会社の同僚の女性の話。
今日なんか元気がないなぁと思ってたら、ペットの猫が病気になって
気が重いと言っていた。
同じペットを飼うものとして、この気持ちは痛いほどよく分かるので、
俺にはその落ち込み方も理解できるところやねんけど、飼ってない
人にはこの気持ちは理解できへんやろうし、出来なくて当然。
それを象徴するような話が。
彼女が「体がかゆいみたいなのよ、とか元気がないのよ」と言ったと
ころだけ聞いていた他の同僚が彼女に、「誰のこと?」と聞いたの
で、彼女が猫の話、と答えると、「なんや猫かいな」という言葉が
返ってきてしまった。
でもこれは仕方のない話であって、「なんや」と言った人が悪いわけ
じゃないし、彼女もそのあたりは理解しているみたいで、少し寂しそ
うにしていたものの、その人に腹を立てている様子もなかったけど。
日本社会ではペットは家族という観念はあっても、その生き死に、
病気等に関しては、人間じゃないものにそんなに引きずられてどう
するという意識が根付いていて、ペットが病気だから早く家に帰り
たいとか、休んで病院に連れていってやりたいというような話は全く
通用しない。
彼女が寂しそうに、今日は早く帰ってやりたい・・・と言っているの
を俺はどうしてやることもできないし、自分が同じ立場に立った時
のことを考えてもどうすることもできないと思う。
ペットを飼うということは、癒しも辛さも飼う前の何百倍にもなるの
だということを忘れてはいけない。