要と供給の両面から改革を起こしたからこそ、低い酸素濃度の環境でも、高い効果(運動能力)を発揮します。

たとえば鳥の酸素吸収能力は、20%の酸素濃度の時は哺乳類の30%程度高いだけですが、10%の酸素濃度(高度6000m)においては、哺乳類の肺よりも200%効率が高くなります。鳥は持続的に運動すると酸素消費は増えるが、活性酸素の放出量はほとんど増えません。

哺乳類は強度の高い運動をすると、酸素消費量は増えますが、活性酸素の放出量はそれ以上に増えます。そのため哺乳類では活性酸素の放出源として老化を促進する働きがあると考えられますが、鳥では活性酸素を除去する装置として働くために、老化を抑制する働きがあるのです。

獣脚類が鳥に進化するのは、ジュラ紀後期とされていますが、この時すでに酸素濃度は高い状態でした。鳥はスーパーミトコンドリアをすでに装着していて、高い運動性能を持っていたから飛行できたと考えられるようです。

このように鳥は肥満や病気になり難く、寿命も長いとされています。こういったことがすべてスーパーミトコンドリアのためであれば、なかなか面白い研究材料かもしれません。


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