
瀬尾まいこさんのエッセイと小編小説が収載された『そんなときは書店にどうぞ』を読み終えた。
書店に行くのは好きだけど、大型書店には行くものの、地元の書店に立ち寄ることは少なくなった。あれこれ探そうと思うとどうしてもそうなってしまう。応援したいという気持ちがないわけではないものの、実際に行っていなければそんな言葉も軽いままという自覚はある。
さて、この本のエッセイ部分には『夜明けのすべて』の出版と映画化に関するエピソードが綴られている。その第一印象は「瀬尾さんってこんなに饒舌だったの?」だった。まあ、それは文字に綴られたものなので「饒舌」とは言わないのかもしれないけど。
『夜明けのすべて』については、書籍、映画それぞれの感想をここにアップさせてもらったけど、それぞれ僕の心の奥深くに響くものだった。エッセイからは、そんな物語を紡がれた瀬尾さんと瀬尾さんのご家族の、そして映画をつくられた三宅唱監督や出演された松村北斗さん、上白石萌音さんの人柄が伝わってきて、ホッコリした気持ちとともに読み進めた。そう、タイトルに込められた瀬尾さんの書店さんへの想いが、エピソードの中に織り込まれていた。そして、年始に観た映画『私にふさわしいホテル』のワンシーンを思い出した。
小編小説の方は、映画にもなった『幸福な食卓』の後日譚となっていたけど、それを知らずに読み進めていく中で『幸福な食卓』だけでなくやはり瀬尾さんの『戸村飯店青春100連発』を思い浮かべた。綴られた物語は書店を舞台にしていて、登場人物とエピソードに心惹かれるとともに、僕も何か作ってみたいなって思った。
来月には次の作品が刊行される予定とのことで、それに合わせてまた書店に行き、瀬尾さんの作品に加え、あれこれ手に取ってみよう。