少し前に、歴史物が立て続けに映画化されましたね。
『トロイ』、『アレクサンダー』、『キングダム・オブ・ヘブン』・・・。歴史好きの私としては、あれ観たい、これ観たい、と思いつつなかなか観るチャンスがありませんでした。
ようやく観たのがこの『キングアーサー』。
アーサー王の物語だ、と信じ込んで見始めたのですが・・・。なんか、時代が違うよね
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase1.gif)
時代は五世紀のはじめ、イギリスの暗黒時代といわれた頃です。当時のブリテンはローマ帝国の支配下にあり、独立を求める反乱軍ウォードや北から侵略を狙うサクソン人と争いが絶えません。
ローマ軍の司令官アーサーは、ローマ人の父とブリテン人の母との間に生まれたのですが、その母が同じブリテン人に殺されたことから憎しみを抱いています。その彼の元に集まった6人の円卓の騎士。彼らはローマに破れたサルマート人で、強制徴用され15年間ローマ帝国のために戦わねばならないのです。
このあたりの歴史が少しわかりづらいかもしれませんが、一応映画の中でも説明されています。つまり、アーサーも騎士たちも純粋なブリテン人ではないわけです。戦いが終わればローマに帰ろうとするアーサーと、15年の役目を終え故郷に帰りたい騎士たち。ところが・・・。
最後の任務としてローマ人の一家を救うことを命ぜられます。しかし彼らを救うにはウォードのいる森を抜けねばならず、また、いつサクソン人の襲撃があるかもしれない、という命がけの任務だったのです。
・・・と、まあこのへんはハラハラドキドキして見ているわけですが、ローマ帝国の廃頽やキリスト教の傲慢さに気づき、異教徒として拷問を受けていたウォードの女性と子どもを助けるあたりから、アーサーの王としての指導力や人間性、彼を慕う騎士たちとの友情、といったドラマになっていきます。
この騎士たちがなかなか素敵です。それぞれ個性的で。できれば彼らのエピソードにもう少し時間をとって欲しかったのですが、はじめのうちは見分けがつかず
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
一緒に観ていた長女は、「この人、素敵
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heartss_pink.gif)
そう、「負け知らず」といわれたアーサーと6人の騎士ですが、さすがにこの戦いでは命を落とすものが出てきます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_cry2.gif)
最後、自由を勝ち取るためにウォードと共にサクソンと戦うアーサー。いったん故郷に帰ろうとしながらも、結局アーサーのもとに戻り一緒に戦う騎士たち。
戦いのシーンは生々しく残酷です。現代のようにボタンひとつでミサイルが発射、という時代ではないので、それこそ生身の身体のぶつかり合い。弓矢が飛び、炎が上がり、すさまじい剣と剣の応酬。おびだたしい血が流され、仲間を失い、そしてアーサーは勝利を得るのです。
アーサー王伝説の成り立ちには諸説あるらしく、この物語もそのひとつに過ぎません。魔術師マーリンも、この作品ではウォードの指導者・予言者として、王妃グウィネヴィアはアーサーに助けられたウォードの娘(というよりも女戦士)として描かれています。
全体的に画面が暗く、神秘的で重々しい雰囲気が伝わってくる映画でした。
それにしてもイギリスの歴史って複雑ですね。ローマ帝国に支配されたり、他からの侵略を受けたり、スコットランドと敵対したり、宗教で戦争があったり。というか大陸ではそれが当たり前で、よそから侵略を受けることのなかった日本が特別なのかもしれません。
世界史がわからん・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_gaan.gif)