『エルデスト 宿命の赤き翼 下』を読み終えました。ふぅ~ 上巻533p、下巻501pとかなり読みごたえがあります。しかしこの下巻は読み始めると目が離せず、ハラハラ、ドキドキの連続。
上巻は、『エラゴン』で帝国軍の手先アーガル軍との戦いに勝ったあとの主人公エラゴンが、エルフの森でドラゴンライダーの修行をつむところがメインでした。この下巻ではいよいよ反乱軍であるヴァーデンと帝国軍との戦いの火蓋がきって落とされ、エラゴンも修行を打ち切り反乱軍に合流します。
一方エラゴンの従兄のローランは村人を帝国軍から守るため、また帝国軍に捕らえられた恋人を救い出すため、反乱軍の根拠地をめざし船を奪い帝国軍に追われながら困難な旅を続けます。
そして戦いの地でふたりは再会。多くの犠牲を出しながらもかろうじて反乱軍は勝利をおさめるのですが・・・。実は帝国軍にもドラゴンライダーが現われ、1対1の戦いでエラゴンは負けてしまうのです。そしてそのドラゴンライダーというのが・・・ とにかく最後はショッキングな事実と驚きの連続でした。
この物語は最近のファンタジーの中では、なかなかよくできた作品だと思います。長いだけあって、エルフやドワーフの国の様子、また両者の世界観の違いなども詳しく描かれてあるし(主人公が両方の国を経験するので)、またエルフの力、あるいは魔法の力というものがどこから生じるのか、なにからエネルギーを得るのかなど詳しく説明してあります。
魔法使いが出てくる、あるいは魔法が使えるという物語の設定は、読者にその魔法を納得させるのが意外に難しいように思います。なんでも魔法で解決したらおもしろくないし、危機的状況に陥っているとき読者に「なんで魔法を使わないの~」と興ざめされることもあるだろうし。
この物語では、魔法にはかなりのエネルギーが必要で、魔法の強さによって本人の消耗も激しく限界がある、ということになっています。ふむふむ、一応納得。
また敵として戦った野蛮で獰猛なアーガル軍(『指輪物語』に出てくるオークのようなもの?)が、その恐ろしい外見からエルフや人間から嫌われているけれども、実は戦いを誇りとする種族のひとつなのであり、最後には反乱軍とともに戦いたいと申し出るなど、善と悪がまっぷたつにはっきり分かれているわけでもなさそうです。ということは、まだ登場していない帝国軍の支配者ガルバトリックスは、もと優秀なドラゴンライダーだったというだけに、どんな人物なのか興味津々。
この作品のテンポの早さ、ストーリーの盛り上げ方のうまさはとても映画的で、いかにも現代の若い作家から生まれたファンタジーだなあと感心します(なんでも17歳で書きはじめたとか)。
見どころは2匹のドラゴンの戦うシーンだと思うのですが、映画でも見応えのある作品になることを願うばかりです。
上巻は、『エラゴン』で帝国軍の手先アーガル軍との戦いに勝ったあとの主人公エラゴンが、エルフの森でドラゴンライダーの修行をつむところがメインでした。この下巻ではいよいよ反乱軍であるヴァーデンと帝国軍との戦いの火蓋がきって落とされ、エラゴンも修行を打ち切り反乱軍に合流します。
一方エラゴンの従兄のローランは村人を帝国軍から守るため、また帝国軍に捕らえられた恋人を救い出すため、反乱軍の根拠地をめざし船を奪い帝国軍に追われながら困難な旅を続けます。
そして戦いの地でふたりは再会。多くの犠牲を出しながらもかろうじて反乱軍は勝利をおさめるのですが・・・。実は帝国軍にもドラゴンライダーが現われ、1対1の戦いでエラゴンは負けてしまうのです。そしてそのドラゴンライダーというのが・・・ とにかく最後はショッキングな事実と驚きの連続でした。
この物語は最近のファンタジーの中では、なかなかよくできた作品だと思います。長いだけあって、エルフやドワーフの国の様子、また両者の世界観の違いなども詳しく描かれてあるし(主人公が両方の国を経験するので)、またエルフの力、あるいは魔法の力というものがどこから生じるのか、なにからエネルギーを得るのかなど詳しく説明してあります。
魔法使いが出てくる、あるいは魔法が使えるという物語の設定は、読者にその魔法を納得させるのが意外に難しいように思います。なんでも魔法で解決したらおもしろくないし、危機的状況に陥っているとき読者に「なんで魔法を使わないの~」と興ざめされることもあるだろうし。
この物語では、魔法にはかなりのエネルギーが必要で、魔法の強さによって本人の消耗も激しく限界がある、ということになっています。ふむふむ、一応納得。
また敵として戦った野蛮で獰猛なアーガル軍(『指輪物語』に出てくるオークのようなもの?)が、その恐ろしい外見からエルフや人間から嫌われているけれども、実は戦いを誇りとする種族のひとつなのであり、最後には反乱軍とともに戦いたいと申し出るなど、善と悪がまっぷたつにはっきり分かれているわけでもなさそうです。ということは、まだ登場していない帝国軍の支配者ガルバトリックスは、もと優秀なドラゴンライダーだったというだけに、どんな人物なのか興味津々。
この作品のテンポの早さ、ストーリーの盛り上げ方のうまさはとても映画的で、いかにも現代の若い作家から生まれたファンタジーだなあと感心します(なんでも17歳で書きはじめたとか)。
見どころは2匹のドラゴンの戦うシーンだと思うのですが、映画でも見応えのある作品になることを願うばかりです。