ガラスミュージアム前の道を港へ向かって下っていくと、道と崖との間の空間にはなんだかよくわからないコーガー石製の彫刻がずらり。「これは・・・人?結界師に出てくるヨッシー製のいーかげんな式神にしか見えんが・・・。う~ん、これは・・・チュッ○チャプス?」芸術的感性とは無縁なワタクシ・・・。さらに行くと途中、屋根と石でできたテーブルと椅子のあるちょっとした休憩所があった。そこでは地元の人らしい男性がふたり、夕暮れの近づく海を見ながら座っている。テーブルの上にはペットボトル。道路には2台の車が路上駐車中。わざわざジモピーが車でこんなとこまで来ておしゃべりかい。(この辺りは港は近いが、集落からは遠い)
と、通り過ぎてすぐYが、「ここって・・・ハッテン場じゃないよね・・・?」とぼそりと呟いた。「は?」私はとっさに意味がわからず、訊き返した。「ハッテンバ?」私の頭の中にはニッカボッカのおじさんがたむろする水道工事の光景が浮かんだ。それは工事現場。どんな連想・・・。
Yはちょっとオタクだが(わざわざ石の森章太郎の記念館に行ったり、ア○フィーのおっかけをしたり、なぜか「秘密探偵JA」のコミックスを全巻揃えていたりする程度で・・・)、断じて腐女子ではない。ワタクシというクサレな友人を持ったばかりに、腐女子な思考回路を理解できるようにはなっているが。
「だって・・・わざわざこんな人の来ない海辺の休憩所でさ、いい年した男性がふたり・・・見つめ合ってるんだよ・・・」
「・・・あ、ハッテン場、ハッテン場ね。・・・なにっ!」
私はぐるりと振り返り、「ホントだ・・・。海も見ずに向かい合って黙って座ってらあ」と言いつつシャッターを押す。
「声がでかいよ」
「すまんすまん。・・・え~、単に仕事帰りにくっちゃべってるだけじゃないの?茶店もないから茶持参なら安上がりでい~んじゃない?」
なんだかYと私の発言がいつもと逆だ。・・・一体どうしたんだ。私の煩悩が今回1点集中だからか。(関係ない)
「どうなのかねえ。単なる島民の待ち合わせスポットなのかもしれないよ」
さて、我々は海辺の無料露天風呂を一旦通り過ぎ、港へ。その手前に、第2の撮影スポットがあるのだ!
「おお・・・ここだ!この上で演奏して歌っていたんだよ!」
←写真は翌日撮影のもの。24日は曇りで、暗く写っていてわかりにくいので・・・。
これ、なにかといえば単なる展望台(?)でございます。親水公園の滑り台といい、DVDからは想像もつかないものばかりですね~。何を考えて造ったんだ、新島村役場・・・。
→は同じく25日撮影の展望台を海岸側から見た側面。上の写真とあわせてわかるとおり、階段しかありません!じゃあ下の部分は何もないのかというと、単なる倉庫でした・・・。公衆トイレとシャワー室でも作っておけば「単なる展望台」ではなく、「海水浴客のためのトイレとシャワーだけじゃ地味だから、ついでに展望台つけちゃいました」と言えるものを・・・。
まあいい。さっそく撮影開始だ!
展望台のてっぺん。ここでメンバーが演奏したのだ。
「ここ!ここでタカノリが歌ってたのよ~」
タカノリがいた場所に自分もいるなんて、信じられない!(注※興奮しすぎてハイになっていますので、以下の発言がおかしくてもスルーしてください)なんという奇跡・・・!DVDで見た風景の中に自分もいるなんて・・・!
と鼻息も荒く写真を撮っては、「ここにタカノリが!」「ここにタカノリが立っていたのよ!」「この階段をタカノリが下りていったのね!」と独り言を呟く私を、Yは生暖かく見守り、私に指示されるまま、写真を撮らされるのであった・・・。
←タカノリがこの間に入って歌った場所。ドアが見えるが、多分ここも倉庫・・・。DVD見るとこのドアも映ってるよ!
→メイキングでタカノリが最後に駆け下りていくのを上から撮っているのだが、こんな角度。右上に映っている(見えるかな?)ギリシャの遺跡風の建物が、無料露天風呂。
「あ~、満足した!じゃ、夕日を眺めながら露天風呂入ろうぜ」
というわけで、私たちはもと来た道を戻り、海岸に作られた村営の無料露天風呂(水着着用)へ向かった。
しつこいようだが、本当なら晴れの天気予報なのに、傘はいらないが時折雨がぱらつく曇り。風も出てきてやや涼しい・・・。さすがにこの天気でこの時間なので、それほど客もおらず快適に湯につかる。子どもがビニールのボールを持ち込んでいて、頭に当たる・・・。機嫌がいいから別にめくじら立てないよ!「はい」と投げてやったさ!
露天風呂の場所は海岸の崖の上。一番端っこの風呂からは、溢れたお湯がそのまま崖を流れ落ちて海の中へ。端っこから身を乗り出してぼーっと波が打ち寄せてくるのを見ていると飽きない・・・。しかし波荒いな!風が強いんだよ。
崖の上のさらに高くなった崖の上にも風呂があり、階段を登っていくと向かいの地内島と水平線が見えて大変眺めがすばらしい。ここから眺める夕日がオススメらしいが・・・
「露天風呂から夕日を眺めよう!って言ってたけど、見えないじゃん」
とYに突っ込まれる・・・。
季節により、夕日が沈む位置は違う。今の季節はどうやら地内島の向こう側に沈むらしく、地内島の向こうに明るい光は見えるが太陽自体は見えない。しかも新島側から真っ黒な雲が迫ってきて、雨が強風に乗って吹きつけ始める。何しろ高い位置の吹きっさらし(一応屋根はあるが、横はすかすか)だから、顔に当たって痛い。眼鏡にも(露天風呂に入るときは足元があぶないので眼鏡は必需品)水滴がつく。
「降られる前に宿に戻らないと」
「だね」
さっさと降りていったYを追い、私もよろよろ(はだしだから足の裏が痛いんだよ!足つぼマッサージをされると悶絶するワタクシ・・・)と階段を下りた。
着替えて再びガラスミュージアムへの道をたどり、例のハッテン場(勝手に命名)の前を通ったが、すでにふたりの姿も車もなかった・・・。
宿に着いたのは5時半くらい。水着を洗って干し、荷物の整理をしたところで、忘れていたことが。
「は、腹減った・・・」
夕食は6時から。「腹減ったよ~。おやつ持ってきてないよ~。何も食べるものがないよ~」と床を転がるワタクシ。「早めに食べさせてもらえないか、訊いてみたら?」「やだよ、いい大人が恥ずかしいよ。(←今日の自分の言動が恥ずかしくないとでもいうのか?)・・・でも、もしかしたらもう用意してあるかもしれない・・・」
と、のこのこ食堂をのぞきに行くと、そこにはすでに食事が並べられていた。そして厨房からちょうど女性が出てきた。
「あのう、もう食べられるんですか?」
「はい、いいですよ。お刺身があるから早めに食べてください」
やったー!とルンルンと部屋に戻り、Yに「夕飯もう食べられるってさ!」と報告。
夕ご飯は大変おいしゅうございました・・・。量も多くて、食べきれず無念。奥さんが「さっき畑で取ってきた」というプチトマトを山のように出してくださったのでそれは平らげたが、魚の煮付けまでたどりつけず・・・。Y曰く、「あんたってメインじゃなくて小物から順番に片づけていくよね・・・」そうとも、魚の煮物以外はきれいに食べたよ!メインがなくなってサラダとかところてんが残っている君と違ってさー!
というわけで、1日目は終了。宿のしょっぱい温泉は熱めでございました・・・。