ほぼ是好日。

日々是好日、とまではいかないけれど、
今日もぼちぼちいきまひょか。
何かいいことあるかなあ。

待つ、ということ

2006-04-17 | 日々のこと。
ようやくチューリップの花が咲きました。今年ほど球根を植えてから開花まで、長く感じられた年もありません。12月には大雪でプランターは雪に埋まってしまうし、少し暖かくなって蕾がふくらんできたと思ったらそこでとまったまま・・・。花が咲くまで、何色のチューリップを植えたかすら忘れてました

私は香りのする花が大好きなので、沈丁花が終わったら次はフリージアが楽しみです。でもこちらも今年は生育が遅れていて、温かい風にのって甘い香りがするのはもう少しさきになりそうです。

今でこそこうやって花を植え、季節ごとに咲く花を楽しむようになりましたが、実は結婚するまで植物というものに全く縁がありませんでした。というより植物の世話は苦手なんだ、とずっと思い込んでいたのです。

思い返せば小学生の頃。理科の時間にアサガオやへちまを植えました。しかしなぜか私のだけ芽が出なかった・・・という苦い記憶が残っているのです。それが事実なのか、あるいは芽が出るのが遅かっただけなのか今となってはわからないのですが、恐ろしいことに「私のだけ芽が出なかった」→「私は植物の世話が下手なんだ」と幼い頭に刷り込まれ、それからずっと園芸というものを避けて通ってきたわけです。

だからいざ花を植えようと思っても、どんな土にどうやって植えたらいいのかすらわかりませんでした。
はじめに興味をもったのはハーブ類。ハーブを使った料理をつくりたいなあと思っていたら、懸賞でハーブの種が当選。6種類くらいあっていろいろ植えてみましたが・・・ラベンダーは夏の暑さに枯れてしまう、バジルやカモミールは虫がつく、結局今でも残っているのはタイムだけ でも生のバジルとガーリックや松の実でこさえたスパゲティはおいしくて大好評でした。

次に保険屋さんからだったか、花の種の詰め合わせをもらいました。ひまわり、矢車草、ポピー、忘れな草、ダリア、わた・・・etc.。これもこわいもの知らずでいろいろ試し、わたの花も咲きました。

そして初めて球根というものに挑戦。チューリップだったかなあ。
ところが。秋に植えた球根は何の変化もないまま(ムスカリとかフリージアだったら早くから芽が出るのですが)。あれ~失敗したかなあ、と幼い頃の苦い記憶がよみがえります。はえてくるのは雑草ばかり・・・。

雪が降り、お正月がきて、忘れかけてたころ土の中からぽっちりと緑の芽!うれしかったな。あそれから毎日のようにプランターをながめては、大きくなったかなあ、早く咲かないかなあ、とその待ち遠しかったこと。

花によっても違いますが、苗や種とちがって球根は植えてから開花までが長いですよね。はじめのうちは、秋に植えて春まで待つ、というのがとてつもなく長く感じられたものです。でも長く待ったぶん、いっせいに花が咲いたときの喜びといったら!ああ、春が来たんだなあ・・・としみじみ感じます。


私はせっかちで、「待つ」ということが本来苦手です。子育てのときもそう。いつも心の中では、「早くしてよ~」と時間を気にしてばかりいたような気がします。

ある日球根に水をやりながら、ああ、子育ても同じやなあ、と気がつきました。ふたりの子どもの子育ての、長い長いトンネルのまだ途中でした。自分の時間なんかなくて、子どもにふりまわされていたころ。
だからといって毎日の生活が変わったわけではありませんでしたが。

秋に球根を植え、長い冬を過ごし、春になったら花が咲く。いつのまにかそういうシンプルな自然の摂理を、すんなりと自分のなかで受け止めることができるようになっていました。

毎年春になると桜が咲き、子どもたちは進級していきます。幼稚園、小学校、中学校、高校。そして気がつけば子どもと手をつなぐこともなくなり、休日の予定もみんなばらばらで、あれほど欲しかった自分の時間もできました。今では家族揃ってのお花見はあと何回できるのだろう、と淋しく数えています。

待っていれば、いつか花は咲くもの。
子どもたちは、これからどんな花を咲かせてくれることでしょう。


ところで。最近私は花木が好きで、我が家の植木鉢にも山茶花、椿、沈丁花、紫陽花、バンマツリ、ブルーベリーと種類が増えました。毎年花を咲かせてくれるのでうれしいのですが、置き場所が狭くって。それに季節の花のプランター。
願わくば庭のある家に住みたいのですが・・・。待ったら願いがかなうかな?
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする