kimitsuku独り言

日々の暮らしから感じたあれこれを
ひとりブツブツ独り言

 Y女さんのこと

2016年09月25日 | 日記
               
 新聞のお悔やみ欄にYさんの名前を見つけました。住所および年齢から考えて、ご本人に間違いないと
思われます。Yさんは以前に勤めていた特別養護老人ホームに入所されていた女性、まだ60代なかばで
アルツハイマー病を発症し、家族では介護が難しくなり施設入所された方でした。優しいご主人が頻繁に
訪問されていましたが段々に病状が進み、「あんた誰…」なんて言ってガッカリさせることも、しばしば。
 Yさんは大変ベッピンさんで元気な頃は社交ダンスやカラオケが得意、ご夫婦で旅行された思い出も多く
町内婦人会のリーダーをされていたと知りました。そんな自慢だった奥様が何故…と嘆くご主人に掛ける
言葉が見つかりませんでした。見た目には優雅なYさんが粗暴な言動で他の入居者を攻撃したり、家族や
介護する職員に悪態の限りを尽くす日もあれば、時には小さな声で歌っていることもありました。
 お得意ナンバーは 赤い花なら曼珠沙華 オランダ屋敷に雨が降る 濡れて泣いてるジャガタラお春…
『長崎物語』でした。じっと一点を見つめながら、小さな美しい声で歌っていた姿を覚えています。
 94年の生涯を閉じたYさんは今頃、曼珠沙華の花に囲まれて、「いやぁ~私の人生いろいろあったけれど
楽しいこともあったし優しい父さんにも巡り会えたし、まぁまぁだったワ」と、笑っているような気がします。
 高齢者介護の仕事を通して様々な出会いと別れがありましたが、Yさんとの思い出は不思議に楽しかった
ことばかりが残っています。多分Yさんのお人柄なのでしょう。Yさんお疲れさま、有難うございました-合掌-
コメント (4)
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