ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

「にぐるまひいて」 T・テューダーとB・クーニー

2005-09-30 | 読むこと。
先日NHKのターシャの番組を見ていて、ふと頭に浮かんだのは、バーバラ・クーニーの絵本「にぐるまひいて」でした。

クーニーは私の好きな絵本作家のひとりですが、この絵本はニューイングランドに住む家族の1年間の様子を、彼女独特の美しい絵で綴っています。
荷車にみんなで作り育てたもの、羊の毛で織ったショール・ろうそく・ほうき・野菜にかえで砂糖、を積み込み、お父さんは10日がかりで市場へたどり着きます。
そこで持ってきたものすべて、最後には荷車や牛まで売って、そのお金で家族に必要なものを買い、家路に着くのです。
そしてまた、みんなで冬には物を作り、春には野菜を作り始めます。

ほんの少し前まで、日本でもアメリカでも、私たちはこんなシンプルな生活を送っていたのでしょう。
テレビで見たターシャの生活は、この絵本に描かれた、ニューイングランドの美しい風景や暮らしそのままでした。

番組で、電話を発明したベルが、ポケットにルピナスの種を入れていつも蒔いていた、という逸話が紹介されていましたが、これってクーニーの絵本「ルピナスさん」と同じですね(絵本では女性ですが)。
何か関係があるのでしょうか?

T・テューダーとB・クーニーって、共通点が多いですよね。
生まれた年も近いし、どちらもお母さんが画家。
ターシャはニューハンプシャーで古い農家に住み(今はバーモント州ですが)、園芸や絵本を描いて4人の子どもを育てたし、クーニーもニューハンプシャーの古い大きな家に住み、4人の子どもの世話をしながら、イラストの仕事や庭仕事をしていました。
それにどちらも1度離婚しています。

当時の女性というのは、家事も子育てもきっちりこなしながら、自分の仕事を持ち、独立した生き方をしていてすごいですね。
というか、ほとんどの女性が家庭で家事・育児に専念するのがあたりまえだった時代に、彼女たちは母親の影響か、そういう独立した生き方を選んだ新しい女性たちだったのでしょう。

クーニーの絵本は、もちろん絵もすてきですが、絵本に描かれる女性が凛としていてとても魅かれます。
「おおきなみ」「ルピナスさん」「エミリー」など、背筋をピンと伸ばして生きる女性のイメージで、それは彼女の生き方を反映してしているようです。

最近、首をかしげたくなるような女性が、若い人だけでなくオバサンにも政治家にも(!)多いような気がしますが、身近にお手本となるような女性が少なくなったからなのでしょうか。
私も娘たちに非難されないよう、背筋をピンと伸ばして・・・うっ、腰が・・・







コメント (2)
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