
気になっていた、東京ステーションギャラリーで開催中の『宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った』を仕事帰りに観に行った。金曜の夜ならと思って行ったけど、一つ不安があった。先日のNHK『日曜美術館』で紹介されたから来場者が増えるのでは…と。で、不安は的中した。まあ、僕もその中の一人ではあるけど。
さまざまな対象を、さまざまな布地などの素材を用いて作品にする。そのめずらしい手法も作品の魅力だけど、その手法が芸術となるには、宮脇さんが対象を見つめ、姿形を正確に捉え、特徴を抽出し自らの作品へとつなげていく。作品とする対象と、端切れなどの画材を、どのように組合せ、どのように配置していくか。その宮脇さんの創作活動により生まれた作品の数々に魅了され、存分に愉しんだ。
そう、デフォルメするにしても、まずはその対象を正確に捉えるところからなんだろう。それは、仕事にも通じる…なんて、また仕事のことを考えてしまっていた。まあ、仕事ではものごとを上っ面だけで捉えてわかった気になってしまうことも少なくないけど。
ものごとの本質を見極めるというのは簡単ではない。けれども、そのことを通じてかけがえのないものが得られると思う。すべてについてではなくても、大切だと思う対象についてはそんな気持ちで見つめていきたい。