ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

35,000年前の世界へ

2005-09-17 | 読むこと。
読書の秋、といいますが、私の場合は夏。
あ~暑くて何もしたくない!というときに本の世界に逃げ込みます。
仕事場以外めったにエアコンを使わない我が家ですが、夕方になると開け放した窓から、けっこう風がはいってくるので、涼しい場所を陣取って、いざ本の世界へ!

こんなときこそ、現実の暑さを忘れさせてくれるファンタジーなのですが、今年はちょっと違いました。
私がもぐりこんだのは35,000年前のこの地球。
氷河が残り、マンモスが闊歩していた時代に生きた、私たちの祖先であるクロマニオン人の少女の物語です。

少女の名はエイラ。
5歳のとき地震で両親を失い、ケーブ・ライオンに襲われ倒れているところを、ネアンデルタール人の一族に拾われます。
外見から言葉から何もかも違う一族の中で、エイラは母と慕う薬師イーザのもとで育てられますが、結局一族から追いやられ、自分と姿形が同じ「異人」を探して旅立つのです。

以前、評論社から「大地の子エイラ」などシリーズで出ていましたが、今回完訳「エイラ 地上の旅人」として新たにホーム社から出版されました(大人向けとして)。
とにかく長い!全5巻計13冊になるようです。

私は第1巻「ケーブ・ベアの一族 上下」、第2巻「野生馬の谷 上下」、第3巻「マンモス・ハンター 上中下」をこの夏に読みましたが、もう圧倒されました。
現在、当時の様子がどれほど解明されているのか知りませんが、作者はきっと膨大な資料を読み、そこからとてつもなく想像力をふくらませていったのでしょう。
当時の生活の様子が細かく描かれ(まるで見てきたかのように!)、とても驚かされます。
現代に生きる私たちから見ると、目からウロコのことばかり。
第1巻では、ネアンデルタール人の暮らしや文化、新人類であるクロマニオン人との違いを知り、第2巻では、一族を離れたまだ十代のエイラのたくましさに感動し、第3巻では、自分と同じ人々の村でエイラが経験する、現代にも通じるようなさまざまな出来事に考えさせられます。

この物語の中では、エイラを通じて、人類がどんなふうに工夫をこらし、発展していったか垣間見ることができます。
一方でなぜ、ネアンデルタール人が絶滅していったのか・・・。
こうして進歩し続け、ロケットを飛ばすまでになった人類が、この先どこへ向かっていこうとしているのか、つい、そんなことにまで思いをはせてしまいました。

といいながら、本を閉じると現実がどどどーっと押し寄せて、あわてて夕飯のしたくをはじめるのですが・・・

ほんとは子どもにも読ませたいのですが、大人向けとあってかなり性描写が詳しく、ちょっとなあ・・・と二の足を踏んでしまいます。
というか、食べ物・衣服・道具・植物などすべてにおいて詳しく書いてあるので、これもそういう作者の趣旨なのでしょうが、ちょっとくどい!
と、おばさんは思ってしまいました

コメント
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