フルール・ダンテルディ

管理人の日常から萌えまで、風の吹くまま気の向くまま

またまた「予想外です」デーモン聖典46回!

2007年04月23日 | デーモン聖典関連

 夕ご飯を食べる前にまず3回!読み返しましたよ、LaLa6月号「デーモン聖典」。
 あいやー!またもや「予想外です」な大逆転。最初の1回目で「へ?自分の霊体を使ってK2を作って、赤龍は愛じゃなくて憎しみで死を得られるように『体質改善』(爆)でもしたのかしら」2回目で「愛しさ余って憎さ百倍、ここまでやっても愛を得られないのなら、いっそ憎まれてしまえーとやけっぱちなのかしら」3回目でやっと「あ、そっか!前にミカが言っていた『我々が欲しいのは究極の感情なんだ。それを言霊で与えてほしい』というのは『究極の愛』じゃなくても、『究極の憎しみ』でもいいってことか・・・!!から、ヘルムートの姿を与えられた赤龍は、愛ではなく憎しみを得ることにしたのか!」と合点。
 そう、赤龍が忍に求めた究極の感情は、「憎しみ」だったというのが真実。もなの独白「(忍からヘルムートという)最悪の形をもらってしまった赤龍は、何を考えただろう・・・」への答えが、これだったのです。忍から憎まれるために、「自分はデーモンではなく兄のヘルムートだ」と思わせなければならなかった。優しい兄のふりをし続けて、最後の最後で忍を裏切り、憎しみを自分にぶつけさせるために――
 ・・・と結論づけようと思ったのですが!しかし!再度コミックスを見直してみると、そう単純でもないっつーか、最初から憎しみを求めたわけでは、やはりないのではないかと思う。
 コミックス7巻、「変わらないのはお前だ!どんなに私が愛してやっても恐れ忌み嫌う!お前こそ変わらない!」とヘルムート(赤龍)は怒りを爆発させた。この怒りは思わず出てしまった、赤龍の本音じゃないのかなー。そして9巻の「私というデーモンは君から真実の愛の言葉をもらわない限り“恍惚の死”を得られないわけだ。絶望的だねぇ」という自嘲的な言葉も、本音じゃないのか。このセリフは、忍の「僕は努力するつもりです。必ずあなたを心から愛せるように・・・」という言葉への返事。忍の「努力する」に対して赤龍は「真実の」と答えているわけで、赤龍はこの時点で、忍の愛が決して得られないと悟ってしまった。このやりとりは、おそらくグリフィンが恍惚の死を迎えたあと、赤龍がそれを見てしまったあとでしょう。それで矢も盾もたまらず、唐突に(よく考えると、とても唐突にヘルムートは現れている。だってどう考えたって偶然ヘルムートが出歩くような場所でもないし、忍もタクシーを捜して移動している最中。忍に不審に思われる可能性大なわけで、これだけで赤龍の動揺ぶりがわかるというもんだ)忍に会いに行ってしまった。その結果、赤龍は愛ではなく、憎しみを得ようと方向転換した。
 コミックス4巻、ミカはデーモンの死を説明するけど、そこで「聖典が私たちを唯一無二のものとして愛してくれたとき、そして言葉として思いを伝えてくれたとき、我らは(その胸は熱い喜びで満ち、至上の幸福感に包まれる)恍惚の死を迎える」と言った。「究極の感情」の言霊でデーモンは死を迎えることができるというが、聖典の愛による「恍惚の死」だけでなく、憎しみによる「絶望の死」(と仮に呼ぼう)があるのではないか?赤龍だって、もちろん「恍惚の死」を望んでいたはず。それなのにあまりに長い間、何千億年も行き続けてきた末にやっと見つけた聖典には、最悪の相手の姿を与えられてしまった。だが忍も「愛に飢えた不幸な境遇の子ども」(鎖に子どもが多いという話を忍としているときに、ヘルムートが言っている。赤龍である彼は経験上それを知っていた)だった。だから、優しい兄として家族として彼を愛していけば、いつか愛し返されるのではないかと期待していた。しかし、それは徒労に終わった・・・。そのとき、赤龍はこの永い孤独と、ただ食らうだけの生を終わらせ、死ねるのならば、「恍惚の死」ではなく「絶望の死」でもいいと決めたのではないか。忍の言葉だけの、虚しい「愛しています」を最後の思い出(おセンチですが。何かそんな感じ)にして・・・。(あ、ここ、次のコミックスで入るところね)
 ですので、私は赤龍は最初から忍の「憎しみ」を求めていたわけではない、と考えるのですが・・・夢見過ぎ?
 しかしねー、赤龍が失敗したのは当然っつーか、だって赤龍さまってばめちゃくちゃプライド高いんですもの!「愛を求める“デーモン”、そんな物が私だと!?」って、あー、やっぱ忍の愛を得るために自分がデーモンであると告白して愛を請うよりは、憎まれることを選んでしまったのは、このプライドの高さゆえ。「どんなに私が愛してやっても」というセリフからも、何千億年も生きた高位霊体である自分が、こんな瞬きよりも短い生しか持たない、しかも放っておけば自分たちも地球も滅ぼしてしまう愚かな人類の1人の愛を得なければならないことを理不尽に思っていることがうかがえます・・・。K2みたいに単純に「そん中でもいちばんおいしいのが「スキ」って感情だ」「スキって言葉が手に入るなら死んでもいい」って思えればよかったのにねー・・って、赤龍、霊体を分けるときに、そういう素直な部分を全部K2に渡しちまったんじゃないのか(笑)
 あ、まだ謎がひとつ。赤龍は何のためにもう1人の自分ともいえるK2を作ったのか。これはあと2回(うわーっやだやだーっ)のうちにわかるだろうけど。
 それにしても・・・「おまえは憎しみの言葉さえ・・・私に与えないのか・・・」という赤龍の言葉が切ない。赤龍にとっては愛してもらえないのなら、せめて憎まれたい、彼にとって最も耐え難いことは、無視される、何の感情も向けてもらえないことだっただろう。だから前に忍に言われた「僕のことは放っておいてくれませんか」=あなたとは関わりたくない、というセリフは、相当傷ついたんじゃなかろうか・・・。「憎いのはこの宿命だ!あんたじゃない」って言われたときの赤龍の絶望の表情・・・。もう・・・かわいそすぎる・・・忍・・・あんたってば・・・鈍いのにも程があるっちゅーの・・・
 
 えーと、これですっきりと「うちは原作とは全く関係なくラブラブ・ハッピー&エロで行くぜ!」と開き直れますさー、スパートかけてコピー本書くぞー!
 そしてデーモン聖典10巻、5月2日発売ってことで。もちろん、買って、その足で新幹線に乗りまっせ!いつもなら「イベント行くのに少しでも荷物増やしたくなーい」って言って、帰ってきてからしか本は買わないけど、今度は新幹線の中で2時間、至福の時を過ごしまする~