ある日の午後、オフィスは昼休みということで、私と同僚S子ちゃんだけとなった。
「Aさん・・・今深夜アニメ何見てる?」
「今期は不作ですよね~。『ヴァルヴレイヴ』と、『境界の彼方』と(ゲッ、私が好きじゃないヤツじゃん)、『ぎんぎつね』と、『キルラキル』と(あれ、レトロっぽくないかい?)、夜桜なんとかくらいですね」
「結構見てるじゃん・・・。私は『ヴァルヴレイヴ』と『弱虫ペダル』と『黒子』と『マギカ』でいっぱいいっぱいだなあ・・・。でも実は私、今、テレビ見るたび萌えてるのがあってさ・・・」
「なんですか?」
「うふふ・・・(恥)後輩×一条先輩・・・」
「一条先輩?」
「ほら、ミニ○ニのCMでさー、目の周り逆パンダにしていたマヌケなサラリーマン」
「ああ!あれ、一条先輩って名前なんですか!知りませんでした。あのCMいいですよね!!でも誰にも言えなくて悶々としていたんですよ~」
「やっぱり?!私もずっと誰かと語りたくってさー!!だってなんでお前ら、休日まで一緒にいるんだよ!って、しかも後輩君の下宿でふたりで茶なんか飲んじゃってさー!」
「そうそう!わざわざハワイから国際電話しちゃったりするんですよ?!いったいどういう関係かと思いましたよ!やっぱ先輩受けですよね!」
「だよね!後輩攻め×一条先輩受けだよね!可愛い顔して攻めなところがいいんだよね!でも、どうしよう後輩君、転勤なんだよ~
」
「大丈夫です!転勤先に行くと「やあ、遅かったな」とか先輩がちゃっかり隣の席にいたりするんですよ」
「ええっ!?追いかけてきたの?じゃあ、後輩が引越しの搬入中、ちょうどお隣の部屋も引越しの最中。挨拶でも・・・とふと見ると、先輩が。「奇遇だな。お前もこのマンションなのか?」なんちゃってー!」
「きゃーっ!ストーカーですか?!どうやって後輩君のマンションをかぎつけたんですか?!」
「ふふ・・・それはね、人事部に同期の悪友がいたりして、そいつにこっそり聞き出したってわけよ」
「ステキです、お隣同士で実は半同棲生活の始まりですね?!」
・・・ふと気がつくと、オフィスの端の席、お昼から戻った新人君(♂)が自分の席に座っていた・・・。おまえら、仕事しろ・・・