個別指導の塾なので特にそうなのかもしれませんが、授業では生徒さんのペースに合わせるように工夫をしています。また他の講師にも、そうするようにお願いしています。集団ではなかなかついていけない、または集団のペースではまどろっこしいという人が個別指導に来ると思いますので、その点を踏まえた指導が必要だと思っています。
頑張っているんだけれど、理解するのに時間がかかる生徒さんがいます。やる気もあるし、本人も頑張っているのですが、一度に大量の物事を教え込まれてしまうと混乱してしまうタイプです。そういう生徒さんには、やる内容をできるだけ絞り込むようにしています。他の人と比べればときに半分、ときに3分の1ぐらいまで絞り込みます。
その量でも消化しきれるか不安なことがありますが、絞ったぶん、表面的な理解にならないように、本質的な理解ができるように心がけて授業を進めます。本人も勉強に対しては、自分があまりいっぺんに理解できないことも、理解がゆっくりだということも自覚しています。だから今の取り組みの意味ややり方を説明して、本人にも授業のやり方を理解してもらいながらを進めていきます。
そうやって頑張った生徒さんm期末テストでは決して立派な点ではありませんが、点数を下げていった人も多い中、前回と同じ点数をキープすることができました。これは本人の努力によるところが一番大きいですが、絞りこんで本質的な理解にこだわった結果でもあると思います。
教える側の満足を求めるあまり表面的な理解に終始してしまうより、たとえいくつかの問題を捨て絞り込んだとしても、その生徒さんが本質的に理解できるように、生徒さん自身が満足する授業を組み立てる、そんなことが大切だと改めて思いました。
「早口な人には早口で話、ゆっくり話す人にはゆっくり話す」そうすることで信頼感が得られるという話を、何かの本で読んだことがあります。授業に関しても同じことがいえるなと思います。
でも本当に大切なのはここから。最初はゆっくりなペースにあわせながらも、徐々にこちらが求める方向へ生徒さんを誘導していく、無理のないようにスピードアップしていって、卒業する頃には以前よりも早く正確にできるようになる、そうやって成長を促すことも大切だと思います。
学習指導を通してできることには限界もありますが可能性もたくさんあると思います。ペースをあわせることからはじまる可能性を、しっかりと考えていきたいと思います。