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免疫に関するウソとホント

2020-07-07 10:51:22 | 自然
今回の新型コロナのような感染症が広がると、対抗するための免疫が注目されますが、ややわかりにくい免疫だけに色々な諸説が出ているようです。

新型コロナには若者もかかりますが、若年層の死亡率は低く年代が上がるほど感染すると重症化しやすい傾向があります。やはり若い人ほど元気で免疫力は高いのかもしれません。

免疫力は小学校高学年でピークを迎えて、それが20代くらいまで維持されます。その後40代後半から免疫力は落ち始め、免疫細胞を作っている骨髄の造血幹細胞の分化能力は、50歳を超えると半減するとされています。

造血細胞の分化能力が低すぎるので、55歳以上は白血病患者の骨髄移植のドナーになれないほどです。これはやや特殊なケースですが、やはり若者ほど免疫力が高いというのは確かなようです。

男性は女性よりタフなイメージがありますが、日本の新型コロナの死者の7割以上は男性です。どうも基本的には女性の方が男性より免疫力は高いといえるようです。男性ホルモンのテストステロンは免疫を抑えるのに対して、女性ホルモンのエストロゲンは免疫がうまく働くように調整する作用があります。

他方女性には免疫の異常で自らの正常な細胞を攻撃する自己免疫疾患が多くなっており、自己免疫疾患の罹患率は女性が男性の10倍となっています。つまり免疫力という点では女性の方が男性より強いことは確かなようです。

新型コロナにさらされても罹らない人もいるし、軽症で済んだり無症状の場合もあります。今回のパンデミックで、免疫力の意外な側面が脚光を浴びました。免疫には生まれつきの自然免疫と生後獲得する獲得免疫がありますが、これまで免疫力というと獲得免疫ばかりが注目されていました。

獲得免疫のない今回の場合は、自然免疫が効いた可能性があるようです。生まれつき自然免疫が高いタイプがかからなかったか、軽症で済んだと考えられます。

現代社会でストレスと無縁の人は多分おらず、このストレスこそが免疫力を下げる最大の敵といわれています。ストレスで免疫力が下がるメカニズムで最もメジャーなものがコルチゾールというホルモンを介したものです。

ストレスを感じると副腎皮質からコルチゾールが分泌されますが、このコルチゾールはストレスに対抗するために血糖値や血圧を下げる一方、免疫細胞の働きを抑えてしまいます。その他適度な運動(過度な運動は免疫力を下げてしまいます)や規則正しい生活が免疫力を挙げるというのは確かなようです。

私のような高齢の男性は免疫力が低下していることになりますが、長年生きているので非常に多くの病原体に接しているため、獲得免疫が増えているという説もあるようです。

やはり免疫というのはなかなか奥深く理解できませんが、体を守る重要な機構であることは確かといえます。


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