手塚秀孝書「小林多喜二」を読み終えました。
蟹工船などで有名な小説家で日本共産党員でもあった小林多喜二の生い立ちから小林30歳(1933年2月20日)に築地署特攻に逮捕され、拷問の末死亡するまでの時間約7時間とその後が書かれた著書です。
私は、彼の著書を多く読んでいますが、彼の生きた時代背景やどんな生活をしていたのかを詳しく知りたくて手に取りました。
もう一つの理由は、「読みたい」と思ったのは、彼が何時どの様な動機で共産党に入党したのかでした。
彼は、学生の時から文学に親しみ、文化サークルにいくつも参加していました。銀行員になってもノートと鉛筆を持ち少しの時間も惜しんで執筆活動に没頭しいたそうです。
入党の時期は、明確には書かれていませんが、1931年の後半ではないかと思われます。
当時の共産党は「非合法」とされ、文化人を受け入れる素地はなかったようです。
というのは、組織労働者を中心に農民などを受け入れたのは、当局の厳しい弾圧から組織を守るためのものでした。
彼は、「蟹工船」でも判るように、文筆活動で労働者の実態と権力を批判し労働運動を励ましていました。文化運動でも日本の中心的役割を果たしていました。
1931年頃に、党が「文化政策」を持つことによって、必然的に入党したものと思われます。
党は、治安維持法によって「非合法」とされながらも党の旗を守り続けてきました。
そんな、先輩の苦難の活動がありましたから、民主主義や基本的人権、平和が憲法に明記され、現在の私たちがあることを誇りに思います。